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難民ドキュメンタリーが金熊賞!世相を反映した結果に【第66回ベルリン国際映画祭】(1/2)

難民ドキュメンタリーが金熊賞!世相を反映した結果に
金熊賞のトロフィーを掲げるジャンフランコ・ロージ監督 - Sean Gallup / Getty Images

 現地時間20日、第66回ベルリン国際映画祭授賞式が開催され、コンペティション部門の最高賞にあたる金熊賞は、ジャンフランコ・ロージ監督のドキュメンタリー映画『ファイヤー・アット・シー(英題) / Fire at Sea』が獲得した。本作は、コンペティション部門とは別に各団体から贈られるインディペンデント賞でも、エキュメニカル審査員賞、アムネスティ・インターナショナル映画賞、ベルリナー・モルゲンポスト紙読者審査員賞を受賞しており、下馬評通りの圧勝だ。

 アフリカなどからの難民を乗せたボートが多くやってくるイタリアのランペドゥーザ島を舞台に、島民ののどかな暮らしと対照的に悲惨な難民の状況をうつしとった本作。映画祭をあげて難民救済のための募金を呼び掛けるなど、今回は難民問題がメインとなった感のある本映画祭で順当に受賞した形だが、もちろんタイムリーだっただけではない。島民の側から描くことで、難民の非人間的な境遇を際立たせる優れた作品になっている。

 主人公となる12歳の少年サムエーレが野や海で遊ぶゆったりとした暮らしには、日常的に難民がいる。例えば、サムエーレも診てもらう島の医師が、難民、時には死体となった難民を診ることもする。肌がマダラになった難民の写真を示しながら、「こういう人はたくさん見ました。燃料に海水が混じると化学変化を起こして有害な物質になり、衣服に染みて肌を焼くのです」という医師の言葉から、生々しい難民の現実が見えてくる。

 その医師をはじめ映画に登場する島の人々と共に受賞者会見に臨んだロージ監督は「(難民の状況への)認識を促すための映画です」と本作を説明し、医師は「島の人たちは(難民のために)何でもやっています。漁師は海から来るものは何でもウェルカムなのです」と語り、大きな拍手を浴びた。

 また、インディペンデント賞の中の国際アートシアター連盟賞を、桃井かおり出演のドリス・ドゥリー監督作『フクシマ、モナムール(英題) / Fukushima, mon Amour』が受賞している。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

主な受賞作、受賞者は以下の通り。

金熊賞
『ファイヤー・アット・シー(英題) / Fire at Sea』(ジャンフランコ・ロージ監督)−イタリア、フランス

銀熊賞−審査員賞
『デス・イン・サラエボ(英題) / Death in Sarajevo』(ダニス・タノヴィッチ監督)−フランス、ボスニア・ヘルツェゴビナ


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