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「100万回生きたねこ」佐野洋子さんドキュメンタリー、絵本未発売ドバイでも好評

「100万回生きたねこ」佐野洋子さんドキュメンタリー、絵本未発売ドバイでも好評
佐野洋子さんの魂と一緒に世界中を旅している小谷忠典監督(ドバイのジュメイラ・ビーチ・パークにて) - Photo:Harumi Nakayama

 小谷忠典監督『ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ』が、アラブ首長国連邦で開催された第9回ドバイ国際映画祭アジアアフリカ・ドキュメンタリー部門で上映された。残念ながら受賞は逃したが、韓国・釜山、イタリア・トリノと回って国際映画祭は3か所目。他からもラブコールが届いており、映画はさらに世界へと羽ばたいて行きそうだ。

 同作品は、2010年に亡くなった作家・佐野洋子さん作・絵の絵本「100万回生きたねこ」の世界観を、年齢も環境も異なる女性読者の身体を通して伝えるもの。佐野さんがカメラに写ることを嫌い音声インタビューのみの取材となったため、熟考した末に生まれた異色のドキュメンタリーだ。

 絵本は中国や韓国、フランスなど世界6か国で翻訳版が発売されたが、残念ながらアラブ語版はまだ。英語版も絶版中だ。しかし絵本の朗読シーンと、死を前に達観した発言を放つ佐野さんのインタビューには客席から度々笑いが起こり、佐野さんの魂は国境を超えて伝わることを改めて印象付けた。

 小谷監督は「実は亡くなる1年ほど前に、言葉をうまく話せなくなった佐野さんから撮影を止めたいと言われたことがありました。間に入って『せっかくだから最後までやろうよ』と言ってくれたのが、息子で絵本作家の広瀬弦さん。今こうしてドバイまで来られたのは、佐野さんたちのおかげです」と喜びを噛み締めていた。

 また本作には一般読者に混じって唯一、女優・渡辺真起子が出演している。小谷監督が前作『LINE』でトリノ国際映画祭に参加した際、同じく主演映画『トルソ』で参加していた渡辺と遭遇。本作の企画を話したところ、偶然にも渡辺と広瀬さんが同級生だったことから、佐野さんの足跡をたどる案内人役で参加することが決まった。

 渡辺といえば先日、第55回アジア太平洋映画祭で最優秀助演女優賞を受賞したが、小谷監督は「渡辺さんは短絡化されたキャラクターで作品をごまかしたり、役柄に逃げ込むことで自分自身を守るような俳優ではありません。リスクを承知で演技の中に等身大の姿をも表します。それはスクリーンに命を宿す行為です」と賛辞と感謝の言葉を贈っている。小谷監督は次回、写真家・石内都のドキュメンタリーに挑む。(取材・文:中山治美)

『ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ』はシアター・イメージフォーラムにて公開中 そのほか全国順次公開予定


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