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メル・ギブソン10年ぶり監督作、沖縄戦を銃なしに戦った男は「ヒーローの極み」

メル・ギブソン10年ぶり監督作、沖縄戦を銃なしに戦った男は「ヒーローの極み」
本作の主役デズモンドの生きざまに感銘を受けたとメル・ギブソン

 俳優だけでなく、監督としての手腕も評価されているメル・ギブソンが、10年ぶりにメガホンを取った話題作『ハックソー・リッジ(原題) / Hacksaw Ridge』について、11月2日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。

 本作は、第2次世界大戦の沖縄戦を舞台に、米陸軍衛生兵として参戦したデズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)が、銃を持たずに戦地の最前線で多くの米兵の命を救い、最終的にトルーマン米大統領から名誉勲章を授与されるまでを描いたもの。その他キャストにヴィンス・ボーン、サム・ワーシントン、ヒューゴ・ウィーヴィングなど演技派俳優陣が脇を固めている。

 実在したデズモンド・ドスについて「彼はヒーローとして最高の勲章を得た。彼を題材にした本を読んだとき、ヒーローの極みだと思った。彼は(参戦するが)良心的兵役拒否者で、ライフルを使って人を殺さずに、地を這いつくばりながら地球の地獄(戦地)で人の命を救った。これ以上の召命(伝道者として使命を与えられること)はないと思う」と語り、彼の生きざまに感銘を受けたようだ。

 アンドリューの演技について「彼の演技に衝撃を受けた。彼にはデズモンドが宿っていたよ。実在の人物であるため、アンドリューはリアルな資料を集めたり、デズモンドが働いていた農場を訪れたりすることができた。もっともデズモンドに会うことはできなかったが、アンドリューはさまざまな研究をして、デズモンドになりきってくれた。彼は、並外れた演技を披露してくれたよ」とたたえた。また、彼をキャストした理由は、映画『ソーシャル・ネットワーク』でのアンドリューが、台詞なしにさまざまな感情を伝達していたのを観て決めたそうだ。

 実際の退役軍人たちが本作を鑑賞したことについて「僕らは本作をアメリカ傷痍(しょうい)軍人会(戦争で傷を負った軍人の援護を目的とした組織)に見せた。上映中の戦闘シーンが退役軍人たちにトラウマを与えないように、横にカウンセラーが居てくれた。映画内でもヒューゴが演じるデズモンドの父親がPTSDを患っている。退役軍人たちは、本作にカタルシス(心の中でよどんでいた感情や気持ちの浄化)を感じるとか、心を癒やされたとか言ってくれて良かった」と語り、さらに本作にはアフガニスタンの帰還兵も参加していたことを明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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