『箱の中の羊』千鳥・大悟の繊細な芝居が光る本編映像公開 是枝監督の演出を変えた名演の舞台裏

日本映画では『万引き家族』以来8年ぶりのオリジナル脚本作品となる是枝裕和監督最新作『箱の中の羊』。本作で描かれるのは、“少し先の未来”の“夫婦”そして“家族”の物語だ。子供を亡くした夫婦が息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れ、止まっていた家族としての時間が再び動き出すなかで、想像を超えた未来に向き合う姿が描かれる。主演を務めるのは綾瀬はるかと千鳥の大悟で、お茶の間のイメージを覆す大悟の演技と、脚本にはなかったもうひとつの感情を引き出した本編映像、および場面写真が新たに解禁された。
【動画】千鳥・大悟、脚本にはなかった“もうひとつの感情”を引き出した本編映像公開 映画『箱の中の羊』本編映像 是枝監督最新作
映画初主演にして是枝組への参加という一報は発表当時から注目され、カンヌ国際映画祭で綾瀬はるかをエスコートする姿も大きな話題を呼んだ大悟。大悟自身はオファー当時を振り返り「びっくりしました。『わしで大丈夫なん?』って。是枝監督の作品は深く考えさせられるようなものが多いですよね。それなのに、たいていの日本人が見たら笑ってしまうはずの人間を使って大丈夫なんかなって」と驚きと戸惑いを明かしていた。
公開された本編映像では、妻で建築家の甲本音々(綾瀬はるか)と、夫で工務店の二代目社長を務める甲本健介(大悟)が、生前の翔(桑木里夢 ※「桑」の木の上は十と草冠が正式)との思い出の写真や動画を見返す場面が映し出される。ヒューマノイドの翔を迎え入れる準備を嬉しそうに進める音々の一方で、健介はどこか戸惑いを隠せない様子を見せる。タブレットの中で弾けるように笑う妻の姿を健介が拡大しながらじっと見つめ、音々が翔の服を準備しながら「高かったんだよねぇ、これ」と無邪気に話すシーンへと続いていく。
是枝監督はこのシーンにおける大悟の演技について、「脚本上、写真を選んでいる場面は、文字通り2人で写真を選んでいるだけなんです。その後、音々が翔を亡くした後も毎年毎月、服を買っているというのに健介が気づいて、ヒューマノイドを受け入れようと思うという話なんだけど、動画を見ている大悟さんは、すごく悲しそうな顔をしているわけじゃないのに、『あ、家からこの笑顔が失われているんだ』というのが伝わってくる。あそこで脚本には書いてない、もう1つの大きく眠っていた感情が見えてきて、これは良いと思った。そこで、現場でタブレットに映る水遊びをしている音々の姿をフッと拡大する動きを加えたら、すごく良かった。大事なシーンになりました」と語り、大悟の細やかな表現が本作のクライマックスを彩る重要なシーンへと繋がっていった舞台裏を明かしている。
大悟自身も撮影を回想し、「『大悟さんのしゃべりやすいように』と言われて、撮る直前に監督が少し言葉を足したり調整したりするくらいで、そのままどうぞみたいな感じでした。だから不思議なくらい、やった手応えがないというか(笑)。そもそも健介は自分とあんまりかけ離れてないんですよね。僕らがよく知っている日本の親父というイメージ。うちの親父も健介と同じように職人なんです」と人物像との共通点を語っている
出演はほかに清野菜名、寛一郎、柊木陽太、角田晃広、野呂佳代、星野真里、中島歩、余貴美子、田中泯ら。音楽は坂東祐大が担当した。
映画『箱の中の羊』は公開中


