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映画史を変えた!『俺たちに明日はない』のラストシーンを町山智浩氏が語る

映画史を変えた!『俺たちに明日はない』のラストシーンを町山智浩氏が語る
「第二回 新・午前十時の映画祭」を開催中のTOHOシネマズ 日本橋にてトークイベントが行った町山智浩氏

 22日、「第二回 新・午前十時の映画祭」を開催中のTOHOシネマズ 日本橋にて「町山智浩氏が語る20世紀名作映画講座」と題したトークイベントが行われ、映画評論家の町山智浩が出席。『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』(1967)の上映後、「昔、ハリウッドに革命があった/アメリカン・ニュー・シネマとは何か」をテーマに、「この映画の前と後でハリウッド映画が変わった革命的な映画。一番変わったのはセックスとバイオレンスと反権力の描写」とその魅力を解説した。

 ラストに主人公の二人がマシンガンで撃たれる凄惨なシーンが有名な本作。だが、当時アメリカでは厳格な検閲制度「ヘイズ・コード」により、「キスは3秒まで」「男女が同じベッドに寝てはいけない」「銃と撃たれる人間を同じ画に入れてはいけない」などさまざまな制約があり、そういう意味でもあらゆるタブーを破った映画として革命的な作品だったという。

 その背景として、町山は1950年代の終わりにヨーロッパで始まったヌーヴェルヴァーグの流れがハリウッドへ到達したことや、ヘイズコードが1966年に撤廃され絶妙なタイミングだったことなどを挙げ、「(黒澤明監督作品で)刀で斬られて血が出たりマカロニ・ウェスタンで撃たれた後に血が出るのはあったけど、撃たれた瞬間に出るのはこの映画が初めてやったんです。初めて観た時は世界中の人たちがびっくりした。だから、この映画はすごい」と当時同作が世の中に与えた衝撃を説明した。

 脚本にも「撃たれて死ぬ」とだけ書かれ、当初はスチール写真を使った演出が予定されていたそうが、町山は「アーサー・ ペン監督が『それじゃだめだ。俺たちはテレビでケネディ大統領の頭が撃たれたところを見てるじゃないか。ベトナム戦争でも死体の山を見てるじゃないか。弾が当たったらどうなるかちゃんと見せようぜ』」とリアリティーを求め、そのために血が飛び出る仕掛けが開発されたことも説明した。

 トークショーでは約2時間にわたり、たっぷりとその背景や事情を語った町山。最後は「映画は観ただけでも面白いけど、その背景を知るともっと面白くなる」と締め、大盛況の中で幕を下ろした。(中村好伸)

「第二回 新・午前十時の映画祭」は開催中


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