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ポスト宮崎駿世代のアニメーション作家、新海誠監督の4年ぶりの最新作『星を追う子ども』が完成!!

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「単純に楽しかったと言ってもらえるような作品」を目指したという新海誠監督
「単純に楽しかったと言ってもらえるような作品」を目指したという新海誠監督

 ポスト宮崎駿世代のアニメーション作家として、国内外で高い評価を受ける新海誠監督が『秒速5センチメートル』以来4年ぶりとなる新作『星を追う子ども』について、見どころを語った。

映画『星を追う子ども』場面写真

 自主制作ながら、その圧倒的なクオリティーで業界を震撼(しんかん)させた2002年の映画『ほしのこえ』以降、人と人との「心の距離」を一貫して描き続け、ポスト宮崎駿世代の急先鋒(せんぽう)としての存在感を強めている新海監督。どこまでも写実的で、優しい光に彩られた画面、映像に密接にシンクロしていく音楽、繊細なセリフがちりばめられたモノローグ、そして日常に寄り添った物語の中に見える切なさなど、新海ワールドの集大成となった前作『秒速5センチメートル』から4年。最新作『星を追う子ども』は、心を通わせた少年が突然姿を消してしまった孤独な少女が、彼との再会を願って冒険の旅に出る、という物語だ。本作はこれまでの新海作品とは色合いが異なり、ジブリ作品を彷彿(ほうふつ)させるような冒険譚(たん)となっている。

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 新海監督は「確かにジブリ作品っぽいとは言われるんですが、自分としては(「母をたずねて三千里」「トム・ソーヤーの冒険」などの)『世界名作劇場』のイメージなんです。今回は普遍的な物語の枠にはめ込んで、ストーリーを作ってみたいと思ったんですよ」と本作についてコメント。自ら「今回はエンタメ寄りで、単純に楽しかったと言ってもらえるような作品が作りたかった」と語るとおり、これまでの新海監督の世界観は継承しながらも、胸が高ぶるような躍動感を感じさせる作品となった。

 本作を一足先に鑑賞した人たちから寄せられた多くの感想の中には「主人公の女の子がミニスカートなのに、スカートの中がチラリとも見えない」というものがあったという。アニメの場合、往々にしてそういう場面がサービスカットとして描かれることがあるが、不自然なサービスは、時として観客の物語への集中を途切れさせてしまうこともある。その点について、「確かにミニスカートなので構造上は見えるはずなんですが、今回はキュロットスカートにしようということで見せていません。アニメってよくも悪くも欲望をむき出しにできるメディアなんで、お客さんが観たいものだったり、作り手が描きたいものを描くわけですが、描き手によって何を描くかは決まってくるんですよ」と説明する新海監督。

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 そういう意味で、本作の登場人物については、作画監督でキャラクターデザインを手掛けた西村貴世の作風に寄るところも大きかったという。「西村さんは『ルパン三世』などを手掛けてきた方なんですが、彼が描くといやらしい絵にならないんですよ。ミニスカートの女の子なんだから、最初はもう少し、脚なんかも色っぽくしてもいいのかなと思いましたけど、西村さんが描くときれいなキャラクターになるんです。そういうのは共同作業ならではの面白さだと思いますね」と語るとおり、余計なものをそぎ落としたキャラクターだからこそ、登場人物の感情が観客の心にストレートに訴えかけてくる。くしくも本作の「色鮮やかな世界を駆け抜ける少女が知る喪失と祝福」というテーマは、人々の心が沈みがちな現代だからこそ伝わってくるものがあり、新海監督も「確かにこれくらいストレートな気持ちの出た作品の方が、今の時代は感じてもらえるのかもしれませんね」と手応えを感じているようだった。(取材・文:壬生智裕)

映画『星を追う子ども』は5月7日より全国公開

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