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まるで別人?べっぴんさん君枝の素顔 昭和顔は「光栄」

ドラマのときとはまるで別人な土村
ドラマのときとはまるで別人な土村

 現在放送中のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で主人公すみれの学生時代の友人・君枝を演じている土村芳(かほ・25)。「これまで朝ドラは一度も書類選考に通らなかった」というが、本作で念願のレギュラー出演を勝ち取ると、確かな演技力が評判となり、メディア露出も増えてきた。“昭和顔”といわれることについても「光栄です」と笑顔で語る彼女の素顔に迫る。

【写真】3年前の土村芳

 近年、朝ドラをきっかけにブレイクする若手女優は多く、土村がメディアで紹介されることも増えてきた。知名度が上がっていることを肌で実感していると思われるが、本人は「もともと出歩くことが少ないということもありますが、まだ街で声をかけられたりすることはないですね」と苦笑い。それでも「結婚してお母さんになっている友達からは『すごく共感できたよ』という感想を送ってもらったりすることがあるんです」と嬉しそうに答える。

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 朝ドラ出演という話題性もあるが、それだけではなく土村は演技力という部分での評価も高い。「君枝は台本に描かれていない部分がすごく多いので、その理解によって大きく変わっていく役。難しさはありますが、余白の部分を自分なりにしっかりと魅力的に演じていきたい」と明確なビジョンを持った役柄へのアプローチ方法を語る。

 土村は京都造形芸術大学の映画学科俳優コースを卒業している。「小さいころ、地元の劇団に所属していたのですが、その経験がずっと心の片隅に残っていたんです。大学進学の際、女優という仕事を実現させる機会をつかむチャンスは今しかないと思ってこの大学を志望したんです」。同じ学科、コース出身の女優には、2年連続で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した黒木華がいる。

土村芳
「どんどんイメージを壊したい」

 「一つ上の先輩でした。直接面識はありませんでしたが、大学に在籍しているときから野田秀樹さんのNODA・MAPの公演に参加するなど、しっかり外へ目を向けられている方だなという印象を持っていました。黒木さんを見て、自分もちゃんと演じるということを意識して、早い段階で外に目を向けていかなければダメだと考えるようになったんです」と多くの影響を受けた存在だったことを明かす。

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 しっかりとした意識で始めた女優業。本作が土村にとって大きな転機になる可能性を秘めているが、「いまは土村芳という女優の存在よりも、君枝として知ってもらっていると思うんです。まずは朝ドラが終わるまでは、君枝であることを全うしようと思っています。そして放送が終わってからは、土村芳としていろいろな面を持っていることを発信して、どんどんイメージを壊していきたいですね」と次の一手に思いを馳せる。

 “イメージを壊す”という意味では、この日の土村は「べっぴんさん」の君枝とは別人のように見える。こちらの「最初、本人だと気づきませんでした」という失礼な発言にも「やりましたね!」としてやったりの笑顔。「“昭和顔”と認識していただけることもすごく光栄なことですが、もっと違う顔をたくさん見せていきたいです」と目を輝かせながら抱負を語った。(取材・文・写真:磯部正和)

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