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ギレルモ・デル・トロ渾身のゴシックロマンス『クリムゾン・ピーク』をトム・ヒドルストンらが語る!

 世界の映画産業の中心・アメリカの最新映画情報を現地在住ライターが紹介する「最新! 全米HOTムービー」。今回は、『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』など映画ファンから熱い支持を集めるギレルモ・デル・トロ監督の新作ゴシックロマンス『クリムゾン・ピーク』を、キャストへの取材を通して掘り下げました。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

ミア・ワシコウスカ、トム・ヒドルストン、ジェシカ・チャステイン…演技派キャストが紡ぐゴシックロマンス

『クリムゾン・ピーク』

 亡くなった母親の幽霊と10歳の時に遭遇して以来、幽霊を度々目撃している作家の卵イーディスは、準男爵の称号を持つ実業家トーマスとの運命的な出会いを果たして恋に落ち、結婚。トーマスの姉ルシールと3人で、クリムゾン・ピークと呼ばれる山頂にそびえ立つゴシック様式の屋敷で暮らし始めるも、イーディスの周りでは徐々に不可解な出来事が起こり始める……。

 主要キャラクターとなるイーディス、トーマス、ルシール役には、演技派のキャストがそろった。イーディスを演じたのは、『アリス・イン・ワンダーランド』で存在感を見せつけ、批評家の間でも、作品ごとの演技の幅の広さが高く評価されているミア・ワシコウスカ。あどけない表情から大人びた表情まで表現できるオーストラリア出身の彼女は、本作への出演で「ホラーの世界に真の価値を見いだした」そうで、「単なる血なまぐさいスラッシャーフィルムではなく、心理的なホラー作品として力強く描かれていることに、ギレルモの才気を感じたわ」と語っている。

 トーマス役には、『マイティ・ソー』シリーズのロキという癖のある役柄を演じて世界中から注目を浴びたトム・ヒドルストンジム・ジャームッシュ監督と組んだ『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』ではミュージシャンでありながら永遠の命を持つドラキュラという難役に挑戦し、英国出身の気品のある風貌と難解な役への演技の熱意は、狂気さえ感じさせるすごみのあるものだった。『クリムゾン・ピーク』については、「ラブストーリーと亡霊のストーリーが交錯している点」が気に入っているという。

 そしてルシール役には、出演作『ツリー・オブ・ライフ』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー賞ノミネートを果たすなど、名実共にハリウッドのトップ女優となったジェシカ・チャステイン「これまでに自分が演じたことがないような役柄だった」というルシール役の役づくりのため、『レベッカ』『ミザリー』『何がジェーンに起ったか?』といった映画を参考にしたそうだ。

恐ろしくも美しいゴシック様式の心霊屋敷

『クリムゾン・ピーク』

 作品のもう一人の主役と言っても過言ではないのが、降り積もった雪が赤粘土で深紅に染まる山頂にそびえ立つゴシック様式の心霊屋敷。ジェシカも「VFXが主流の映画界で伝統的な屋敷のセットを作り上げることは稀で、その内部の詳細な美しさに驚かされた」と明かす通り、完璧な天井と全ての部屋をつなぐ廊下を備えた屋敷のセットは6か月かけて実際に建てられたものだ。

 恐怖さえ感じさせるほど美しい佇まいの屋敷に一歩足を踏み入れれば、ロウソクを照らさなければならないほどの暗闇に突入。荒れ果てて、一部抜けた天井からはしんしんと雪が降る。さらに、屋敷内では四六時中、不気味な音が聞こえたかと思えば、謎めいた影が現れ、古めかしいエレベーターが導く先にはイーディスが入ることの許されない地下まで存在する。なぜ、彼女だけが地下に下りることが許されないのか? その真相を観客が後に知ることになる設定も興味深い見どころの一つだ。

幽霊はメイクを施された本物の俳優!

 デル・トロ監督はかつてメイクアップ界の大御所ディック・スミスに師事して特殊メイクアップや特殊効果を学んだだけあって、シーンごとに様変わりするメイクアップを施された俳優陣の表情が魅力的。中でも特に何かを隠しているように思えるルシールが、イーディスを見下ろす際の真っ白な顔は観客に寒気さえ感じさせる。さらに、劇中に登場する幽霊も実際に俳優を雇ってメイクアップを施した後、その効果を上げるためにのみCGIを使うという手法が取られている。

トムヒが舞踏会で踊る華麗なるワルツ

『クリムゾン・ピーク』

 タキシードでびしっと決めたトーマスが美しいドレスをまとったイーディスを誘って舞踏会でワルツを踊るシーンは、イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』に影響されており、トムも「イーディスとトーマスが恋に落ち、ロウソクで明かりが見事に灯されていて、美しいシーンになっている」と感服するほどの素晴らしさ。ちなみにリサーチをしたトムによると、当時の舞踏会では「ベネチアの人々だけがパートナーと直接顔や胸を向き合わせながらワルツを踊っていた」そうで、他の都市では踊り方が違ったという。

 また、髪の長いイーディスは、シチュエーションによってさまざまなヘアスタイルを披露している。ミアは「イーディスのへアルタイルのために、二つの異なったカツラが用意され、そのうちの一つである外出用のカツラはかなり重かった」「トイレに行くのも大変だった」とこぼしているが、そのヘアスタイルからだけでもデル・トロ監督の詳細なこだわりがうかがえ、彼の真骨頂といえる創造性にあふれた世界が作り上げられている。

映画『クリムゾン・ピーク』は2016年1月8日より全国公開

(C) Universal Pictures.

【今月のHOTライター】
細木信宏/Nobuhiro Hosoki
海外での映画製作を決意し渡米。フィルムスクールに通った後、テレビ東京ニューヨーク支局の番組「ニュースモーニングサテライト」のアシスタントとして働く。現在はアメリカのプレスとして活動中。

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