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映倫に一石を投じる!ペンキが乾くだけの映画、上映10時間!

映倫に一石を投じる!ペンキが乾くだけの映画、上映10時間!
全編観てないよ - 撮影したチャーリー・ライン監督 - Aurelien Meunier / Getty Images

 レンガに塗られた白いペンキが乾いていくさまを、ひたすらカメラに収めた映画『ペイント・ドライング(原題) / Paint Drying』が話題を呼んでいる。

 監督は、イギリスのフィルムメーカー、チャーリー・ライン。世界各国同様、イギリスで映画を上映するためには、映倫(BBFC)によるレーティングを受ける必要がある。そのために、101.5ポンド(約1万8,777円、1ポンド185円計算)の申請料と上映時間1分につき7.09ポンド(約1,311円)の審査料を支払わなければならず、大手製作会社の後ろ盾なく自主映画を世に送り出そうとする作り手たちにとって、大きな負担となっている。

 The Washington Post などによれば、ライン監督は旧態依然としたBBFCのシステムに一石を投じるべく「映倫の人間たちに『ペイント・ドライング(原題)』を鑑賞してもらう」というプロジェクト名で、クラウドファンディングサイト・キックスターターにて支援を募った。支援額に比例して映画の上映時間は長くなり、映倫の担当者たちがペンキがひたすら乾いていくさまを観なければならない時間も長くなるという事態を作り出すのが目的だ。

 支援額7ポンドごとに上映時間を1分加算、35ポンドだと5分、106ポンド以上だと15分というふうに設定。その結果、1か月の募集期間で686人の支援者から5,936ポンド(約109万8,160円)が集まり、キックスターターへの掲載コストを差し引いたところ、シングルショット、編集なしの本作上映時間は607分、つまり10時間7分の作品が完成した。

 ちなみにライン監督は、事前に14時間分を撮影していたとのこと。支援総額が6,057ポンド(約112万545円)を超え、上映時間がそれ以上に及ぶことになったら撮り直しを予定していたそうだ。

 BBFCがMashableにコメントしたところによれば「BBFCでは、本作品のレーティング申請を他作品と何ら区別することなく受領し、審査するまでである」とのこと。さらに「審査員たちは、毎日多岐にわたるジャンルの作品を観る必要があるため、本作品もまったく例外ではない」とコメントしている。

 Reddit AMA への監督自身の投稿によれば、1月25日(現地時間)、映倫の担当者2人による試写がついに実現。一日の試写時間は9時間を超えてはいけないという決まりがあるそうで、試写は2日にわたったそうだ。

 その結果、与えられたレーティングは「U指定」。不快感を呼び起こしたり悪影響をもたらしうるコンテンツではないという判断で、誰でも鑑賞することができる。監督自身ですら本作の全編を通して観たことはなく、果たして劇場公開が実現するかどうかは不明だが、映倫の在り方を再考する機会を与えてくれたことは確かだ。(鯨岡孝子)


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