全米ボックスオフィス考

2週目も爆走!『アリス・イン・ワンダーランド』が堂々の全米ナンバーワン!-3月15日版

2010/03/16
2週目も爆走!『アリス・イン・ワンダーランド』が堂々の全米ナンバーワン!-3月15日版
トップ街道ばく進中! (映画『アリス・イン・ワンダーランド』より) - (C) Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

 マット・デイモンの新作を打ち負かし、公開2週目の映画『アリス・イン・ワンダーランド』が再び全米ナンバーワンに輝いた。本作は、2週目にしてすでに興行収入が2億ドル(約180億円)の大台に乗り、今週は6,271万ドル(約56億4,390万円)という高収入を記録している。ちなみに46パーセントの下降率を記録したものの、これはファンタジー大作の2週目にはありがちで、許容範囲だ。また、先週末の1億1,610万ドル(約104億4,900万円)という巨額の興行収入から考えれば46パーセントの下降率はむしろ低めともいえ、さらに今週末の成績は、トップ10入りした新作4本の合計興行収入を上回る成績である。(1ドル90円計算)

【関連写真】映画『アリス・イン・ワンダーランド』

 今週の第2位には、1,431万ドル(約12億8,790万円)の成績で新作映画『グリーン・ゾーン』がランクイン。マットが『ボーン』シリーズでもおなじみのポール・グリーングラス監督とタッグを組んだ3作目で、3,003上映館・3,400スクリーンと、かなりの大型ロードショーだったのにもかかわらず、第2位という結果はスタジオにとって不本意な数字となった。配給会社ユニバーサル・ピクチャーズにとって期待は大きく、さらに公開2週目の『アリス・イン・ワンダーランド』に負けてしまったということで、まさに泣き面にハチ状態である。

 第3位は、映画『シーズ・アウト・オブ・マイ・リーグ』(原題)で978万ドル(約8億8,020万円)の興行成績。映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』でオタッキーな兵士を演じていい味出していたジェイ・バルチェルの作品だ。ジェイは、映画『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』などにも脇役で出ていたものの、先輩コメディアンのスティーヴ・カレルやジャック・ブラックらに比べると格段に知名度が低いため、それを考慮すると上位に食い込めたのは、中々だといえる。

 第4位は、先週の第3位からワンランクダウンで、映画『シャッター アイランド』の814万ドル(約7億3,260万円)。ディカプリオとスコセッシ監督のコラボ作品の興行収入では、2番目に高い成績を記録しており、封切り4週目にして1億ドル(約90億円)の大台に乗り、3月14日時点での総合興行収入は推定1億800万ドル(約97億2,000万円)となっている。

 ギリギリでトップ5入りしたのが、映画『トワイライト』シリーズで人気者のロバート・パティンソン主演映画『リメンバー・ミー』(原題)。週末809万ドル(約7億2,810万円)の興行収入を収めたこの作品は、ロバートがバンパイアなどではなく普通の人間を演じた作品。とはいうものの、どうやらロバート・ファンはバンパイアや魔法使い(『ハリー・ポッター』シリーズのセドリック)のロバートにご執心のようで、普通人間のロバートにはあまり興味をそそられなかったようだ。

 さて、ロバートの話ついでにそれにまつわる次回チャート入りしそうな新作をご紹介。ロバート同様『トワイライト』シリーズで、ベラを演じて大人気のクリステン・スチュワートと、グッと大人になったダコタ・ファニングが主演の映画『ザ・ランナウェイズ』(原題)。1970年代半ばに人気だったガールズバンドの先駆けザ・ランナウェイズの栄枯盛衰を描いた作品で、クリステンとダコタによるロックスターの成り切りぶりが話題になっている。大女優の出演する映画ではないが、ノリにノっている二人のヤング・アクトレス作品が全米チャートにどこまで食い込めるか非常に興味深い。

 ほかのチャート入り候補である封切り作品だが、ジュード・ロウ主演の映画『レポ・メン』(原題)もその可能性ありだ。美形のジュードが借金を返さないやつらから、そのかたとして臓器をちょうだいするという、顔に似合わぬ血みどろの役どころに挑戦している。しかしこれはホラー映画ではなく、ブラックユーモア・アクションコメディーとでもいおうか。フォレスト・ウィッテカーが共演で脇を固めているところにも興味をそそられる。

