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フランスの俊英フランソワ・オゾン監督を直撃!新作『イン・ザ・ハウス』はリアリティーとフィクションを交錯

フランスの俊英フランソワ・オゾン監督を直撃!新作『イン・ザ・ハウス』はリアリティーとフィクションを交錯
フランソワ・オゾン監督

 映画『8人の女たち』『スイミング・プール』などでおなじみの俊英フランソワ・オゾン監督が、新作『イン・ザ・ハウス(原題) / In the House』について語った。

 同作は、高校で文学を教えるジャーメイン(ファブリス・ルキーニ)は、才能ある生徒クロード(エルンスト・ユムオエール)にエッセーの執筆を勧め、クロードが仕上げた中流家庭を描いたエッセーを妻ジーン(クリスティン・スコット・トーマス)と共に読み始めるが、次第にクロードの文面に翻弄(ほんろう)されていくというドラマ作品。本作は、サンセバスチャン国際映画祭の最優秀作品賞にあたるゴールデン・シェル賞を受賞している。

 まず、この映画でクロードが執筆する中流家庭は、フィクションとリアリティーが共存している点が興味深い。「僕個人は、この映画のラストシーンで、あるビルの前でクロードが新たなストーリーを語り始めたように、僕には(監督として常に)新たなフィクションのストーリーが必要で、リアリティーよりもむしろフィクションになじんでいる気がする。そして今作では、前半部分であえてリアリティーとフィクションを交錯させることで、観客にそのどちらかを選択する権限を委ねているんだ」と彼なりの演出法をのぞかせた。

 映画内ではクロードは良き先生に出会い、その才能を開花させるが、監督自身は似たような体験はあるのか。「実は、エリック・ロメール監督が大学で教壇に立っていたとき(ロメール監督は以前は古典文学を教えていたが、この頃は客員教授として映画を教えていた)に、彼の授業を聴きに行ったことは、ある意味素晴らしいレッスンだった。彼からは、問題が生じたときに、いかに監督として対応するかを学んだ。その後は会ったことはないが、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督(ドイツの監督)に影響を受けた」と述べた。

 クロードを演じたエルンスト・ユムオエールについて「このクロード役のキャスティングは難しかった。当初は、このクロード役の年齢設定通りに16歳の少年をキャスティングしようとしたが、少女と違って実際の16歳の少年は、それほど大人びていなく、あくまで子どもだった。そこで年齢層の幅を広げ、当時21歳だったエルンスト・ユムオエールをキャスティングすることになったんだ。彼自身は15、16歳にしか見えないため、他の生徒との距離を置かせたり、撮影前に事前に話し合ったりしながら、彼を大人びた少年に仕上げていった」と語った。

 最後に、近い将来アメリカでの映画製作の可能性について尋ねると、実は『スイミング・プール』がアメリカで成功した際に、たくさんのアメリカからのオファーがあったそうだが、自由に監督させてくれたり、ファイナルカット権限のあるフランスとは違う、アメリカのシステムでやることは難しいと語った。映画は、大人が子どもの心理を探索することで興味深いやり取りが繰り広げられている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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