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伝説の馬の調教師バック・ブラナマン、サンダンス映画祭で話題となった馬のドキュメンタリーを語る

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バック・ブラナマン
バック・ブラナマン

 今年のサンダンス映画祭で話題となったドキュメンタリー映画『バック(原題) / Buck』について、同映画の題材となった伝説の馬の調教師バック・ブラナマンが語った。

 同作は、馬が本来ある姿を対等な立場で交流するという「ナチュラル・ホースマンシップ」を提唱するバック・ブラナマンの半生を描いた作品で、彼はロバート・レッドフォードの映画『モンタナの風に抱かれて』で、調教師として馬の扱い方をスカーレット・ヨハンソンやロバート・レッドフォードに教えていた経験も持っている。監督はシンディー・ミールで、これが彼女のデビュー作品となる。

 まず、馬の人に対する認識について聞いてみると「馬が素晴らしいのは、人に対して先入観がないことだ。背が高かろうが、低かろうが、金持ちであろうが、貧しかろうが、ハンサムだろうが、そんなにハンサムでなかろうが彼らは気にしたりしない。彼らが気にすることは、いかに人が彼ら(馬)を扱ってくれるかだけなんだ。そんな、何でも対等に扱うレッスンだけを(馬から)学んだだけでも、人としてましな人物になれると思うよ!」と馬から学んだことは他にもたくさんあるそうだ。

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 馬との接触について「もちろん、それぞれの状況下で馬との接触は違っていて、例えば、甘やかされて育てられた馬には、自分の体のサイズが10倍になった(威圧するような)心持ちで馬に教育していかなければならない。だが臆病で感情的な馬には、逆に自分の体が10分の1になったような気持ちで、繊細に接しなければいけない。僕はそれを意識しながら数分ごとに、馬の姿勢や馬体に接触をしながら調整していくんだ。そこで、馬はこの接触している人物が自分を脅かす人物なのか、そうではないのかを判断していくんだよ」と人との接触が苦手な馬でさえ、バックと接触すると心を開き、落ち着きを取り戻すことになる。

 バックは人と衝突したりしたさいに、問題を抱える馬に接触するようなアプローチで人と対応することはあるのか、との質問に「特に日頃から人と衝突することが多く、その人の周りに居ることさえ難しい人物にはそうしているよ。彼らみたいな人物は、何事でも自分のやり方を押し付けようとするからね。だからそういうときは、彼らが慣れていない物事の対応の仕方を(彼らに)見せてやれば良いだけなんだよ」と述べた。

 映画『モンタナの風に抱かれて』で共に仕事をしたロバート・レッドフォード監督については「あの『モンタナの風に抱かれて』を撮影して以来、彼とはずっと友達でいるんだ。撮影中に彼とよく時間を過ごしたし、撮影後も僕が調教で彼の住むユタを訪れたさいには、彼の家に招待されたことが何度かあったよ。彼は、僕が心底から好きな人物の一人だよ」と明かした。

 最後に、監督のシンディーも馬を所有していて、長年の友人だったことからバックはこの映画に出演することを決めたらしい。映画は、子どものころに父親に虐待を受けたことのあるバックが、馬と接したことで徐々に心の平穏を取り戻していく過程や動物の問題は、人のトラブルであることを深く痛感させてくれる映画に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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