 悪くても大体そこそこの成績を収めるラブコメだが、ジェニファー・アニストンとジェラルド・バトラー主演の週末封切り映画『バウンティー・ハンター』もその例に漏れなさそうである。保釈金をブッちぎって逃亡する元妻(ジェニファー)を追っかける賞金稼ぎの元夫(ジェラルド)が繰り広げるドタバタ劇という筋書き。最近この二人が主演したラブコメは、ことごとくしりすぼみに終わっているため、果たしてこの作品はどうなるかが見もの。

 最後になるが意外と好成績を上げそうな作品が、映画『ダイアリー・オブ・ア・ウィンピー・キッド』(原題)。子どもたちの間で大人気のシリーズ本を映画化した作品で、毎度おなじみファミリー映画パワーがどこまでチャート上位に届くか……というところである。(取材・文:神津明美 / Akemi Kohzu)

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2010/03/10
早くも『アバター』超え!『アリス・イン・ワンダーランド』が記録を更新!勝因は女性客 -3月9日版
映画『アリス・イン・ワンダーランド』より - (C) Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

 日曜日にアカデミー賞授賞式が放映され、映画館の観客動員数に多少影響が出るかと思いきや、そんなことはまったくなく、ティム・バートン監督の待望作映画『アリス・イン・ワンダーランド』が封切り週末3日間で今年の週末記録を塗り替える1億1,610万ドル(約104億4,900万円)をたたき出して全米ナンバーワン映画に輝いた。(1ドル90円計算)

【関連写真】映画『アリス・イン・ワンダーランド』

 『アリス・イン・ワンダーランド』は3,728館・7,400スクリーンという超大型公開。そのおかげもありバートン監督過去の作品と比べてもダントツの売り上げを示しており、監督の歴代記録である2001年の映画『PLANET OF THE APES 猿の惑星』の封切り週末興行収入6,850万ドル(約61億6,500万円)をはるかにしのぐ成績となっている。そして興行収入の約70パーセント、売り上げにして8,000万ドル(約72億円)超が3D上映からの収入となっており、『アバター』が保持していた封切り週末の3D興行収入記録であった5,500万ドル(約49億5,000万円)をあっという間に更新する形となった(ちなみに、『アリス・イン・ワンダーランド』は3D上映館が2,251館であるところ、『アバター』はやや少な目の2,038館だったという上映館数の差がある)。

 また、『アリス・イン・ワンダーランド』は、IMAXの上映でも新記録を打ち立てており、188館のIMAX上映で1,190万ドル(約10億7,100万円、興行収入トータルに込み)という興行成績を上げている。

 ディズニーが取った統計によれば、映画を観に来ていた39パーセントは親子連れで、36パーセントはカップルだった。性別で見ると、女性の方がちょっと多く55パーセント、そして54パーセントは25歳以下の観客だったという結果が出ている。

 今週の第2位は、犯罪サスペンス映画『ブルックリンズ・ファイネスト』(原題)で1,335万ドル(約12億150万円)の売り上げ。1,936館・2,300スクリーンにて公開された本作は、ドン・チードル、ウェズリー・スナイプスというやり手の黒人男優が出演しているだけあり、配給会社オーヴァチャー・フィルムスの調べによると60パーセントは黒人客で、52パーセントは女性であるという統計が出た。

 第3位は、2週連続ナンバーワンから転落してしまった『シャッター アイランド』の1,323万ドル(約11億9,070万円)で41.6パーセントの降下率。とはいうものの、公開17日目にしてすでに9,580万ドル(約86億2,200万円)を稼ぎ出しており、1億ドル(約90億円)超えも時間の問題となっている。

 第4位は、先週の第2位から2ランク落ちた映画『コップ・アウト』(原題)で929万ドル(約8億3,610万円)。そして今週の第5位は、已然(いぜん)踏ん張る『アバター』で812万ドル(約7億3,080万円)。公開後3か月目にしてまだトップ5に入っている上に、この成績である……今週末『アリス・イン・ワンダーランド』に3D上映館を譲らずに済んでいたら、恐らくもっと稼ぎ出していたであろうから、とにかくスゴイ映画だ。

 次回のランキング予想だが、まず有望株のトップを飾るのがマット・デイモン主演のアクション映画『グリーン・ゾーン』だ。映画『ボーン・アイデンティティー』以来、すっかりアクション・スターが板についた感のあるマットだが、この作品でも政府の陰謀をかぎつけて策略に巻き込まれて行く、勇敢な兵隊をカッコよく演じている。

