シネマトゥデイ

第11回:藤井まゆみのとまとさんの言うとおり!? - 2016年4月公開作品編

アメリカの大手映画レビューサイト Rotten Tomatoes の批評家満足度を基に、4月公開作品をランキングでご紹介。さらに Rotten Tomatoes の批評家たちが選んだベスト5に対して、ニコニコ生放送「元祖シネマざんまい」にも出演している映画コメンテーターでモデルの藤井まゆみが、独自の視点で切り込みます!

Rotten Tomatoes ベスト5

第1位『ズートピア』 批評家満足度:99%
第2位『さざなみ』 批評家満足度:97%
第3位『スポットライト 世紀のスクープ』 批評家満足度:96%
第4位『ルーム』 批評家満足度:94%
第5位『ボーダーライン』 批評家満足度:93%

まゆみ’sチェック!

『ズートピア』

ズ
(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.

動物の生態をうまくストーリーに盛り込んだ、子供目線で楽しめる作品。しかし驚くことに、内容は大人向けの社会派という側面もあり。舞台である“夢がかなう”都市「ズートピア」には、人種差別のような“動物差別”が存在し、そのトラウマから逃れようともがく登場人物もいる。ヒロインであるウサギのジュディは、イジメの経験から強くなろうと懸命に努力するポジティブな性格の持ち主だが、その他の動物たちは悪事に手を染めていたりと、まるで人間界の縮図のよう。『ゴッドファーザー』や「ブレイキング・バッド」のパロディーも織り交ぜられているので、映画や海外ドラマ好きはニヤけてしまう。また、アメリカのDMV(デュアル・モード・ビークル)の混雑を風刺したジョークなどの小ネタもあったりと、ディズニー最新作は大人向けのスパイスがきいている。

『さざなみ』

さ
(C) The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014 (C) Agatha A. Nitecka

本作の主人公は結婚45周年を迎える熟年夫婦の妻。降って湧いたような夫の過去の恋バナを聞き、嫉妬でイライラを募らせていく。妻役のシャーロット・ランプリングの不機嫌な顔は、年を重ねても女は女であることを痛感させる。後半は彼女にフォーカスが当てられ、感情移入しやすくなっていくため、女性は自身と重ね合わせながら観ることができるはず。また、結婚生活が長いとお互いに恋愛感情はなくなるとは言われているが、本質はそうでもないのかも……と思うかも。また、70歳のシャーロットの息子くらいの年齢であるアンドリュー・ヘイ監督の演出と脚本は、彼女の美しさを全面に生かしている。重たくなりがちな高齢者キャストによる映画を、おしゃれな音楽とともにライトに描いているため、どの層の観客にも伝わりやすいのもステキだ。

『スポットライト 世紀のスクープ』

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Photo by Kerry Hayes (C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

2002年、ボストン・グローブ紙の「スポットライト」チームの記者たちが暴いたカトリック教会のタブー。実話を基にした本作では、派手な演出は無用とし、正義を貫く彼らのことを純粋に描いている。“腫れ物に触る”ような題材だが、確かな演技力を持ち柔軟性もある俳優らが取り組んだからか、ヒューマンドラマとしての温かさを持ち合わせていることも喜ばしい。監督・脚本のトム・マッカーシーは、俳優として地道にキャリアを積んだ、“見たことある”脇役俳優から転身した人物。長年カメラの前に立ってきた経験があるからこそ、役者への配慮も演出も、クリエイター出身の監督とは異なる繊細さがある。同じく俳優出身でもロン・ハワードやジョン・ファヴローらエンタメ大作を作る監督たちとはまた違う、地道でマジメな描き方は、作品を通して観客に問い掛ける「力」を感じさせる。

『ルーム』

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(C) ElementPictures / RoomProductionsInc / ChannelFourTelevisionCorporation2015

ブリー・ラーソンふんするママの、子供を守ろうとする必死な姿に、涙がこぼれる感動物語。前半は監禁された小さな部屋に暮らすママと息子の脱出劇に心臓はドキドキしっぱなし。だが後半は一変し、親子愛を軸とするドラマ性が強いストーリーに。この作品を成功させた一番の要素は、息子・ジャックを演じた天才子役ジェイコブ・トレンブレイくんの子供らしい無邪気な姿。映画でひときわ輝くジャックと、彼目線の世界に存在する「ママ」の描き方は素晴らしい。ブリーの第88回アカデミー賞主演女優賞受賞も、きっと彼あってこそ。プライベートでも二人は切っても切れない絆で結ばれているのだろうということが、スクリーンからヒシヒシと伝わってくる。劇場から出た後も、二人をずっと見届けていたい気持ちになるはず。

『ボーダーライン』

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(C) 2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. Richard Foreman Jr. SMPSP

メキシコの麻薬カルテル全滅のため、自分だけが女性というチームに放り込まれるFBI捜査官のヒロイン、ケイトを演じるのは、近年の出演作の役柄で強い女性のイメージがついてきた女優のエミリー・ブラント。彼女が主演するということは、男性の口説きにも屈しない、強いスーパーウーマンの活躍劇が展開する……と思われるはず。しかしこの映画の彼女は、不安顔のまま、わけもわからず任務に就くモロい女性なのだ。痩せこけて化粧っ気もなく、異性との関係はごぶさたというガチガチの仕事人間で、セクシーさの欠片もない。だが、男性に口説かれれば、一発で“女”になってしまうモロさも描かれている。登場人物たちが繰り広げる濃厚ドラマと、オープニングから緊迫感が続くサスペンス要素もたまらない。しゃべらないミステリアスな男、ベニチオ・デル・トロの存在によって、とんでもない方向に向かっていく衝撃的な物語に驚くはず。

まゆみ’s ベスト5

第1位『ボーダーライン』
第2位『ルーム』
第3位『スポットライト 世紀のスクープ』
第4位『ズートピア』
第5位『さざなみ』

女性をテーマにした作品で占められたような4月のランキング。今回は、「女性の心をつかむ」という観点から順位をつけてみた。『ボーダーライン』のエミリー・ブラントに共感し、『ルーム』ではブリー・ラーソンの子を持つ母の雄姿に涙。『スポットライト 世紀のスクープ』ではレイチェル・マクアダムスの真剣なまなざしで被害者に取材する姿勢に、物事を正そうとする強いハートを感じ、『ズートピア』でのジュディの生き方は人生の参考になる。45年たっても夫を愛する気持ちは変わらない『さざなみ』のシャーロット・ランプリングの悩む表情から、70歳近くになったら自分の恋愛観はどうなっているのだろうと考えさせられる。

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プロフィール
プロフィール

◆ 藤井まゆみ Mayumi Fujii
Twitter:@mayumi_fujii
オフィシャルブログ:『藤井まゆみのシネマジャーナル』2010年に第一回 国民的"美魔女"コンテスト「美肌魔女賞」を受賞。以降、Team美魔女のメンバーとして各方面で活動中。大の映画好きがきっかけで6年間ロサンゼルスの映画留学を経験した豊富な知識を生かし、 "映画を観て美しくなろう!"をコンセプトに「美に効くサプリ」として映画を紹介する、映画 "ビューティ" コメンテーターとして活動をスタート。
【映画関連】
<記事>
・2013年5月~ 映画エンタメ情報『シネマカラーズ』、美に効く映画[サプリ]連載
・2014年12月~ トレンドミックスマガジン『VANITY MIX ヴァニティ・ミックス』、藤井まゆみの魔ジカルCINEMA 連載

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