「TOKYO VICE」って何?

第2弾:日米の実力派キャスト陣

 日米の才能が集結した注目の超大作ドラマ「TOKYO VICE」の全貌に迫っていく全5回の連載の第2弾では、本作に集結した日米スター・キャスト陣の役どころや撮影中の様子に迫る。

TOKYO VICE: 伊藤英明とアンセル・エルゴート TOKYO VICE: 伊藤英明とアンセル・エルゴート

 東京の大学を卒業して日本の大手新聞社に就職したアメリカ人青年ジェイクにふんしたのは、アンセル・エルゴート。アンセルは日本語や合気道を習うなど、徹底した役づくりでこの役に挑んだ。スティーヴン・スピルバーグ監督版『ウエスト・サイド・ストーリー』で主役を張るなど歌が得意で耳がいい彼だけに、日本語を音でコピーしてそれを発声するだけにすることも可能だったが、本人は「意味を理解して、ちゃんとやりたい」と日本語を必死に勉強した。撮影が休みの日には、日本語しか話せないスタッフたちをお茶に誘って積極的に日本語で会話をするなど、スタッフとのコミュニケーションも大切にしていたそう。

 警察担当記者のジェイクと不思議な絆を築くことになるのが、渡辺謙演じる敏腕刑事の片桐だ。ヤクザ絡みの事件を手練で解決する片桐の存在を知ったジェイクは、情報を得るために彼に近づく。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』『インセプション』『ラスト サムライ』などハリウッドでも活躍する渡辺だけに、カメラが回ってアンセルと対峙する姿は息をのむほどの存在感だったという。

TOKYO VICE: 笠松将

 ジェイクの先輩記者・詠美役は、菊地凛子。1990年代の完全なる男社会の新聞社を生き抜いてきた一見すると強い女性だが、裏にはいろいろなものを秘めたキャラクターで、ジェイクの熱意を目の当たりにして協力的になっていく。風俗街で暗躍する刑事・宮本役は、伊藤英明。あまりにスクリーン映えする彼を、アメリカ人スタッフたちが「日本のジェームズ・ボンド」と呼んでいたというのも納得だ。

TOKYO VICE: 笠松将

 製作陣にとってうれしいサプライズとなったのが、ジェイクと意気投合する若きヤクザのリーダー・佐藤役の笠松将だ。当時はブレイク前だった笠松について、エグゼクティブプロデューサーの鷲尾賀代は「本当にどんどん良くなっていって、佐藤をすごく魅力的なキャラクターにしてもらいました。英語は全然できないと言っていましたが、そう思えないほど発音がきれい。話せるようになったら世界に出ていける人だと思います」と太鼓判を押す。

TOKYO VICE: 山下智久 TOKYO VICE: 山下智久

 そして、謎めいたカリスマホスト・アキラ役は、山下智久。物語の要所要所に登場して存在感を残す。ヒーロー的な役が多かった山下だが、本作では性格のねじ曲がったホストを怪演し新鮮な驚きをもたらす。エグゼクティブプロデューサーの鷲尾は「彼は世界に出ていきたい人。ロサンゼルスのグラミー賞授賞式で会った時もそう言っていました。本作が、山下さんが世界でより羽ばたくための助けになればいいと思っています」と期待をかけている。

 アンセル、渡辺以外のキャスト陣は、日本では主役を張るようなスターばかりだが、巨匠マイケル・マンのオーディションを勝ち抜いて役を得ている。ドラマである上、各カットにこだわる完璧主義で有名なマン監督だけに、撮影中の待ち時間はどうしても長くなってしまう。それでも皆一様に楽しそうで、マン監督の要求についていくためにクタクタになりつつも、この経験を満喫しているような充実感があったという。

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©HBO Max / Eros Hoagland ©HBO Max / James Lisle

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