 もう1作は、トップ3入りは難しいかもしれないもののいい線行きそうな映画『リメンバー・ミー』(原題)。日本では人気がイマイチだが、映画『トワイライト』シリーズでバンパイアのエドワードを演じてアメリカでは大人気のロバート・パティンソンが主演のラブストーリーで、エドワード・ファンがどれだけ映画館に足を運ぶかでこの映画の興行収入が決まってくると思われる。

 最後に、トップ5に入るかどうか際どいところだがティーン・ラブコメ映画『シーズ・アウト・オブ・マイ・リーグ』(原題)。ほとんど無名の若手俳優が出演しているヤング向けの映画だが、この手の軽い映画が意外に受けてしまうアメリカ市場なので、一応紹介の中に加えておく。(取材・文:神津明美 / Akemi Kohzu)

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ディカプリオ主演映画、2週目も王座君臨!『シャッター アイランド』全米で大ヒット中! -3月1日版

2010/03/02
ディカプリオ主演映画、2週目も王座君臨!『シャッター アイランド』全米で大ヒット中! -3月1日版
映画『シャッター アイランド』より - (C) 2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

 先週に比べて44.8パーセントの下降率だったものの、週末に2,267万ドル(約20億4,030万円)をたたき出して、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『シャッター アイランド』が先週に続き全米ナンバーワンとなった。(1ドル90円計算)

 配給のパラマウント・ピクチャーズが発表したところによると、『シャッター アイランド』は封切り後10日間で、すでに7,550万ドル(約67億9,500万円)を売り上げておりなかなかの成績を収めている。次回のランキング争いでは、3月5日に全米公開される映画『アリス・イン・ワンダーランド』と一騎打ちになるが、タイプの違う作品だけに、かなり力強いチャートアクションを見せている『シャッター アイランド』がトップをキープできるかに注目だ。

 第2位は、ブルース・ウィリス主演の新作アクション・コメディー映画『コップ・アウト』(原題)。トップの『シャッター アイランド』に及ばなかったものの、3,150の上映館で封切られた同作品の週末興行成績は、1,821万ドル(約16億3,890万円)。週末、東海岸で猛威を振るった吹雪を考慮に入れた配給側の興行収入予想を上回る成績を出しており、まずまずの興行収入結果といえる。

 第3位は、1973年のジョージ・A・ロメロ監督ホラー作品のリメイク映画『ザ・クレイジーズ』(原題)で、1,607万ドル(約14億4,630万円)の売り上げ。この作品は、発表によると製作費に2,000万ドル(約18億円)しかかけていないということで、恐らく来週末までには元を取ってもうけが出るだろうと予想されており、低予算ムービーのお手本のようなビジネス展開だ。

 第4位は、映画『アバター』で1,366万ドル(約12億2,940万円)。先週からワンランクダウンだが、まだまだ底力を見せ付けており、この1週間の下降率もたったの15.9パーセントと微々たるもので封切り後11週目の映画にしては前代未聞の持久力を見せている。同作品は、ついに総合興行収入が7億ドル(約630億円)を超えるという快挙も成し遂げ、3月7日(日本時間8日)に行われるアカデミー賞の結果次第では、ドンドン売り上げを伸ばし続ける可能性をまだ十分残しており、この興行記録が一体どこまで伸びていくのか非常に興味深い。

 第5位は、先週からワンランクダウンで、映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』で958万ドル(約8億6,220万円)の成績。3週目に入った本作の総合売り上げは、日曜現在で7,100万ドル(約63億9,000万円)という結果になっている。

 さて、次回のチャート予想だが、間違いなく映画『アリス・イン・ワンダーランド』のワンマンショーになりそうだ。ジョニー・デップ主演、ティム・バートン監督の待望作。ディズニー製作ではあるものの、バートン監督独特の不気味な雰囲気がどこまで子どもたちに浸透するか懸念されるところだが、かえって大人の観客の動員に期待できるため、上位への食い込みはまず確実であろう。冒頭でお伝えしたように、『シャッター アイランド』とのバトルになることは必至だ。

