インタビュー

第6弾:山下智久

ホストクラブ「ミラリナ」のカリスマホスト・アキラ役

TOKYO VICE: 山下智久

Q:本作に参加することになった経緯を教えてください。

20代前半くらいから海外作品にもいつか出たいと思っていて、いろいろな海外作品のオーディションを受けさせていただいていたのですが、なかなか役をいただける機会がありませんでした。

「難しいかな」と思っていた時に、オーディションで今回の役を勝ち取ることができたので、本当にうれしくて。決定の電話をもらった瞬間は今でも鮮明に覚えていますし、自分のなかではすごく大きい役だと感じています。

これまでやらせていただいた役は、どちらかというと正義感の強い役が多かったのですが、今回は人間の汚さや醜い部分みたいなものが大きく出ている役なので、チャレンジしてみたいと思いました。

Q:脚本を読んでどう思われましたか?

日本で育った自分たちが思う東京と、外国のカルチャーのなかで育った人の視点で見る東京って、こういう違いがあるんだなと、あらためて感じました。

そして、その内と外の両方の視点で東京を見ることができるのが、この作品ならではだなと。僕自身も「こういう世界があるんだ!?」と教えられるような深くダークな部分もあったので、面白く読ませていただきました。

今の時代、描きづらいことがどんどん増えているなかで、反社会的勢力と警察のかなり深いところまで掘り下げた作品ですから、リスクを恐れないチャレンジングな脚本だったとも思います。

TOKYO VICE: 山下智久

Q:アキラという役柄をどのように演じようと思ったのでしょうか?

記者と刑事とヤクザを描く物語のなかで、自分はホストという、ちょっと違った世界ながらも密接した部分がある夜の街の職業の役でしたから、どうやって作品のなかでのいいスパイスになれるか、どう記憶に残る役を演じることができるのか、ということを考えました。

監督と一緒に役を練って、自分なりに味付けしながら、日々、現場の皆さんの足を引っ張らないように頑張っていましたね。

Q:先ほど「人間の汚さや醜い部分みたいなものが大きく出ている役」とおっしゃっていましたが、アキラとはどういう人物なのでしょう?

彼のバックグラウンドや心情などは脚本に書かれていないので、想像でしかないのですが、恐らく人を人だとあまり思っていないのかなと。

彼のなかでは、女性に貢がせてホストで成り上がっていくことに強いモチベーションがあると思うのですが、それを正当化できないほどに、人としてはかなり欠落している。救いようがない人物ですが、演じるという意味では面白いと思いましたね。

Q:チャレンジしたいと思ったのも、そんな面白さを感じたからなんですね。

今までやったことがないような役も、やってみたいと思っていました。今までやらせていただいていたのが光の強い役だとすると、今回は真逆の方に振り切った陰のある役でしたから、自分の俳優としてのキャリア面で考えても、すごくいい経験をさせてもらいました。

コロナ禍での中断もありましたし、自分自身もこの撮影期間は忙しくなかったので、監督と話し合ったり、参考のためにホストクラブに通ったり、自分自身で役について考えたりという時間をたくさん取ることができました。その一日一日が、僕のなかでは貴重な日になっていましたね。

自分としては、今までにない感情になれた役だったことは間違いないので、それを視聴者の皆さんがどう見てくださるのかが楽しみです。

TOKYO VICE: 山下智久

Q:共演者の方とも話し合うことができたのでしょうか?

クラブのホステス役のレイチェル・ケラーさんとエラ・ルンプフさんとの共演が多かったのですが、特にエラさんはアキラと最も近い関係のポリーナという役でしたので、お互いの役について語り合う時間も多かったです。

例えばエラさんが「アキラはポリーナのことが好きだと思う?」と聞くので、僕が「それはわからないけれど、無意識では好きなところもあると思う」と答えたり。

お金を巻き上げることがアキラの目的なので、そこは仕事として捉えているけれど、深いところでは、うっすらとでも絶対に好きなところもあると思いながら演じた方が、人間としての深みが出るのではないかといった話をしました。

これまでの自分は時間がない現場ばかりだったので、そのなかでどれだけやれるかということを意識していましたが、今回はありがたいことに時間がたっぷりあったので、共演者の方ともゆっくり関係性を作っていく、いい経験ができました。

また、エラさんは日本に約半年間滞在されていたので、僕にサポートできることがあれば何でも遠慮なく言ってくれるようにと伝えていたのですが、自分でどんどん開拓していき、逆に僕が教えてもらうこともありました。エラさんもレイチェルさんも本当にたくましくて、かっこいいなと思いながら接していましたね。

TOKYO VICE: 山下智久

Q:エグゼクティブ・プロデューサーでもあるマイケル・マン監督の印象は?

僕個人の印象ですが、人それぞれに違うアプローチで理解させてくれる方なのかなと。僕の場合は、オーディションでスポーツ経験を聞かれて、野球を少しやっていたのを伝えると、野球に例えて話していただいたりしました。

人によって、何が一番わかりやすいのか、自分の考えているイメージみたいなものをどうすれば伝えられるのかということを、すごく熟知されている方なのかなと思いました。そういうことに関してもプロフェッショナルな気がしましたし、本当に物腰が柔らかく、とても優しかったです。めちゃくちゃ緊張しましたけどね(笑)。

《photo:上野裕二/makeup and hairstyling:Ichiki Kita/stylist:Yohei Usami (BE NATURAL)》

記事一覧

©HBO Max / Eros Hoagland ©HBO Max / James Lisle

インタビュー 第6弾:山下智久
 

「TOKYO VICE」特設サイト powered by WOWOW

Created with Minimal template by TemplateMag