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『マッドマックス』ヘアメイク裏話10!オスカー受賞の担当者に聞きました

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
アカデミー賞に輝いたレスリー・ヴァンダーウォルトさん(中央) - Aaron Poole / (c) A.M.P.A.S.

 今年のアカデミー賞で最多6部門受賞という快挙を成し遂げ話題となった映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。同作のキャラクターたちの大胆で奇抜なヘアメイクを担当して見事オスカー像を手にしたのは、レスリー・ヴァンダーウォルトさん率いるチームだ。幸運にもレスリーさんとアカデミー賞のレセプション会場でおしゃべりをする機会を得て聞いた10のヘアメイク裏話を一挙に紹介したい。(取材・文:明美・トスト/Akemi Tosto)

1.『マッドマックス』には台本が存在しなかった!?

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

 「ロケ現場には脚本がなかったの。マンガと絵コンテが混ざったようなイラストに登場人物が何をしているかが描かれているものがあったんだけど、前代未聞のことにわたしのアシスタントたちは目が点になっていた!(笑)」

2. シャーリーズ・セロン−女性らしさ=フュリオサ

 女戦士フュリオサは、砂漠を支配する首領イモータン・ジョーが頼りにしていた指揮官の一人で男たちからも尊敬を集めていた存在。「シャーリーズと相談して、彼女の女性らしい外観を取り除くことにしてまず髪をそらせてもらったの。炎天下の砂漠で汗まみれほこりまみれで指揮を執っているフュリオサのような立場の者にとってピッタリだしね」

3. フュリオサの黒メイクの意味

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

 「フュリオサが車のエンジンオイルを顔に塗る印象的なシーンがあるけど、あれは彼女にとって出陣の化粧みたいなものなの。実際はエンジンオイルではなく、黒のクリームファンデに顔料を混ぜて作ったものよ」

4. 白塗りの武装集団ウォーボーイズのメイクのこだわり

 「あの子供たちは有毒な環境で生活してきてとても病んでいるから、皮膚がんの病巣や傷跡を模倣したメイクをほどこした。また、ドクロのメイクは、メキシコのハロウィーンにあたる『死者の日』に行われるメイクにヒントを得たわ」

5. ニュークスの胸にV8エンジンのタトゥーが彫られた理由

 ニコラス・ホルトふんするニュークスのタトゥーは、車のV8エンジンの塊を描いたもの。レスリーさんが以前一緒に仕事をした人の入れ墨からヒントを得たそうで、「ウォーボーイズは自分たちのことを運転している車の一部だと思っている」という発想が基になっているのだとか。

6. イモータン・ジョーのルックスは梅毒の感染者をヒントに

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

 「無数の戦と長年にわたって有毒廃棄物にさらされたことで膿の固まりみたいになってしまったという想定だったから、梅毒をはじめ、いろいろな病気に侵された人たちの写真を参考にしてデザインしたの」

7. 化粧品はなるべく使わない

 世紀末の砂漠が舞台のため、化粧品店が存在するようなメイクはNGだ。「とにかく自然なルックスを心掛けたわ。女優さんによってはちょっとつけまつげをつけたり少しパウダーをはたいたりしたけど、なるべく化粧品は使わないようにしたの」

8. ほこり色のファンデがあった!

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

 ボトルに入ったオイルベースの“ほこり色”のファンデーションというのがあるそうで、それを腕を曲げた時のシワや膝の後ろや首などに塗ることでほこりまみれな感じがよく出るのだとか。

9.手っ取り早く汗だくに見せる方法

 “イモータン・ジョーの女たち”はいつも汗でギラついた状態を保たせたかったそう。時間が押している時の早業として、顔にグリセリンを塗ってその上からローズ水をスプレーするという手を使ったのだという。

10. 砂漠で輝くメイクの仕方

 さらに“イモータン・ジョーの女たち”には、ほこりまみれで汚れた砂漠の世界に現れた蜃気楼のように輝いてほしかったと話すレスリーさん。一番大事だったのは、金、銅、薄いピンクといった異なるトーンの、ボディシマーというキラキラする下地を塗ること!

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
オスカー像を手にしたチーム『マッドマックス』 - Matt Petit / (c) A.M.P.A.S.

 2003年からジョージ・ミラー監督と本作についての構想を語り合っていたというレスリーさん。いよいよ準備OKとなったころにロケ地を取り巻く政治情勢が悪化し、2012年までは撮影が無期延期状態となっていた。レスリーさんが本作に関わってから、映画公開まで足掛け12年。こうした苦労話を知ると、映画がまた新鮮に、そして身近に感じられるから面白い。そんな意欲作に関わったスタッフたちがオスカー受賞という形で努力を労われたことを心から喜びたい。

【今月のHOTライター】
明美・トスト / Akemi Tosto
高校よりロサンゼルス在住、CMや映画の製作助手を経て現在に至る。全米映画協会(MPAA)公認ライターとしてだけでなく、監督としても活躍中。短編作品『ボクが人間だったとき/When I Was a Human』がアカデミー賞公認配給会社ショーツ・インターナショナルより配給され、iTunesとAmazonで日本版発売中。ツイッターもよろしく!→@akemiktosto

(c) 2015 Warner Bros. Feature Productions Pty Limited. All rights reserved.
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』DVD&ブルーレイは発売中

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