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独立系映画に掛かるお金はどのくらい?売り上げマイナスも多い現状とは!?

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最新作『演劇1』『演劇2』の公開が控える想田和弘監督
最新作『演劇1』『演劇2』の公開が控える想田和弘監督

 1日、西新宿の芸能花伝舎で「Next舞台制作塾」オープンセミナー「独立系映画の売り方に学ぶ」が行われ、映画『演劇1』『演劇2』の想田和弘監督、本作を配給する合同会社 東風代表の木下繁貴、映画監督の深田晃司らが独立系映画の現状について語り合った。

映画『演劇1』場面写真

 『平成ジレンマ』『玄牝 -げんぴん-』『花と兵隊』など、意欲的なドキュメンタリーを数多く配給してきた東風。木下によると、全国20~30館規模の単館ロードショー作品1本を公開するため、同社が掛ける配給宣伝費はおよそ500万円。ここからチラシやポスター、パンフレット、劇場用予告編、人件費などがまかなわれる。

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 それに対する収入は、都内の上映が動員4,500人なら配給収入は約300万円、また全国上映で動員5,500人であれば約350万円。続いてパンフレットなどの物販が約90万円、自主上映会で約300万円、DVD販売が約130万円。テレビ番組放映権が約80万円となり、作品によって収支の増減はあるものの、合計はおよそ1,250万円。木下は「もちろん(収入を)全部持っていくわけでもない。制作費次第ですが(売り上げは)マイナスのことが多い」と現状を語る。

 テレビ番組放映権、パッケージ販売などで損失を埋めていた時代もあったが、現状ではそれも厳しく、しわ寄せは映画の制作現場にも及んでいるという。深田監督が「Vシネマが全盛の時代は2~3,000万くらいの予算じゃ映画を作れないなんて声があったのに、今じゃ500万円くらいから作るようになった。ひどいのだと50万円で作られるソフトエロの映画シリーズまである。これじゃボランティアでも成立しないですよ」と語ると、ニューヨーク在住の想田監督は「そんな現状なんて知らなかった」と驚きながらも、「普通に映画を作れば数千万円くらいあっという間ですよ。アメリカでも、(制作費を工面するために)クレジットカードで破産するフィルムメーカーは多いですから」と付け加えた。

 その後も議論は、「日本だけでなく世界に目を向けたマーケット展開」「海外における助成金、寄付の現状」「若年層へのアピール」など幅広いテーマで白熱。この日集まった演劇制作を志す受講者たちは、映画人たちの赤裸々な告白に興味津々の様子で耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)

想田和弘監督最新作『演劇1』『演劇2』は10月20日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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