 さて、ファンタジーはちょっと……という映画ファンには、映画『ブルックリンズ・ファイネスト』(原題)という作品がスタンバッている。リチャード・ギア、ドン・チードル、イーサン・ホークというそうそうたる面々が主演のアクション・サスペンス映画だ。リチャード主演映画『背徳の囁き』と、イーサンとデンゼル・ワシントン主演の映画『トレーニング デイ』を足して2で割ったような印象ありの作品だが、何と監督が『トレーニング デイ』と同じ監督のアントワーン・フークアで、なるほど……という感じ。だがまあ、こういったアクション映画は似たような題材でもポップコーンを食べながら何だかんだ楽しく鑑賞できてしまうので、『ブルックリンズ・ファイネスト』(原題)も男性映画ファンを中心に人気を集めてトップ5に食い込む可能性大である。

 日曜日がアカデミー賞授賞式当日だからか、今週末の封切りで目ぼしい作品はこんなところだ。オスカーが発表された後のチャート変動が、また楽しみなところである。(取材・文:神津明美 / Akemi Kohzu)

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2010/02/24
ディカプリオ『シャッター アイランド』が全米第1位!公開延期が功を奏した? -2月22日版
映画『シャッター アイランド』より - (C) 2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

 バレンタインデーが終わった翌週末は、映画『バレンタインデー』が王座を退き、レオナルド・ディカプリオの新作サスペンス・スリラー映画『シャッター アイランド』が全米ボックスオフィスのナンバーワンに輝いた。

【関連写真】映画『シャッター アイランド』

 レオとマーティン・スコセッシ監督のコラボは、アカデミー賞にも輝いた2006年度映画『ディパーテッド』以来。このゴールデン・コンビは今回も大成功を収め、『シャッター アイランド』はオープニング週末に推定4,110万ドル(約37億円)という数字をたたき出した。同作品の公開予定は、当初去年の秋だったが急きょ今年の2月公開に変更された。このことから、一部では作品の出来を疑う声も聞かれたが、公開時期がずれ込んだことによりスタジオ側がPRにもっと時間をかけられたことがかえって功を奏したようで、結果的に配給のパラマウント・ピクチャーズが推定した予想週末興行収入を上回る売り上げをたたき出すことができた。(1ドル90円計算)

 第2位は、先週の第1位から70,4パーセントも落下してしまった『バレンタインデー』で1,670万ドル(約15億300万円)の売り上げ。やはりこの映画は、先週の日曜日がバレンタインデーだったことにうまく便乗した季節もの作品だったといえそうだ。とはいうものの、映画のヒット要素は半分が公開時期のタイミングにあるわけで、推定製作予算5,200万ドル(約46億8,000万円)で現在までの総合興行収入は8,700万ドル(約78億3,000万円)を上げていることから、タイミング作戦が成功した例といっていいだろう。

 今週の第3位は驚くなかれ、先週第4位からワンランク・アップの返り咲きで、映画『アバター』の1,620万ドル(約14億5,800万円)。公開映画館数が先週よりも104館減って2,581館となっていることをみても、このカムバック劇は『アバター』の持つ底力を見せ付ける証拠となっている。封切り後10週目にして、降下率がいまだに31.2パーセントと比較的低い数字なのもすごい。

 第4位は、『アバター』の逆転劇でふるい落とされてしまった映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』で1,530万ドル(約13億7,700万円)の成績。若年層をターゲットにしているため、客層がある程度限定されてしまう作品ではあるものの、封切り後たったの2週目にして公開10週目の『アバター』にあえなく逆転されてしまうとは、少々残念な結果といえよう。

 今週トップ5の最後は、映画『ウルフマン』の990万ドル(約8億9,100万円)。先週の第2位から、68.6パーセント減という大降下である。推定製作費1億5,000万ドル(約135億円)、公開2週目現在までの興行収入成績が5,036万ドル(約45億3,240万円)というのは、製作・配給のユニバーサル・ピクチャーズにとっては痛い数字である。

 さて次回のチャート予想だが、週末公開予定のラインナップが少々パンチにかけている。ただ、次回トップ5に食い込むかもしれないという作品がかろうじて2本ある。一つは、ブルース・ウィリスがコメディアンのトレイシー・モーガンと組んだ刑事コメディー映画『コップ・アウト』(原題)。予告編からして二番煎じな感じがプンプンする作品で、ブルースの知名度からある程度の売り上げはいくかもしれないが、全盛期の彼がヒットさせた映画の足元にも及ばないような成績になりそうだ。

