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今週のクローズアップ 長篠の戦いから南北戦争まで……名戦映画特集!

 今回のクローズアップは、歴史上の実在の合戦を題材にした映画をピックアップ。大迫力の合戦シーンもさることながら、現代とは異なる時代背景から生まれる濃密なドラマや、魅力あるキャラクターが描かれた作品が満載だ。新作からも11月2日公開の『のぼうの城』、アメリカの南北戦争が描かれた11月1日公開の『リンカーン/秘密の書』も紹介する!

VFXを駆使した戦国絵巻『のぼうの城』

 和田竜のオリジナル脚本を『ゼロの焦点』犬童一心『ローレライ』樋口真嗣というダブル監督が映像化した戦国エンターテインメント大作。本作は戦国時代、成田長親を城代とする忍城(おしじょう)が、豊臣秀吉方の武将・石田三成率いる2万の兵に攻め入られたが、わずか500(領民を加え約3,000)の兵で守りきったという史実を基に、長親軍VS光成軍の戦いを描いている。

 合戦シーンでは、アクション大作を数多く手掛けてきた樋口監督がその手腕を発揮。佐藤浩市演じる丹波が、相手の首を一撃で吹っ飛ばす馬上での一騎打ち、山口智充演じる豪傑・和泉の人間串刺し(!)、頭脳プレーを得意とする酒巻(成宮寛貴)が、火矢を利用して敵兵を一掃するシーンなど、趣向を凝らした戦闘シーンが次々と展開される。劇中での合戦シーンは大きな割合を占めているのだが、さまざまなアイデアを投入したアクションが目まぐるしく描かれるので、飽きさせない。戦国モノ好きもアクション好きも満足できる1作。

 

8年ぶりの映画主演となる狂言師・野村萬斎の演技にも注目したい
(C)2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ

男だらけの作品に甲斐姫役の榮倉奈々が華を添える
(C)2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ

CG一切なしのド迫力!『影武者』

 巨匠・黒澤明監督が実在の戦国武将・武田信玄のエピソードを取り上げた戦国スペクタクル大作。第33回カンヌ国際映画祭でグランプリにあたるパルムドールを受賞した。ラストシーンでは、織田信長・徳川家康連合軍3万8,000人と武田勝頼軍1万5,000人との間で勃発した合戦・長篠の戦いが描かれる。教科書にも登場し、鉄砲三段撃ちでも知られる、日本史上の合戦の中でも有名な戦いだ。

 その長篠の戦いのシーンで1日に参加したキャスト&馬の最高参加数は、キャスト1,000人、馬230頭にも上ったという(馬に掛かった費用だけで6,000万円以上)。それだけの数を動員して撮影された場面はまさに圧巻。特に武田の騎馬隊が織田軍へ攻め入って行く描写など、もちろんCGなど一切なしで撮影されているにもかかわらず、その迫力に圧倒される。また、当初主演にキャスティングされていた勝新太郎黒澤明とのトラブルで降板し、その後に仲代達矢が代役として起用されたことはあまりにも有名。

 

「影武者」
DVD発売中:6,300円(税込み)
発売元:東宝 販売元:東宝

南北戦争を壮大なメロドラマで描く『コールド マウンテン』

 1861年から1865年に奴隷制存続を主張するアメリカ南部11州と、北部23州との間で起こった南北戦争。その南北戦争のために引き裂かれた、男女の純愛を描いたラブストーリー『コールド マウンテン』。アカデミー6部門にノミネートされ、『ブリジット・ジョーンズの日記』レニー・ゼルウィガーが、助演女優賞を獲得した。

 愛する女性に会うために、死罪を覚悟で脱走兵として故郷へ向かう青年と、その彼を待ち続ける女性の悲恋を描くことで、戦争の愚かさを浮き彫りにしている。古典的なメロドラマの作りではあるが、凄惨(せいさん)な戦闘シーンもしっかりと描かれていて、作品のテーマが胸に迫ってくる。南北戦争を題材にした作品は、『風と共に去りぬ』『グローリー』など良作が多いが、まずはオススメの1本だ。

「コールド マウンテン」
DVD発売中:1,500円(税込み)
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ 販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ

番外編:バンパイア映画で南北戦争!?『リンカーン/秘密の書』

 最後に番外編として、11月1日公開の『リンカーン/秘密の書』を紹介。ティム・バートン製作、『ウォンテッド』ティムール・ベクマンベトフ監督のタッグが描くアクション大作。『コールド マウンテン』と同じく南北戦争のシーンがあるが、大きく異なるのはこちらはいわゆるバンパイア映画であるという点。第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが実はバンパイアハンターだったという設定の下、彼がバンパイアらと壮絶な戦いを繰り広げるという、何とも荒唐無稽(むけい)な筋書きだ。

 物語の後半、南北戦争が勃発して奴隷制廃止を主張する北軍の指揮官となったリンカーンは、ある時点で南軍の黒幕にバンパイアが存在していることに気付く。こうして北軍(人間)VS南軍(バンパイア)の戦いに突入していくという思わず「あり得ない!」とツッコミたくなるストーリーではあるが、さすがはバートン&ベクマンベトフという鬼才のコンビ。徹底的にこだわり抜いた映像での戦闘シーンを見せてくれ、スピード感あふれるスタイリッシュなアクションをたっぷりと堪能できる。スカッとする娯楽系アクションが好きな人は必見だ。

スピード感あるアクションは3Dで観るとより楽しめる
(c)2012 Twentieth Century Fox

大胆なストーリーにバートン&ベクマンベトフはすぐに魅了されたという
(c)2012 Twentieth Century Fox
文・構成:シネマトゥデイ編集部 堀達夫

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