小栗旬、オファー続く熱血キャラに違和感
俳優の小栗旬が6日、都内で行われた映画『君の膵臓をたべたい』完成披露舞台あいさつに登壇。ドラマ「花より男子」の花沢類役、「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」の佐野泉役といった繊細なキャラクターでブレイクした小栗だが、近年は、映画『ミュージアム』での猟奇殺人鬼と闘う刑事・沢村久志役、『銀魂』での侍魂を持つ坂田銀時役など、熱くて強い男役のオファーが増えたことに、「こうじゃないのにな……」と本音をこぼした。この日は、浜辺美波、北村匠海、北川景子、月川翔監督も来場した。
本作は、刺激的なタイトルからは想像も出来ない物語の美しさと展開で、ベストセラーになった住野よるの同名小説の実写映画化。膵臓の病を患う山内桜良(浜辺)をヒロインに、過去と現在の2つの時間軸を交錯させながら感動的な青春ドラマが紡がれる。
“現在”の桜良のクラスメイト“僕”役を務めた小栗は、MCから「これまでの役よりは随分地味」と伝えられると、「僕、基本的に地味だし、20代前半くらいまではどちらかというと繊細な役のオファーが多かったので、僕としては違和感ないです」とコメント。そして、「最近は強い人やヒーローをやらされることが増えてきたので、自分の中ではこうじゃないのにな……と過ごしている時間もあるんですけどね」と本音を吐露した。
また、映画『銀魂』の撮影を控えていた小栗は、本作の撮影期間中から体を鍛え始めたそうで、「シャツ一枚になると“僕”の体じゃないので、シャツにはならないで!」と月川監督からクレームが入ったことも紹介。さらに、原作は映画『ミュージアム』の監禁シーンの撮影の合間に監禁部屋の中で読んでいたことや、出演依頼をされたときは、原作では“現代”が描かれていないことから「一体どの役? まさか高校生の役じゃないよな……」と焦ったことも明かし、会場の笑いを誘った。
面白おかしく本作にまつわるエピソードを語る小栗だが、北川の「主演の二人が瑞々しくて、生きることの素晴らしさや、今っていう時間を大切に過ごすことの大事さをこんなにも自然な演技で伝えてくれるんだと驚いた」という真摯な意見には共感している様子で、「素晴らしかったです。自分が出ている映画を試写室で観て、こんなに泣いてしまったのは初めてでした。純粋さみたいなものが伝わってくる作品で、心洗われる感じでした」と本作をアピールした。(取材:錦怜那)
映画『君の膵臓をたべたい』は7月28日より全国公開