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東出昌大の壮絶演技話題 『天上の花』で愛に生きる詩人・三好達治役

映画『天上の花』より東出昌大演じる三好達治
映画『天上の花』より東出昌大演じる三好達治 - (C) 2022「天上の花」製作運動体

 映画『天上の花』(公開中)で詩人・三好達治を演じる東出昌大の壮絶な演技が話題を呼んでいる(※一部ネタバレあり)。

【画像】東出昌大の壮絶演技!『天上の花』予告編

 本作は、萩原朔太郎の娘である萩原葉子が1966年に発表した同名小説「天上の花-三好達治抄-」に基づくフィクション。4時間超の大作『いぬむこいり』(2017)などの片嶋一貴監督がメガホンを取った。太平洋戦争のさなか、妻子を捨て、師事していた萩原朔太郎(吹越満)の妹・慶子(入山法子)と再婚した三好達治(東出)の愛の行方を追う。

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 映画は、達治が慶子に向けた「僕は、あなたを十六年四ヵ月、思い続けてきた……」というロマンチックなセリフで始まるが、ネット上では、東出が演じた三好像に「DV夫」「狂気」「ホラー」「クズ」などセンセーショナルなワードが並ぶ。本作で描かれるのは、「たとえ天地が滅んでもこの愛は変わらない」と、高嶺の花だったマドンナを射止めた三好の壮絶な愛。過去と現在を交錯させながら進むストーリーが三好の変貌ぶりを際立たせているが、監督いわく「達治は規範の人で、慶子は自由の人」。三好にとって慶子はこの世で最もいとおしい存在だが、彼の中で慶子は偶像化されており、例えば慶子が就寝中によだれを垂らす姿を見て幻滅するなど現実を受け入れようとしない。予告編にも挿入されている、三好が慶子への感情をあらわにするトンネルのシーンは、もはや「ホラー」と観客を戦慄させている。

慶子(入山法子)への長年の恋を実らせた三好だが……

 そんな衝撃的な本作に、東出が出演を決めた理由の一つは脚本を手掛けたのが荒井晴彦だったこと。10日に行われた舞台挨拶では、オファー時に荒井が脚本を手掛けるということに心が傾き台本を読んで「いよいよやりたいと感じた」と話していた。東出はドキュメンタリー映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』でナレーションを務めた際に三島作品への思い入れを語っていたようにかなりの読書家であり、本作に出演するために三好の詩を熟読し、猛勉強したという。劇場パンフレットによると、監督はホン読みの段階で東出が完璧に達治を作っていたと絶賛している。

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 劇中、三好が慶子に手をあげるシーンは目を覆いたくなるほどだが、プロデューサーの寺脇研いわくそれらはすべて実際には行われておらず、三好が自分で自分を殴る1シーンのみは東出が本気で自分を殴ったという。

三好の強すぎる愛に慶子は……

 公開順では、2021年10月公開の『草の響き』以来の主演となる東出。見方によれば汚れ役ともいえるリスキーな役柄をきめ細やかに演じきった。今後も映画出演が続き、『とべない風船』(2023年1月6日公開)では妻子を亡くした過去を背負う漁師にふんし、『Winny』(2023年3月公開)では実在したプログラマー・金子勇さん役で18キロ増量。森達也監督が1923年に千葉県福田村で起きた虐殺事件を題材にした『福田村事件(仮)』(2023年公開予定)も控えている。(編集部・石井百合子)

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