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最高齢ケン・ローチ&最年少グザヴィエ・ドランが受賞!カンヌ結果総評【第69回カンヌ国際映画祭】(1/2)

最高齢ケン・ローチ&最年少グザヴィエ・ドランが受賞!カンヌ結果総評
27歳のグザヴィエ・ドラン監督と79歳のケン・ローチ監督に栄冠! - 第69回カンヌ映画祭授賞式にて - Pascal Le Segretain / Getty Images

 現地時間22日、第69回カンヌ国際映画祭がコンペティション部門の授賞式とそれに続く審査員会見、受賞者会見をもって閉幕した。最高賞のパルムドールを受賞したのは、来月には80歳の誕生日を迎えるケン・ローチ監督作『アイ・ダニエル・ブレイク(原題) / I, Daniel Blake』。次点にあたるグランプリにはグザヴィエ・ドラン監督(27)の『イッツ・オンリー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド(英題) / It's Only the End of the World』が選ばれ、今年のコンペ部門の最高齢と最年少の監督がカンヌの栄冠に輝いた。

 キリアン・マーフィ主演の『麦の穂をゆらす風』(2006)でもパルムドールを獲得しているイギリスの巨匠は受賞にも冷静だったが、「またここに戻って来られるとは思わなかったので、息をのみました。静かに圧倒されているんですよ」とほほ笑む。前作『ジミー、野を駆ける伝説』での監督引退宣言を撤回して挑んだ本作で題材にしたのは、欧州全体でも大きな問題になっている貧困と社会的弱者の尊厳の問題で、プロデューサーは「今、撮らなくては」と猛スピードで企画を進めたという。ローチ監督も「社会派映画と言われると戸惑う」と語っているが、過酷な状況でもユーモアと人間らしさを失わない市井の人々の姿を描く本作は社会派映画という枠にとどまらない心を揺さぶるドラマで、かつコンペ作の中で最も強いメッセージ持った、パルムドールにふさわしい作品だ。

 グランプリを受賞したドラン監督が『イッツ・オンリー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド(英題)』でつづったのは、家族の葛藤と愛。ギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセルらキャスト陣が口を開けばののしり合いになるある家族にふんし、上映時間の約90%は登場人物の顔のクローズアップで構成するなど、ドラン監督は新たな映画表現を追求している。声を震わせ涙ながらの受賞スピーチとなったのは、批評家からは辛辣な反応も少なくなかったそんな同作が認められたからだといい、「僕が尊敬する映画人たちに『自分に正直で居続けないといけない』と言ってもらえた」とドラン監督。19日にキャストと共に臨んだ会見では評価が割れていることについては気にしないと言っていたが、思い入れの強い作品だけに胸を痛めていたようだ。

ジャクリン・ホセとアンドレア・アーノルド監督
女優賞のジャクリン・ホセと審査員賞のアンドレア・アーノルド監督

 また、グランプリに次ぐ審査員賞は、カンヌが見いだした女流監督アンドレア・アーノルドの『アメリカン・ハニー(原題) / American Honey』が受賞した。イギリス人のアーノルド監督がアメリカを舞台に、小さなバンで旅を続ける若者のグループに加わったティーンエイジャーの少女の恋と成長、多面的なアメリカとそこに潜む問題を映し出した。記者の中では、グランプリにはドラン監督の『イッツ・オンリー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド(英題)』より本作を推す声も多かった。ちなみに本作の撮影監督ロビー・ライアンは、ケン・ローチ監督の『アイ・ダニエル・ブレイク(原題)』も手掛けている。


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