カンヌ ヒストリー

カンヌ映画祭の発足

ベネチア映画祭を見たフィリップ・エルランジェとルネ・ランジュは、政治的圧力や商業性のない文化的で自由な映画祭をつくろうという発想のもと、フランス政府などに援助を求め、映画祭を開催することになりました。

開催候補地としては、カンヌ、ビアリッツ、ヴィシー、アルジェというフランスの保養地が挙げられ、 最終的には世界に広く認知されているコート・ダジュールのカンヌに決まりました。

しかし第1回カンヌ映画祭の開催予定日であった1939年9月1日に、ちょうど第二次世界大戦が勃発し、延期。結局7年を経て、戦後の1946年9月20日~10月5日にカジノだった場所を上映会場にして100本以上の映画を上映し、やっと第1回カンヌ映画祭が開催されました。

戦後の混乱の中、物資も不足 し、開催時期が悪いとの批判もありましたが、この時期に開催したことで逆にフランスの文化に対する意識の高さが評価されました。

現在は、ベネチア国際映画祭やベルリン国際映画祭とともに世界三大映画祭と称され、 映画人から最も愛される映画祭のひとつです。

パルム・ドールとグランプリ

現在の最高賞は「パルム・ドール」、次点が「グランプリ」。混乱を招く最高賞の名称ですが、時代によって呼び方が変わっています。

  • 39年~54年(第01回~16回)「グランプリ」
  • 55年~65年(第17回~27回)「パルム・ドール」
  • 66年~75年(第28回~37回)「グランプリ」
  • 76年~現在(第38回~)「パルム・ドール」

さまざまな部門

映画祭のメインといえるコンペティション部門は、応募作品の中から映画祭事務局が選定したものが上映されます。最高賞「パルム・ドール」のほか、審査員特別賞(グランプリ)、最優秀監督賞、同男優賞、同女優賞などを、毎年異なる審査員が選定します。 コンペティション部門以外にも特別招待作品や、「ある視点」(コンペに選ばれなかった特色ある作品を上映)「シネフォンダシオン」(学生作品が対象)といった部門があります。また非公式の組織が運営する「監督週間」「批評家週間」の企画もあります。

また、2011年から新しい賞ができました。毎年、主催者はオープニングセレモニー中に「パルム・ドール ドヌール」を授与することになりました。この表彰は権威的な仕事でありながらパルム・ドールを受賞したことがない重要な制作会社に与えられます。近年では2002年のウッディ・アレン、2009年のクリント・イーストウッドがカンヌ映画祭のディレクターの委員会を代表する会長ジル・ジャコブによってこの栄誉を与えられました。現在は映画祭のオープニングに行われる伝統となり、これからも毎年行われることでしょう。