シネマトゥデイ

連載第3回:どうしてこんなにかわいいの!?ディズニーのモフモフ動物ができるまで

(C)2016 Disney. All Rights Reserved.

 連載第3回は、ついにディズニー・アニメーションの要であるキャラクターについて、切り込んじゃいます! 『ズートピア』では動物をモデルにしたキャラクターたちが登場しますが、どれも動物っぽくもあり、人間っぽくもあり、でも違和感は全くなく、むしろかわいらしすぎるくらい!! このバランスをとる秘訣(ひけつ)をアニメーション担当の方や、キャラクター担当の方に聞いてきました。(取材・文:編集部・井本早紀)

■動物を知る!上司と共にアフリカへ飛ぶ

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 やはり動物のキャラクターは今までの人間のキャラクターとは勝手が全然違う! と、キャラクターやアニメーションの担当者もかなり苦戦したそうです。まず鼻や口部のつくりが人間とは全然違うキツネは、「話すときにどのように口を動かすのだろう?」そんな素朴な疑問からキャラクターづくりは開始しました。

ロビン・フッド
『ズートピア』のキツネ・ニックには『ロビン・フッド』(左・コンセプトアート)が参考に - (C)2016 Disney. All Rights Reserved. , (C) Disney Enterprises Inc

 そんなときに参考になったものが、『ロビン・フッド』(1973)などの過去のディズニー作品。しかし過去作をトレースしたものに成り下がってしまうのはクリエイターとしては厳禁ですので、あくまでも参考にするのはインスピレーションをつかむ程度に抑えました。でもやっぱり資料が足りない……ということで製作スタッフたちは、フロリダにあるさまざまな動物を集めたディズニー・アニマルキングダムやアフリカ、ロサンゼルスの自然科学博物館に向かい、本物の動物たちを観察! 研究に勤しんだそうです。スクリーンで表現されている動物たちの大きさの違いも、現実世界の違いと同じ比率になっているんですよ。

■動物のコスプレをした人間になってはいけない!

キャラクター担当者のプレゼンにて

 今回彼らが観客に見せたいと思ったのは「動物たちが人間になった姿」ではなく、「動物が進化した姿」。そのため人間と同じ生体構造ではありません。しかし、劇中のキャラクターは二本足で立つため、下手に動かすと動物のコスプレをしているような人間にも見えてしまう……しかもアニメーターたちはつい癖で、人間のような立たせ方をしてしまったり……。アニメーターやキャラクター担当者は、「これじゃいかん!」と動物の腕や肩の構造を研究し、逐一修正していったといいます。

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 さらに動物らしさを出すために、各動物の習性をそれぞれのキャラクターに組み込みました。例えば、ヘラジカの食事の仕方。人間は食べ物を口の方へ持っていきますが、ヘラジカのキャラクターは葉っぱの方に顔を持っていくようにモーションを作っています。ほかにも集団で川を渡る姿で知られているヌーのキャラクターは、集団で横断歩道を渡ったり。アフリカスイギュウをモデルにした警察署長のボゴには、何かが近づくとそれが去るまで、じっとにらみつけて威嚇するという水牛の特性が引き継がれています。

 けれどもあまりにも動物らしくしてしまうと、今度は何を考えているのかわからなくなってしまうことが難点。ということで、改善するべく行われた方法の一つが、キャラクターの目にハイライトを入れてみたり、黒目と白目部分をはっきり分けたりと目をパッチリさせること。

ジュディ
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 目に光を入れてちょっぴり人間っぽくさせることで、キャラクターはかわいくなるだけではなく、彼らが何を見ているのかということが観客に伝わるようになるんです。

■ジョン・ラセター、作品のために極小ケーキを食べる

ラセター
作品のためだもの! - ジョン・ラセター - Frederick M. Brown / Getty Images

 ディズニーのトップであるジョン・ラセターは、この作品でキツネのニックがとても小さなケーキを小さなフォークで苦労しながら食べている姿が見たかったのだそう。それをアピールするために、自分自身で小さなケーキを食べる姿を撮影して、アニメーターたちに映像を提供したのだとか。本人の親指よりもずっと小さい5セント硬貨を取り出して、それをお皿代わりに極小のケーキを大きな体を丸めて食べるジョン。こういうことを進んでやっちゃう製作陣もキャラクターに劣らず、かわいらしすぎです。

■お洋服もみんな違うのです!

「ウサギ」だけでもこんなに違うんです~

 今回の『ズートピア』にはそれぞれの動物たちの住む気候に合わせた町が存在します。そのため、キャラクターのそれぞれにジャケットやレインコートなど個別の衣装が作られました。また1体製作したら、それをコピー&ペーストで画面を埋める……なんてことはもってのほか。それぞれ独自の動物のように見えるように、全く物語に絡んでこないネズミであっても、かなりの洋服のパターンが用意されているんですよ。

ボゴ
ムキムキボゴとジュディ - (C)2016 Disney. All Rights Reserved.

 それに洋服は、それぞれのキャラクターの個性をアピールできるアイテムでもあります。例えば警察署長のボゴであれば、彼の体にピッタリした警察服を着せています。これによって彼がどれほど大きくて、ムキムキなのかが一目でわかるようになっているんです。また個性に関しては、シャキーラが声を演じているガゼルが一番といってもいいでしょう。

ガゼル - (C)2016 Disney. All Rights Reserved.

 同キャラクターの作成時、スタッフは彼女がどんな衣装を着るのか、ヘアスタイルはどうしているのかなど細かいところまでシャキーラと相談しつつ作り上げたのだそう。シャキーラらしさ、出ているでしょ?

■モフモフモフモフ……毛の秘密

 キャラクターの中でも特に時間がかかったとされているのが、彼らのモフモフな毛! 白い毛1本にしても、8か月間のリサーチやプログラミングを行ったそうです。

モフ……
モフモフ……
モフーン!

 例えば、ホッキョクグマの毛はグラスファイバーのようになっていて、遠くから見ると白ですが、近くで見ると透明に見えるんです。これを表現するために、毛が光をどのように反射するかを計算。反射する回数をより多くして、リアルでフワフワな毛をスクリーンで再現しました。

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 それからもう一つ大変だったのは、1体1体の毛の量の多さ! 動物たちをモフモフに見せるために、ものすごい数の毛がキャラクターには設定されています。小さなネズミ1匹に、『アナと雪の女王』のエルサと同じ約40万本以上の毛があるといえばそのすごさは伝わるでしょうか……? ちなみにネズミの96~97倍のサイズのキリンの体毛は、約900万本の毛が体にあります。この量は、スタジオにおける新記録だったそう。かなり膨大なデータによって、モフモフ動物たちができているんですね。

映画『ズートピア』は4月23日より全国公開

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