見どころ:『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの60年前を舞台にしたJ・R・R・トールキンの冒険小説を実写映画化した『ホビット』3部作の第2章。邪悪な竜に奪われたドワーフの王国を取り戻す旅に出たホビット族の青年ビルボ・バギンズら一行を待ち受ける過酷な運命を、壮大なスケールで描く。マーティン・フリーマン、イアン・マッケランら前作からの続投組に加え、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどのオーランド・ブルームもレゴラス役で再登場。伝説の邪竜スマウグの声を、ベネディクト・カンバーバッチが担当する。
あらすじ:ホビット族の青年ビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)は、魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)や屈強なドワーフの一行と共に、たった一頭で一国を滅亡に導くと伝えられる邪悪な竜スマウグに奪われたドワーフの王国を奪取すべく旅に出る。竜の潜む山を目指す道中、巨大なクモの大群や凶暴なオークたちが一行の行く手を阻むように次々と立ちはだかり……。
あまりにもスピンオフ感が強かった前作に比して、『ロード・オブ・ザ・リング』の匂いが立ち込めてきた。「欲望」が渦巻き始め、心の闇が全編を覆い始めるからだ。
巨大蜘蛛との激しい攻防と、邪竜スマウグとの腹の探り合いが、さらなる緊張感を与える。邪竜をパフォーマンス・キャプチャーと吹替えによって体現したベネディクト・カンバーバッチが、マーティン・フリーマン扮するビルボと対峙する場面は本作の白眉だ。
前作から導入された映像HFR(ハイ・フレーム・レート)の生々しい画質は、新たな“コク”を表現しつつある。しかし人物やキャメラが素早く動くとき、未だ異様な軽さを感じさせてしまう瞬間は残存する。
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作から続く安定のハイクオリティを維持。ファンの期待を決して裏切らない。
エルフ族の登場で戦闘シーンがより盛り上がるばかりか、冒険者たちの凛々しさも前作以上に強化された感あり。オークとの合戦シーンが、『ロード~』以上にフィジカルに見える点には映像面での進化が見て取れる。
何より、前作で主人公ビルボが手にした、あの指輪により、彼の顔つきが時折邪悪に見えることにゾクゾクしてしまう。『ロード~』とのリンクが明確になってきたという意味でも必見。早く“次”を観たい。
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