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リヴァー・フェニックスの遺作、失われた映像の詳細が明らかに

第63回ベルリン国際映画祭

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故リヴァー・フェニックスさん
故リヴァー・フェニックスさん - Nancy R. Schiff / Hulton Archive / Getty Images

 第63回ベルリン国際映画祭でリヴァー・フェニックスさんの遺作『ダーク・ブラッド(原題) / Dark Blood』の会見が行われ、ジョルジュ・シュルイツァー監督らが出席してリヴァーさんの思い出を語った。本作はコンペティション部門にアウト・オブ・コンペティション作品として出品された。

 『ダーク・ブラッド(原題)』は1993年、クランクアップ目前に主演のリヴァーさんが急死したため、未完成のままお蔵入りしていたもの。20年近い歳月を経て、昨年9月にシュルイツァー監督の地元オランダでプレミア上映された。公開までに時間がかかった理由を、今年81歳になる監督は「権利や金銭的な問題が解決できないうちに、わたしが健康を害してしまった」と説明した。

 撮影できなかった部分をナレーションで補った本作。荒地に一人きりで住む風変わりな青年をリヴァーさんが演じ、その荒地の一軒家に、ハリウッドスターのカップルが迷い込んでくるさまが描かれる。美しい女優に好意を抱く青年と、それを苦々しく見ているパートナーの俳優との緊迫した関係がスリリングだ。悲しい最後がリヴァーさんの実人生と重なるようでもある。

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 撮影のエドワード・ラックマンは「最後のショットのとき、4回やってカットになったけど、そのままカメラは回っていた。日が落ちていってリヴァーが完璧なシルエットになった。彼は10秒ほどそこに立っていたかな。そしてこっちに向かってきて、カメラの枠の外に消えていく……。それが月曜で、日曜にリヴァーは亡くなった。その映像を紛失した。それは素晴らしい映画のエンディングになったはずだ」と残念そうに語った。

 薬物の過剰摂取のため23歳の若さで亡くなったリヴァーさんだが、当時、一緒に働いたキャスト、スタッフには、リヴァーさんが薬物を使用していた記憶はないという。シュルイツァー監督は「最初に彼に会ったとき、わたしはひどい頭痛で『悪いね、ストーリーを説明しなきゃいけないのに、頭が痛くて……』と言ったら、彼は薬局に行ってアスピリンを買ってきてくれた」と述懐した。それぞれが語る思い出からは、優しく才能ある若者だったリヴァーさんの姿が浮かんだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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