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トム・ハンクス出演のSF大作、原作者は日本で教師経験あり 19世紀の航海日誌から近未来の未開社会までを描いた一大叙事詩

 映画『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟が監督を務め、トム・ハンクス、ハル・ベリーといったキャストが出演する映画『クラウド・アトラス(原題)/ Cloud Atlas』は、デイヴィッド・ミッチェルのSF小説が原作となっている。日本に滞在経験もあるミッチェルの原作は19世紀から近未来までを6つのエピソードで描いた入れ子構造の大作で、どのように映画化されるかが注目されている。撮影は今年9月より開始予定だ。

 映画『クラウド・アトラス/ Cloud Atlas』は、デイヴィッド・ミッチェルの連作短編を原作にした作品で、トム・ハンクス、ハル・ベリーほか、ナタリー・ポートマン、映画『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のジェームズ・マカヴォイらの出演がうわさされている。監督は『マトリックス』シリーズのラリー・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキーに加え、映画『パフューム ある人殺しの物語』のトム・ティクヴァの3人が務める予定となっている。原作は19世紀の航海日誌、音楽家の青年の物語、女性ジャーナリストが企業の陰謀に挑むサスペンス、近未来の舞台にクローンの存在をめぐって繰り広げられる問答など、ジャンルのまったく異なる六つのエピソードが展開される本作だけに、一人の監督の手に委ねない共同監督という形式をとるのかもしれない。

 原作は英国圏最高の文学賞といわれるマン・ブッカー賞の最終候補に残るなど高い評価を得ている本作の映画化は以前より報じられていたものの、なかなか進展していなかった。その一つの要因としては、原作では六つのエピソードが順番に語られるのではなく、入れ子構造を採用していることが挙げられる。19世紀の航海日誌から始まり、現代のロンドン、近未来の韓国などのエピソードが語られる本作は、六つ目のエピソードとなる太平洋の未開社会を描いた章を折り返し地点として、これまで語ってきたエピソードの続きが逆の方向に語られ、始まりと同じ、19世紀の航海日誌によって幕を閉じる。本作の魅力の一端をこの入れ子構造が担っているのは明らかだが、単なるオムニバスではない、これを映画で再現するのは至難の業。ほかにも原作では未来を舞台にした部分では、現在使われているのとは多少語尾変化などが異なった英語が使われているなどの技巧が凝らされており、それだけに、9月より撮影開始されるという本作がどのように映画化されるのかに注目が集まっている。

 原作者のデイヴィッド・ミッチェルは、1999年に『ゴースト・リトゥン(原題)/ Ghostwritten』でデビュー。日本で英語講師として10年近く生活したことのあるミッチェルは、連作短編集の同作でもオウム真理教をモチーフにした作品を執筆したほか、最新刊「ザ・サウザンド・オータムス・オブ・ヤコブ・ダズート(原題)/ The Thousand Autumns of Jacob de Zoet」は鎖国時代の出島を舞台にした歴史小説であるなど、非常に日本とゆかりのある作品を書く、今注目の作家だ。(編集部・福田麗)


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