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87歳の巨匠・中島貞夫監督「残り少ない人生でやれることは映画作りしかない」

87歳の巨匠・中島貞夫監督(左)と本作を担当した松原龍弥監督。
87歳の巨匠・中島貞夫監督(左)と本作を担当した松原龍弥監督。

 17日、京都で開催中の「京都国際映画祭2021」にて、中島貞夫監督を追ったドキュメンタリー映画『遊撃~「多十郎殉愛記」外伝~』が、よしもと祇園花月でプレミア上映され、中島監督と本作の監督を担当した松原龍弥監督が登壇した。

【動画】映画『多十郎殉愛記』本編映像

 本作は、中島貞夫監督(撮影当時83歳)による、およそ20年ぶりの劇映画『多十郎殉愛記』の撮影から公開までに密着取材し、レジェンドと呼ばれた中島監督の映画作りに迫るドキュメンタリー。日本映画生誕の地・京都での映画制作にこだわり続ける中島監督のもと、2018年の東映京都撮影所で行われた主演の高良健吾をはじめキャスト・スタッフたちによる映画作りの様子に、かつての仕事仲間による証言をはさみながら「映画監督・中島貞夫」の半生と作家性がつづられていく。

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 なんとこの日の上映前日まで編集を続けていたという松原監督の熱意を中島監督は「彼にはいい加減なところがまったくなくて、とことん器用に、人の本質をついてくる。必死になって映画を作って、前日まで編集をしてました。すごいことです」と絶賛。今年の9月まで密着取材を続けた松原監督も、「長い付き合いをさせていただいて中島監督の言葉や映画作りの姿勢から学ばせていただいたことを今後の監督業に生かしていきたい」と巨匠の背中から学んだ映画作りへの思いを改めて語った。

 中島監督は、今年87歳。司会者から「次回作の予定は?」と聞かれると、「特に展望はないけれど、残り少ない人生、やれることは映画作りしかないんです。少し時間がたったらまたゴソゴソしたくなると思います」と次回作への意欲を見せ、会場からは大きな拍手が送られた。

 本作の具体的な上映時期はまだ決まっていないが、最後に中島監督は「作品がすごくいいよと被写体が言っているのですから間違いございません! 映画作りはこんなふうになっているのか。京都の風土が培ってきた時代劇がどうなっていくのか、映画を観て、皆さんにいろんなことを考えていただいて、忌憚(きたん)のない言葉を皆様からお聞かせいただきたいです。よろしくお願いします!」と元気いっぱいの姿を見せた。(森田真帆)

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