「TOKYO VICE」って何?

第4弾:複雑に絡み合う人間関係

TOKYO VICE: アンセル・エルゴート、渡辺謙

 超大作ドラマ・シリーズ「TOKYO VICE」の全貌に迫る全5回の連載の第4弾では、日米の実力派キャストもほれ込んだストーリーに注目。本作では2時間の映画ではなく全8話のドラマというフォーマットを取ったからこそ、複雑に絡み合う人間関係をリアルかつスリリングに描くことが可能になっている。

 舞台となるのは、1990年代の東京アンダーグラウンド。上智大学で日本文学を学び、猛勉強の末に大手新聞社初の外国人記者となったジェイク(アンセル・エルゴート)が、8度刺された刺殺体と、焼身自殺をした男という二つの事件を追い、深みにはまっていく姿が描かれる。暴力団対策課の刑事・片桐(渡辺謙)、秘密を抱えながら男社会を渡り歩く女性記者・詠美(菊地凛子)、風俗街で暗躍する刑事・宮本(伊藤英明)、若きヤクザのリーダー・佐藤(笠松将)、クラブ「オニキス」のホステス・サマンサ、「オニキス」のホステスから貢がれているカリスマホストのアキラ(山下智久)……。まだ携帯電話もそれほど普及しておらず、人間関係も今よりもっと濃厚だった時代を舞台に、それぞれに思惑を抱えたキャラクターたちの出会いによって、物語は大きくうねりながら展開していく。

TOKYO VICE: レイチェル・ケラー、笠松将、アンセル・エルゴート TOKYO VICE: レイチェル・ケラー、笠松将、アンセル・エルゴート

 著名な劇作家であるJ.T.ロジャースは、本作の脚本に幾重にもレイヤーを重ねていった。キャラクターたちの関係が少しずつ築かれ、彼らが抱えているものが明らかになっていく過程には説得力があり、観る者を一瞬たりとも飽きさせない。

 エグゼクティブ・プロデューサーの鷲尾賀代も、人間関係が複雑に絡み合って展開する点が見どころだと明かす。「一人一人にそれぞれの物語があって、東京でどうにか生き残りたいとみんな一生懸命生きている。アンダーグラウンドの話なので遠い世界の人々のように思われるかもしれませんが、いろいろなものを抱えて、自分が置かれている状況を改善しようと一生懸命な姿には、誰もが共感できるはず。魅力的なキャラクターがたくさん出てくるので、その人たちの関係性をしっかり見て、全体を把握していただけると、より作品を楽しんでいただけると思います」

 練り上げられた脚本を、ビジュアル的にも感情的にも訴えてくるドラマに仕上げたのは、日米の実力派キャスト陣と、マイケル・マン監督をはじめとしたハリウッドの一流の製作陣だ。鷲尾は「TOKYO VICE」は世界に通用する作品だと太鼓判を押す。「スケールが大きく、画も、空気感も、これまでのドラマとは一味違うと思います。だからこそ自信を持って、世界に誇れる“日本のオリジナル”を観てくださいと言いたいです。そして、それに懸けているキャスト・スタッフ陣の情熱も、余裕があれば少し感じていただけるとうれしいです」

記事一覧

©HBO Max / Eros Hoagland ©HBO Max / James Lisle

「TOKYO VICE」って何?〜第4弾:複雑に絡み合う人間関係
 

「TOKYO VICE」特設サイト powered by WOWOW

Created with Minimal template by TemplateMag