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『マイケル・クラーク・ダンカン』インタビュー

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マイケル・クラーク・ダンカン インタビュー 




アカデミー賞にはノミネートされただけで、本当に光栄なことだと思っているよ
なぜ俳優になろうと思ったのですか?
マイケル・クラーク・ダンカン(以下D) 母親の影響なんだ。彼女も女優を目指していたんだけど、誰もサポートしてくれる人がいなくて結局上手くいかなかった。それで、彼女は僕が子供の頃から俳優にしようと、そういうふうに仕向けていったんだ。僕は始めはやる気がなかったけど、やっていくうちにだんだんとこの仕事が好きだと、自分で思うようになった。だからハリウッドへ乗り込んで行ったのは、自分の意志だよ。
子供の頃に母親から「ケガをするから運動はやめるように言われた」というエピソードがありますが、本当ですか?
そうなんだ(笑)。本当はフットボールがやりたかったんだけど、俳優になるんだからフットボールはダメよ、と言われた。学校でいちばん大きな身体をしてたのにね!みんなには、そのことを随分ジョークにされたものさ(笑)。もちろん、最終的には彼女の判断は正しかったんだけどね。
自分が役者に向いていると確信したのはいつですか?
アカデミー賞にノミネートされたということを知った時だ。これでやっと「やって行ける」という自信がついた。今まではずっと、僕が育った街の人々や周りの人間から「ダメだよ、できないよ」と否定的なことばかり言われてきた。だから、会場でダスティン・ホフマンの声で呼ばれた時は本当に感激したよ!
受賞を逃したことについてはどうですか?
トム・クルーズやハーレイ・ジョエル・オスメント、ジュード・ロウ、そしてもちろんマイケル・ケイン。あそこにノミネートされた全員が、とてもいい仕事をしたと思っている。だから他の人が受賞したからって、怒りとかそういった感情は全然ないよ。だから、M・ケインの受賞を僕は心から嬉しく思っている。もし僕が受賞していたら、きっと他の人もそういう風に思ってくれたはずだよ。今までの自分の辿ってきた道を考えると、ノミネートされただけでものすごく光栄に思っているよ。
フランク・ダラボン監督との仕事はどうでしたか?
彼からは、ものすごく多くのインスピレーションを受けた。父親のようであり、コーチであり、ジョン・コーフィがどういう気持ちでいて、どんなふうに振舞うべきかを彼は全てわかっていた。だから撮影の時も、その瞬間瞬間で「ここではこうしてくれ」ということを本当に細かく説明してくれるんだ。 彼の監督作である『ショーシャンクの空に』は、僕もとても好きな作品なんだ。その彼と一緒に仕事ができるというので、最初はなんだか圧倒されるという感じだった。でも、僕が撮影中に疲れたり落ち込んでいたりすると、彼は常に励ましてくれた。本当にすばらしい監督だよ。ハリウッドでは、いつもこういう監督と仕事ができるわけではないけどね(笑)。
現場は男ばかりだったと思いますが、どんな雰囲気でしたか?
毎日、みんながそれぞれにいたずらしたりジョークを言ったり、大変な騒ぎだったよ。トム・ハンクスを始めとする看守チームは、囚人役の僕をジョークのネタにしたりしてね(笑)。看守チームには警棒をクルクル回すのは、気になるからやめてくれって何度も言ったんだけど、全然やめてくれなかった! 全く知性のない集団さ(笑)。
撮影でいちばんつらかったシーンは?
殺された二人の少女を両脇に抱いて、泣き叫ぶシーンだ。何度も何度も繰り返しテイクを重ねたんだけど、あのテンションをずーっと保たなくてはいけなかったのは大変な作業だった。あのシーンでは銃を持ち犬を引き連れてコーフィを捕らえに来る人々が、だんだん迫ってくるだろう? テイクする度に、僕は本当に彼らのことが怖いって気持ちになったよ。
演技については、有名なラリー・モスというアクティング・コーチがついていたそうですね。
彼は『ボーイズ・ドント・クライ』のヒラリー・スワンクの演技もコーチした、とても優秀な人なんだ。『グリーンマイル』では、毎日現場に来てシーンを取るたびにすぐにダメ出しをするんだ。現場にはもう一人ジェシカという、方言を教えてくれる女性もついていた。だから1テイク終る度に、ダラボン監督を入れて3人の人間が僕にダメ出しをするんだよ(笑)。 ラリーはものすごくインスピレーションを与えてくれる人。そのシーンで必要とされるコーフィの気持ちを、的確に呼び起こせるようなインスピレーションを与えてくれるんだ。だけどいちばん大変な撮影があった日に、彼は帰らなくてはいけないと言い出してね。僕は彼がいなければとてもできないと思って引き止めたけど、他にも生徒がいるんだからって言われちゃって。僕はもう赤ちゃんみたいに、わんわん泣いたよ。何しろ彼なしで演じる自信はなかったし、僕にとって彼は杖のようなものだったんだ。その杖がなければ歩けないと思っていたんだよ。だけどラリーに、「今までやってきたことを、思い出してやれば大丈夫。自分の足で歩くんだ」と励まされた。そして、僕はその通 りにやったんだ。
