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羽佐間道夫、この道60年のレジェンドが明かすデビュー当時から昨今の声優事情「テレビ草創期の吹き替え現場は生収録!」【声優伝説:連載第1回】【声優伝説】(1/2)

羽佐間道夫、この道60年のレジェンドが明かすデビュー当時から昨今の声優事情「テレビ草創期の吹き替え現場は生収録!」【声優伝説:連載第1回】
「声優は塗り絵師」と声優哲学を明かす、羽佐間道夫

 ディーン・マーティン、シルヴェスター・スタローン、ポール・ニューマン……洋画などでの数々の吹き替えや、テレビなどの名ナレーションでおなじみの声優、羽佐間道夫さん。この道60年のレジェンドであり、近年はアニメなどで人気の声優たちとのイベント「声優口演 SPECIAL 人気声優で甦るサイレント・ムービー」(11月7日、8日有楽町よみうりホール)の企画・プロデュースも手掛ける第一人者の羽佐間さんに、デビュー当時からの昨今声優事情を聞いた。(取材・文:岩崎郁子)

■テレビ草創期は生放送

 テレビ草創期の1950年代、番組コンテンツが少ない時代に重宝された外国の映画やドラマシリーズ。その声を吹き替える声優に、役者の卵らが次々とかり出され、羽佐間さんもその一人だった。技術も設備もまだ十分でない時代のなかで吹き替えをし、当初は生放送で波の音や馬の蹄など、効果音もすべて同じスタジオ内で出した。「『海底2万マイル』で海の中の話なのに、スタジオの外で犬がワンワンほえる音が入って、そのままで流れ(放送)ちゃったり」。録音になってからも、テープが30分、途中で切れないから収録もノンストップ。「たったひと言、セリフがある人が出番を待っていて、28分のところで『座れ』と言うところを映画と同じ『シット・ダウン』って言っちゃって、最初からやり直しに……と」生(ライブ)ならではの苦労やハプニング談は多いという。

■スタローンは浪花節調

 そんな時代を経て、数々の当たり役(声)をものにしてきた羽佐間さんは役者によって声を使い分ける秘訣はテンポ、軽さ、テンションだという。「ウディ・アレンなら早口で軽妙、スタローンは浪花節調(声の真似して)とか」スタローンを担当した時は、海に向かって浄瑠璃を長時間うなって、ノドを枯らした苦労話も。また健康のため約40年前にたばこをやめたが、「1日100本吸っていた昔のほうが、声に色合いが出てよかった気がする(笑)」とも。

■声優は塗り絵師

 羽佐間さんの声優哲学は「色」という。「われわれの仕事はいろんな声、しゃべり方のパレットをもっていなければいけない。それぞれの技術的背景を持っていて、それをキャンバスに塗っていく塗り絵師」だと。そのために落語、講談、浄瑠璃の世界も追いかけた。「それぞれの世界のフレーズの引き出しをどれだけ持っているかで、表現も豊かになる」からだ。「声優は語りの芸、ここ(首)から上に魂込めていかないといけない。どうしたら語って人に感動を与えられるか」を追求し続ける。それだけに、後輩の声優たちにも「みんなうまいと思うね」という半面、技術、設備も進歩したゆえに抱える問題も指摘する。


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