 もう一つは、日本ではあまり知られていないが、アメリカでは映画『ヒットマン』で知名度を上げたティモシー・オリファント主演のホラー映画『ザ・クレイジーズ』(原題)。小さな町の貯水池に人間が正気を失う毒が投げ込まれ、町中の人たちが徐々に残忍な異常者に変わって血みどろ劇を繰り広げていく……というストーリー。B級ホラー・ファンがヨダレをたらしそうなあらすじである。恐怖映画に飢えているホラー・ファンたちが、映画館に押し寄せて意外な好成績を記録する可能性ありだ。(取材・文:神津明美 / Akemi Kohzu)

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初登場の2位『ウルフマン』と3位『パーシー・ジャクソン』が好調

2010/02/20
初登場の2位『ウルフマン』と3位『パーシー・ジャクソン』が好調
映画『ウルフマン』 - (C) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 日曜日がバレンタインズ・デイにあたり、月曜日がプレジデント・デイで3連休だった今週の全米ボックスオフィスの週末チャート争いは、新作ロマンチック・コメディー『バレンタインデー』がこちらも新作の『ウルフマン』を破り、見事に第1位を獲得した。

【関連写真】映画『バレンタインデー』写真ギャラリー

 今週末は歴代2月中の週末、そして過去のプレジデント・デイの連休と比較してもボックスオフィス総合売り上げの最高をたたき出しており、歴代の記録を保持していた去年の同時期と比べて、興行収入は10パーセント増しの約2億5,000万ドルという新記録を打ち立てた。この結果は、『バレンタインズ』『ウルフマン』、そして『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』という話題の新作公開が3本連なったこと、そして依然として気炎を上げている『アバター』の好成績が主な要因と思われる。

『バレンタインズ』の配給を担当しているワーナーブラザーズは、たまたま週末日曜日がバレンタインズ・デイにあたるという絶妙のタイミングを生かし、全米3664館・5100クリーンでの上映という大型ロードショーを展開。その作戦が見事に功を奏して、同作品は5,641万(約50億7690万円)ドルという興行収入を叩き出した。(1ドル=90円)

 この結果、さすがの狼男もロマンスと配給会社には勝てなかったようで、週末話題作2本目の『ウルフマン』は、残念ながら2位に甘んじて3,175万ドル(約28億5,750万円)の売り上げ。名優アンソニー・ホプキンスが強力に脇を固めていたものの、ストーリーのトーンが暗いことに加えて、主役の狼男がベニチオ・デル・トロというのが少々弱かったようだ。

 3位は、こちらも新作で『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』で、3,124万ドル(約28億1,160万円)の成績。ギリシャ神話版の『ハリー・ポッター』といった路線で打ち出されたPR作戦が功を奏したようで、過去の同系統作品『スパイダーウィックの謎』や『テラビシアにかける橋』を大きく上回る成績を上げた。

 4位は、先週2位からダウンしたもののまだまだ余力ありの『アバター』で2,361万ドル(約21億2,490万円)の売上げ。ツーランクもダウンなのに、どうして余力ありなのかというと、公開映画館数が今週末に入って315館減っているのに、売り上げを割合をパーセントにすると先週と比べて3.3パーセントのアップだったからである。9週目にしてこの粘りは前代未聞のすごさである。

トップ5圏内に辛うじて生き残ったのは、先週の1位から急降下になってしまった『ディア・ジョン』(原題)で1,670万ドル(約15億300万円)。とはいうものの公開後11日間で5,670万ドル(約51億300万円)の興行成績をあげているこの作品は、原作者ニコラス・パークの過去の映画化作品であるマンディー・ムーア主演『ウォーク・トゥ・リメンバー』(2002)を超える結果となっている。

 さて、次回のチャート争いだが、上位に食い込むこと確実の新作品はレオナルド・ディカプリオ主演・マーティン・スコセージ監督作品のダーク・サスペンス『シャター アイランド』だ。2006年度アカデミー賞受賞作品『ディパーテッド』以来のレオ&スコセージ監督のコラボに大期待である。

 このほかのめぼしいデビュー作は、『シャッター アイランド』ほどパワフルな作品ではないし、上位5位に入るかどうかもかなり疑問だが、ユアン・マクレガーと元007ことピアース・ブロスナン主演の『ザ・ゴーストライター』(原題)という作品がある。サスペンス作品で、元英国首相のメモワールを執筆することになったゴーストライター(=代理ライター)が発見してしまう元首相の暗い過去に巻き込まれていく……というお話。ひと昔前のユアン人気とピアース人気があれば上位も狙えたであろう作品だが、現在の2人のパワーでは少々難しいかもしれない。(取材・文:神津明美 / Akemi Kohzu)

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