おかえり、ブルゴーニュへ (2017):映画短評
おかえり、ブルゴーニュへ (2017)子供を愛する全ての親とその子供たちに捧げる珠玉の名作
主人公は先祖代々ワイナリーを経営する一家の3兄妹だ。後継者として厳しく育てられ外国へ逃げ出した長男、ワイン醸造者として中途半端な自分に不甲斐なさを感じている弟、そして兄妹で最も才能に恵まれながら末っ子の女性というハンデに悩み苦しむ妹。そんな彼らが父親の死をきっかけに集まり、難しい相続問題に直面しながらも自分らしい生き方を模索していく。その過程で甦っていく幼少期の幸福な記憶、そして亡き両親が子供たちに込めた深い愛情。人間誰しも完ぺきではない。それは親とて同じこと。近すぎるゆえに伝わらなかった父親の想いを知るラストに涙する。大らかで暖かな人間描写、美しくも素朴なブルゴーニュ地方の風景も魅力だ。
この短評にはネタバレを含んでいます