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器用貧乏なディカプリオのアカデミー賞敗戦の歴史を振り返る

器用貧乏なディカプリオのアカデミー賞敗戦の歴史を振り返る
映画『レヴェナント:蘇えりし者』より - (C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

 映画『レヴェナント:蘇えりし者』で第88回アカデミー賞主演男優賞悲願の受賞を果たしたレオナルド・ディカプリオの、辛酸をなめ尽くしてきたアカデミー賞での敗戦の歴史を振り返ってみた。

 19歳のときに『ギルバート・グレイプ』(1993)で知的障害者役を務め助演男優賞にノミネートされ、その実力を世に知らしめたレオだが、『ロミオ&ジュリエット』(1996)、『タイタニック』(1997)のヒットにより王子様的なイメージが定着。その後、いわゆる破天荒なキャラクターに果敢に挑み続けるも『アビエイター』(2004)では『レイ』のジェイミー・フォックスに、『ブラッド・ダイヤモンド』(2006)では『ラストキング・オブ・スコットランド』のフォレスト・ウィテカーに、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)では『ダラス・バイヤーズクラブ』のマシュー・マコノヒーに敗れた。

 とりわけ、マーティン・スコセッシ監督と組んだ『アビエイター』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』では賞レースに有利とされる実在の人物にふんしており、前者では極度の潔癖症を持つ伝説的な富豪ハワード・ヒューズ、後者では学歴もコネもなしに約49億円の年収を稼ぐ株式ブローカーにのし上がったジョーダン・ベルフォート役に。いずれもセレブが「壊れていく」過程に焦点を当てた難役だったが、それでもオスカーに手が届かなかったのはカリスマ・ミュージシャン、レイ・チャールズ役で成り切り演技のみならず圧倒的な歌唱力も披露したフォックス、20キロ以上の減量を経てエイズ患者を熱演したマコノヒーの方が目に見えてインパクトが強かったのが敗因かもしれない。

 『ジャンゴ 繋がれざる者』のような悪役しかり、どんな役でもそつなくこなす、いわゆる器用貧乏タイプのレオがついにオスカーを制したのは、アメリカ開拓時代に実在した漁師&探検家ヒュー・グラス役で「無言のサバイバル」に徹した復讐劇『レヴェナント:蘇えりし者』。ハイイログマとの格闘シーンに始まり、重傷で身動きが取れなくなり仲間に置き去りにされてからはほぼセリフなし。明日死ぬかもしれない恐怖と戦い続ける孤独なサバイバルは、彼の運命を知っていたとしても終始ハラハラさせられる。

 本作と同様に火星に取り残された男の「独りぼっち」のサバイバルを体現し、ハリウッドでの人望も厚いマット・デイモン、そして海外ドラマ「ブレイキング・バッド」(2008~2013)で人気うなぎ上りの『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』のブライアン・クランストン、『それでも夜は明ける』(2013)で助演男優賞候補になった『スティーブ・ジョブズ』のマイケル・ファスベンダー、昨年主演男優賞を獲得した『リリーのすべて』のエディ・レッドメインと強敵ぞろいだったが、受賞時のスタンディングオベーションからもわかる通り、『レヴェナント~』は「ここまでやって取れなかったら、何をどう頑張ればいいのか」というレオの気迫がひしひしと伝わる力作となっている。(編集部・石井百合子)

映画『レヴェナント:蘇えりし者』は上映中


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