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古川雄大「大奥」の終焉を見届けた瀧山の思い振り返る

「大奥」シーズン2最終回より天璋院(福士蒼汰)と瀧山(古川雄大)
「大奥」シーズン2最終回より天璋院(福士蒼汰)と瀧山(古川雄大)

 NHKのドラマ10「大奥」シーズン2(NHK総合・毎週火曜午後10時~ほか)で、大奥総取締・瀧山役として主演を務める古川雄大(36)。陰間(男娼)から大奥入りし、大奥の終焉を見届ける激動の人生を送った瀧山の胸中を振り返った(※ネタバレあり。最終回の詳細に触れています)。

【画像】サプライズの連続!最終回名場面集

 3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いたよしながふみの漫画に基づく本シリーズ。今年1月期に放送されたシーズン1に続くシーズン2の後半パートとなる「幕末編」では、女将軍をはじめ幕府の人々が大政奉還という歴史の変革に翻弄されるさまが描かれた。古川演じる瀧山は、13代将軍・徳川家定(愛希れいか)に仕えていた阿部正弘(瀧内公美)に見いだされ、大奥入りした。もとは実父に虐待されていた家定を救うことが目的だったが、瀧山は持ち前の器量と権勢を発揮し、大奥総取締に。家定の死後は14代将軍・家茂(志田彩良)に仕えると共に、家定を亡くし絶望に暮れる正室・天璋院/胤篤(福士蒼汰)の支えにもなっていた。

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 本作の世界観について、古川は「シーズン2では、瀧山を軸に大奥にも大きくスポットライトが当たっています。人というより大奥が主役、というか大奥にも大きくスポットライトが当たっていて。瀧山は総取締になってから25年近く生きていくのですが、大奥にうごめく人々の思いみたいなものを俯瞰して見守るポジションで、人の思いが蓄積されていくのを感じました。そういった意味では撮影のたびにすごく哀しく感じたり、喜びに変わる瞬間があったり。家定から家茂の時代へと撮影が進んでいくにつれて、人々の心をより濃く感じられました」と振り返る。

 時代劇に本格的に挑戦するのは初とあって所作などにはかなり苦戦したというが、会心の出来と思えたのが病に倒れた正弘を瀧山が見舞いに訪れるシーン。「家定公のお手製カステラを持ってお見舞いに行くシーンは、実は割と序盤に撮ったんですよね。まだ(正弘役の)瀧内さんとあまりコミュニケーションがとれていない段階で“このシーン撮るんだ!”と。瀧山が感情的になるシーンなので、泣きのシーンも含めたリハーサルを5、6回、やっていくなかで演出の大原拓さんが細かな演出をしっかりとつけてくださいました」

 幕末編の初回となった第16回では、瀧山の流水紋の裃が話題に。瀧山が大奥の者たちを集め薩摩より御台(胤篤)を迎える旨を告げ、「大奥はその昔、3代家光公をお守りする最後の砦として作られたという。(薩摩から)わたしたちが守るべきは上様。徳川家定公! それをゆめゆめ忘れるな」と鼓舞しながら背中の流水紋を見せるという、いわば見得を切るシーン。シーズン1では水野祐之進(中島裕翔)、万里小路有功(福士蒼汰)らがこれをまとい、瀧山も受け継ぐ格好となったが、古川はスタッフの情熱やこだわりに感銘を受けたという。

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 「流水紋は試行錯誤のうえ三回ぐらい直してくださったと聞きました。“流れていない”と。スタッフの方々が徹底的な愛情をもっていらっしゃって、制作過程を拝見していたので着た時には“おおっ”と圧倒されましたし、多くの方の苦労を感じて感謝の気持ちでいっぱいでした。すごく素敵に仕上げてくださいました」

 「幕末編」の後半では家茂が幕府の権威を取り戻すための公武合体政策として、帝の弟宮・和宮(岸井ゆきの)と結婚するも、和宮が偽物でしかも女性だったことから瀧山は肝を冷やす事態に。大奥の希望の光となっていた聡明で心優しい家茂がこの世を去り、やがて大奥は終焉を迎える。そして瀧山もまた、一度は大奥と運命を共にしようとした。

 古川はこの時の瀧山の胸中に「大奥に対する愛もあったと思うんですけど、自分の弱さみたいなものもあったのかなと。大奥という籠の中でしか生きたことがない、外で生きていくすべがないという不安もあったと思います」と思いを巡らせると共に、瀧山が大奥で過ごした日々を「瀧山にとって大奥は、自分の夢が果たされた場所でもある。学べる場所もありますし、誰かに忠誠を尽くすことも含めて、陰間時代から自分が抱えていたものがかなった場所。大変なことがありながらも夢のような、充実した時間だったんじゃないかなと思います」と振り返った。(編集部・石井百合子)

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