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『ノア』アロノフスキー監督が明かす“作り手”の苦悩(1/2)

『ノア』アロノフスキー監督が明かす“作り手”の苦悩
ダーレン・アロノフスキー監督 - (C) MMXIII Paramount Pictures Corporation and Regency Entertainment (USA) Inc. All Rights Reserved.

 『ブラック・スワン』をはじめとするダーレン・アロノフスキー監督の作品にはいつも、何かに取りつかれた人々が登場する。最新作『ノア 約束の舟』でもそれは変わらない。大洪水の到来を知らされた主人公ノアは、ある重大な使命を全うすることだけを考えることになる。「映画監督の道を選んだ時から、なぜ、ノアの話が映画になっていないのかと思うようになった」というアロノフスキー監督が、自身に取りついた“何か”を語った。

 「何かを作りたいと思う時、もしくはこれだと思う素材やキャラクターに出会った時、この辺に興奮を感じるんだ」と胃の辺りを触ったアロノフスキー監督は、インスピレーションの重要性を説く。「どれを取っても、プロジェクトが実現するまでには長い時間がかかる。長くなればなるほど、走り続けなければ途中でダメになってしまうんだ。そして僕を走り続けさせるのは、自分の中でグッとつかまれる感じだ。それだけが、僕を走らせることができる」。

 『ノア 約束の舟』は、そんなアロノフスキー監督にとって、念願ともいえるプロジェクトだ。13歳のころに「ノアの箱舟」についての作文を書き、それをきっかけに映画監督になった後も映画化の野望を抱き続けた。だが作品を観ると、今だからこそ作られることに意味のあった作品という気さえする。だが、そんな偶然の一致に、「不幸なことに、これから先、このストーリーはより時代と一致していくだろうね」とアロノフスキー監督は懸念を示す。

 「この映画の製作そのものがスタートしたのは3年前くらいだけど、それからは日本の東日本大震災やニューヨークを襲ったハリケーン・サンディなど、地球規模での天災が続出している。それだけでなく、人間が作り出したものが引き起こした災害もある。ノアの神話は、これらに対する警告だ。人間が地球を破壊し続けたら、いずれ自分たちが殺されてしまうという、ね。ノアの神話に即するなら、僕たちが今生きているのは2度目のチャンスをもらったからといえるだろう。だから、僕たちがこの2度目のチャンスをどうやって、うまく生かすのかが問題がなる。今のままではダメだと思っている人もたくさんいる。でも、自分たちの今しか考えていない人も多いだろう」。

 その一方で、アロノフスキー監督は自分で作ったものであるにもかかわらず、それらをこの世から消し去りたいという気持ちも理解できるという。映画の中で、神は自分が作り出したものを一度、大洪水という形でこの世から消してしまおうとする。映画監督という名の創造主でもあるアロノフスキー監督は、「僕もいつもそうだよ」と笑う。


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