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ニューヨークで称賛!是枝裕和がプロデューサーで海南友子が監督、ツバル島の危機描く映画

ニューヨークで称賛!是枝裕和がプロデューサーで海南友子が監督、ツバル島の危機描く映画
海南友子監督 - Photo-Nobuhiro Hosoki

 映画『誰も知らない』の是枝裕和監督がエグゼクティブプロデューサーとして参加したドキュメンタリー映画『Beautiful Islands ビューティフル アイランズ』の試写会が、ニューヨークのリンカーン・センターで行われ、海南友子監督が登壇した。

 同作は、すでに気候変動の影響を受けている南太平洋の島ツバル、イタリアのベネチア、アラスカのシシマレフ島を舞台に、そこで暮らす人々の生活にスポットライトを当てながら、失われていく自然と、危機的な現状を描いた作品だ。

 海南監督は撮影前のリサーチでは、当初南太平洋の島ツバルだけを撮影するつもりだったらしい。「リサーチのためにツバル島を訪れたときに、この島だけでは(映像が)足りないと思ったんです。なぜなら、こんな誰も知らない小さな離島が水面下に沈んでも、ほとんどの人は自分には関係ないと思ってしまうからなんです。そのため、熱い国(ツバル)、寒い国(シシマレフ島)、ヨーロッパの伝統的な都市ベネチアを含めることを決めたんですよ」とロケ地を決めた意図を語った。それぞれの地域を3、4度にわたって訪れ、企画から撮影を含めて4年、編集には1年半の時間をかけたそうだ。

 ナレーションとBGMを排した映像については、「頭の中には、どう撮影するかイメージが出来上がっていたのですが、それをカメラマンに伝えるのに、3、4日かかりましたね。1度撮影を中止して、じっくりどういう意図で撮影するかを話し合いました。確かにナレーションとBGMを排して、撮影が大変ではありましたが、子どもたちの未来と兄妹愛の重要性はしっかり描かれていると思います」と話している。ちなみに、映画を頻繁に観る習慣があるニューヨークの多くの観客は、この手法を称賛していた。

 また是枝裕和監督がプロデューサーとして参加した経緯に触れると、「わたしが大学生のときに、是枝監督が制作したテレビ作品に出演したんです。それがきっかけで、友人関係が始まったんですよ。そしてわたしがNHKに入り、同じフィールドで彼からいろいろ学びました。そういう友人関係だったために、彼は快くエグゼクティブプロデューサーを引き受けてくれました」と二人の関係を明かした。是枝監督の知名度は海外でも高く、これから海外で配給会社を探すのにはふさわしい人材だったようだ。

 現在ツバル島のほとんどが水面下にあるにもかかわらず、一部の人たちは移住できずにいるらしい。「この島の近くにニュージーランドがあるんですが、1万人いるこのツバル島から、毎年ニュージーランド政府の許可で移住できるのはわずか75名で、しかもその移住対象者が大学を卒業して、40歳以下の人たちだけなんです。要するに、老人や教育を受けていない人たちを拒否しているんですよ」と厳しい現状を語った。

 本編では、ベネチアの有名ホテル、ダニエリのロビーが水浸しになっているシーンに、かなり衝撃を受けた。イタリアのような国なら、すぐに水面の上昇に対応できるだろうが、離島や財政難の国ではそうはいかない。この映画は、映像を介して環境問題に取り組まなければならない時代が来ていると、深刻に訴えかける作品に仕上がっている。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)


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