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ナチス政権下で製作された今でも一般上映が禁止されている40作品とは?

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新作について語ったフェリックス・モエラー監督
新作について語ったフェリックス・モエラー監督

 現在ニューヨークのリンカーンセンターで行われているJewish Film Festivalで、ナチスのプロパガンダ映画を扱ったドキュメンタリー作品『フォビドゥン・フィルムズ(原題) / Forbidden Films』について、フェリックス・モエラー監督が語った。

 本作は、第2次世界大戦中のナチス政権下で製作された1,200本の長編映画のうち、今でも一般上映が禁止されている40作品に焦点を当て、当時の映画監督や映画史家などのインタビューを含め、ナチス政権のプロパガンダ作品の内容とその存在価値に迫った作品。

 フェリックス・モエラー監督は製作のきっかけについて「僕は以前にナチス政権のフィルムメイカーとして有名なファイト・ハーラン監督を題材にしたドキュメンタリー映画を描き、国家社会主義にも強い関心を持っていたんだ。そのため、ナチスのプロパガンダ作品を論理的な観点で見つめ、今後われわれがいかに、このプロパガンダ作品に対応していくべきかを考えるべきだと思ったのが製作の始まりだった」と語った。

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 これらの映像はどこに保管されているのか。「ドイツ政府が持つフィルム・アーカイブに保存されている。でもセルロイド・フィルムのまま保管されており、リストア化(復元)やデジタル化がされなければ、これらの映画はいずれすべて無くなってしまうだろう。だが、ドイツの政治家達はナチスのプロパガンダ作品を、資金を出して復元したり、デジタル化したりするという内容の質問から逃れているのが現状だ。だが僕個人は、復元したりデジタル化したりすることで、後世に残していくべきだと思っている」と研究されるべき素材であると考えているようだ。

 今作を通して伝えたいことは「ファイト・ハーラン監督のドキュメンタリー映画では、アートと第三帝国(ナチス政権下のドイツ)の力関係を描き、ナチス政権の代表的な監督レニ・リーフェンシュタールは、“ナチスの協力者”として批判もされてきたが、作品自体は高い評価を受けている。だから、僕はあえて自分の意見を明確にせずに、観客がプロパガンダ作品に個人の意見を持ったり、議論したりしてもらいたいと思っている」と答えた。

 映画は、先日のフランスのシャルリー・エブド襲撃事件も含め、アート作品と社会や宗教への影響性などを考えさせられる作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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