僕は相撲が大好きなんだ度でいいから対戦してみたいね。
今後の予定は?
今はリラックスして、プレステをやったりのんびりしてるよ(笑)。アクション映画を考えていて、他にも実は大作の話があるんだけどそれは今はちょっと言えないんだ。まだ役も決まってないんだけど、でもすごく大きなプロジェクトだから絶対にその役は欲しいと思ってる。でも、5月まではちょっとゆっくりするよ。
大作の話というのはアクション映画なんですか?
違うよ。アクションじゃない。子供が関係する楽しい映画だよ。でもこれ以上はもう、絶対に言えない!
以前のようにオーディションを受けるということは、今はないのですか?
そうだよ。それがかっこいいところなのさ(笑)。アカデミー賞にノミネートされると、オーディションじゃなくてミーティングになるんだ。プロデューサーたちと、映画の話ではなくてお互いがどういう人間かをまず知り合うためにね。もう、オーディションはなしさ!
この2~3年でビッグ・スターになったわけですが、ハリウッドの中で自分を見失わないように心がけていることはありますか?
僕はあまりパーティに行かないで、家にいることが多いんだ。ヒュー・ヘフナーのパジャマ・パーディに日曜日に呼ばれてたけど、僕は行かなかった。ハリウッド人のほとんどの人が行ってたけどね。僕はなんとなく行きたくなかったんだよ。 用心棒をやっていた経験とか、母親の教育がとても厳しかったので、僕は今の状況をとても楽しんでいるけれど、自分の生活はきちんと守っていきたいと思っている。
プライベートで特に親しい俳優や監督はいますか?
『フレンズ』のマシュー・ペリーがすごくいい友達だよ。後はベン・アフレックやマット・デイモンも親しい友人だ。彼らはとってもかっこいいよ! ハリウッド・パーティなんかに行くと、彼らは僕のことをよく知っているから「12時だよ。君はもう帰ったほうがいいよ」って言ってくれるんだ(笑)。僕はお酒は飲まないし、タバコも吸わないし、煙っぽい部屋も好きじゃない。ハリウッドでは“スクウェア”、生真面 目な奴で通ってるんだ。 でも、一番の親友はブルース・ウィリスだね! 今日も「日本はどうだい?」って電話をくれたよ。僕のことをあんまり一人でほっとくと、何するかわからないから常にチェックしてるんだ(笑)。ハリウッドでは、とにかくビジネスはビジネス、遊びは遊びとちゃんと分けないといけないと思ってる。
今後、一緒に仕事をしてみたい監督や俳優はいますか?
スティーブン・スピルバーグだ。彼は天才だよ。それからアーノルド・シュアルツネッガーやシルベスター・スタローンと一緒に、アクション映画に出てみたい。『マトリックス』の2と3が製作中だけど、僕はプロデューサーにぜひ出演させて欲しいって頼んでるんだ。『マトリックス』は、すっごくかっこいい映画だよ。もう、出演料なしでもいいから出たいね。あ、やっぱりただはやめとこうかな(笑)。
相撲がお好きだそうですね。
大好きだよ! 力士と写 真を撮るのが夢なんだ。アメリカでは朝の3時頃に放送されているんだけど、僕はいつも観てるんだよ。一度でいいから、対戦してみたいね。特に好きなのは曙だ。彼らは一体何を食べてるんだろう? あんなふうに大きくなってみたいよ! 僕は昨日日本にやってきたばかりで、ずっと時差でぐったりしてたからホテルから出てないんだ。帰るまでにどこかは観光したいけど、僕は単純な人間だからね。ホテルでゲームをやってるだけでも、とっても楽しいんだよ(笑)。
ゲーム以外にプライベートで好きなことはなんですか?
ワークアウトや映画を観にいくのが好きだ。後は、美しい海に行って人を見ていたりするのも好きだよ。ロサンゼルスではやることがいっぱいあるし、毎日いろんなことが起きるけど、僕はあんまり自分をスターをは考えていないからキアヌ・リーヴスとか、本当のスターに会うとすごく嬉しいんだ。そういう時のために、僕はいつもカメラを持ち歩いてるんだよ(笑)。『グリーンマイル』のプレミアの時に「君だけだよ。ハリウッドの役者でカメラを持ち歩いてるのは」ってトム・ハンクスに言われたけど。でも僕はスターに会えるのが本当に嬉しいんだ。ブルース・ウィリスとトム・ハンクス、そしてアーノルド・シュワルツェネッガーと一緒に4人で写 っている写真があるんだけど、これはもう僕にとっては歴史的大事件だよ。この人たちと仕事したんだって、孫に自慢するんだ(笑)。
 
テキスト:今 祥枝



 

 

 

 

 

↑FLiXにあてたダンカンのサイン

 

『グリーンマイル』
1999年度作品
配給:ギャガ・ヒューマックス
大ヒット(上映中)
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