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『弱虫ペダル』白熱のレースシーンができるまで!途方もない準備の数々

迫力のレースシーン!
迫力のレースシーン! - (C)2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008

 渡辺航の大人気スポーツ漫画を映画化した『弱虫ペダル』。メガホンを取った三木康一郎監督が、レースシーンの撮影や、新型コロナウイルスの影響による撮影中断について振り返った。

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途方もなく大変なレースシーンの撮影

 本作は、King & Prince永瀬廉演じるアニメ好きな高校生・小野田坂道が、自転車競技部に入部したことで仲間と共に走る喜びに目覚めていく青春スポーツ映画。見どころはなんといっても、CGなしで俳優陣が実際に自転車を漕いだレースシーンだが、その撮影は途方もなく大変だったようだ。

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 「集団走行のシーンではエキストラが100人ぐらいいるんですが、危ないから配置を全部決めているんです。どう動くかや、(走る)グループも全員決めています。まずそのグループと動きを決めたら、今度は俳優たちをどう配置して、どう見せていくかを決めるんですが、100人いるからカメラを構えると俳優とエキストラが被ったりするので、『ここは行かないで』と細かい調整が入るんです。それで今度は実際に走ってみる。すると、(大人数なので)速度がまちまちになってくるんです。そのうえ、縦になると今までの配置とまた変わってくる。さらに、速度を合わせたり、きっかけをとる役割の人を俳優本人がやるか、プロがやるかとか、それをまず全部決めてから、撮っていきましょうになるんです。でも、1回じゃ絶対うまくいかないんです」

 坂東龍汰ふんする鳴子章吉が10秒ほどしゃべって自転車で駆け抜けるカットでは、実際に時速40kmものスピードで走っているという。この“スピードを出すための準備”も、撮影で大変だったことの一つだ。

 「用意スタートですぐに速度が出ないので、まずは流しで500mぐらい要るんです。そこでみんな教えた体制を組む。そこからスタートがかかるんですが、この頃には700mくらい走っています(笑)。そして芝居をして、カットがかかってから急に止めたら危ないのでゆっくりスピードを落として止まる。これに大体500mはかかるんです。約10秒のカットを撮るのに、俳優は2kmとか走っています。しかもそれを十何カット撮るので……」と監督は俳優陣の頑張りに思いを馳せていた。

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新型コロナウイルス感染拡大の影響…撮影は一時中断に

三木康一郎監督
撮影現場での三木康一郎監督 - (C)2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008

 クランクアップまで数日を残したところで、新型コロナウイルスの影響によって撮影がストップ。再開まで、約2か月の時間を要した。撮影中断が決まった当時のことを、三木監督は「しょうがないよね、みたいな。できないものはできないので、できるときを待ちましょうという気持ちでした」と振り返る。

 撮影再開まで期間が空いたとはいえ、映画の完成に向けて休んではいられない。監督はその間に編集作業を行っていたが、それが撮影再開後にも良い効果をもたらしたという。「俳優たちは2か月くらい空いたので長かったと思うんですけど、僕はその間編集をしていたので、ずっと彼らを見ていたんです。だから現場に入って来た時も、彼らが演技を探っているのがわかるんです。僕はずっと見ていたので違いがすぐわかって、『こうだったよね』と的確に伝えてあげられたので、そんなに苦も無く再開できた気がしました」

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 コロナ禍で映画の撮影現場も変化せざるを得ない状態になっている。この状況が、今後の映画作りにどう影響を及ぼすのか。三木監督は「今まではやらなくてよかったことをやらなきゃいけないし、作業量が増える。撮影にとって不自由なことが多くなるじゃないですか。そういうことを考えると、スタッフも予算も、映画を作る環境が厳しくなっちゃうのかなと思います」と語る。

 「内容に関しても、映画は人間を描くものなので、距離をとるっていうやり方は人間を描きづらくなるというか……人と人が触れ合ってドラマや物語が生まれるので、そこを僕らから取られると人間を描けなくなるという感じがしています。それでもやらなきゃいけないという中で、新しい方法論をどういう風に探っていけばいいんだろうと思いますね。結局お客さんがいいなと思わないとやっていて意味がないので、距離感や伝える熱量など、それを今の距離感でどうやってくんだろうと。なかなか難しいなと思っています」と正直な思いを明かした。(編集部・吉田唯)

映画『弱虫ペダル』は全国公開中

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