Netflixと是枝裕和監督が初タッグ!映画&ドラマ制作へ
動画配信サービスNetflixは、映画『誰も知らない』『そして父になる』『海街diary』、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞した『万引き家族』などで知られる是枝裕和監督とタッグを組み、映画・ドラマの制作を行っていくことを発表した。
10日に実施のイベント「Netflix Festival Japan 2021」内で、是枝監督のコメント映像が公開された。是枝監督は「Netflixさんとタッグを組みまして、連続ドラマを1本と今までとは規模の違う大きな映画を制作しております。まだ皆さんの元に届けられるのは先のことになるかと思うのですけれど、劇映画とはまた違った魅力をふんだんに盛り込んでとても楽しい作品にしたいと思っておりますので、ぜひ楽しみにお待ちください」と明かした。
「今までの枠組みの中で僕がやってきた映画とはスケールの違うものになるでしょうし、ドラマもそういう意味ではNetflixと組まなくては実現できなかったものになるだろうなと思っていて」と語っており、さらに「特に今やっているドラマは僕が総合演出という、いわゆるショーランナーという形で関わりながら、そのシリーズの何話かを担当するということなんですけど。若手の監督たちを巻き込んで一緒にやっていくスタイルがとれるので、それも自分がやってみようと思った大きな魅力の一つではあります」と若手監督の活躍への期待も。
世界の映画賞を席巻し続けている是枝監督は、近年、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の日仏合作映画『真実』(2019)をフランスで撮影し、『ブローカー(仮題)』ではソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ぺ・ドゥナを起用して初の韓国映画に挑戦するなどグローバルな映画制作をおこなっている。(編集部・梅山富美子)
是枝裕和監督コメント全文
映画監督の是枝裕和です。
今ですね、僕はNetflixさんとタッグを組みまして、連続ドラマを1本と今までとは規模の違う大きな映画を制作しております。まだ皆さんの元に届けられるのは先のことになるかと思うのですけれど、劇映画とはまた違った魅力をふんだんに盛り込んでとても楽しい作品にしたいと思っておりますので、ぜひ楽しみにお待ちください。よろしくお願いします。
■Netflix に期待すること
僕は元々放送からスタートしているので必ずしも映画だけを作り続けてきた訳ではないですし、これからもそういうつもりなんですけど。正直いうと一番やりたいのは連ドラなんです。ただなかなか僕のやりたいものというのは、例えば、日本国内の民放の地上波で実現できるかというとちょっと難しいなというのが正直なところで。やっぱり今このコロナを経て、劇場公開の映画の企画というのも制作が延期になったりなかなか難しい状況の中、それ以前から一緒に企画を進めてたんですけれども、このタイミングで一つ二つ企画が具体的に動き始めていて。それは今までの枠組みの中で僕がやってきた映画とはスケールの違うものになるでしょうし、ドラマもそういう意味ではNetflixと組まなくては実現できなかったものになるだろうなと思っていて。発表の場が広がるというのは作り手にとって大きな変化だしね。可能性が広がる。特に今やっているドラマは僕が総合演出という、いわゆるショーランナーという形で関わりながら、そのシリーズの何話かを担当するということなんですけど。若手の監督たちを巻き込んで一緒にやっていくスタイルがとれるので、それも自分がやってみようと思った大きな魅力の一つではあります。
■今手がけている作品について
今、ちょうどかなり大掛かりなセットを組んで、ドラマの舞台を作ってますけど、昨日もそのセットに行って、やっぱりこれはもう国内マーケットだけを視野に入れていたらこんなセットはつくれないからなというのが正直なところでそれは大きい。それを若い20代、30代の監督たちに経験させられるというのは、とても嬉しいなやっぱり素晴らしいなと。
■劇場公開と配信の共存について
現実的に劇場公開されないような尖ったものとかが、日の目を見ずに終わっていく。これは日本だけでなく世界中に起きていて。そういった作品が配信という形を持つことでちゃんと生まれるということはとても大きなことだと思っているし。アメリカを例に出していいのかわからないけど、例えばアカデミー賞で受賞するものとかも、ずっと増えてきてますよね。そういう今までのしがらみから離れて新しい作家が、新しい作品を生み出すチャンス、ステージになっているのは間違いないかなと。その事は僕にとってもすごくプラスだと思っています。