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東京国際映画祭・審査委員長「映画人は言論や芸術の自由のために戦う兵士」

第29回東京国際映画祭

今年の東京国際映画祭の審査委員 - 平山秀幸、ニコール・ロックリン、ジャン=ジャック・ベネックス、メイベル・チャン、ヴァレリオ・マスタンドレア
今年の東京国際映画祭の審査委員 - 平山秀幸、ニコール・ロックリン、ジャン=ジャック・ベネックス、メイベル・チャン、ヴァレリオ・マスタンドレア

 25日、第29回東京国際映画祭の審査員記者会見が実施され、審査委員長を務めるジャン=ジャック・ベネックス監督が「われわれ映画人は、言論や芸術の自由のために戦う兵士なのです」と熱弁した。この日は審査員を務めるメイベル・チャン監督、俳優のヴァレリオ・マスタンドレア、プロデューサーのニコール・ロックリン、平山秀幸監督も登壇した。

第29回東京国際映画祭レッドカーペット一挙振り返りフォトギャラリー

 記者から、選考の傾向をつかむために「好きな映画」を聞かれたべネックス監督は、「ニコールがいるからではないですが(笑)、最近観た作品では、『スポットライト 世紀のスクープ』が好きです。素晴らしいキャラクターが登場するだけでなく、観客に質問を問い掛け、勇気を持って、言う必要があることを示す作品だからですね。年を重ねることで、若い頃よりも、そういった作品に魅力を感じるようになりました」とコメント。

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 ビリー・ワイルダー監督の『サンセット大通り』も好きだと明かしたべネックス監督は、トルコの記者から「なぜ今は2作品のようなメッセージ性に富んだ作品が少なく感じられるのか」という疑問を投げ掛けられると、「映画を作る上では、言論や、力を持つ人々から製作費を集めるという点で、自由でなければなりません。この二つの要素を考えると、映画人にとって、自由は大きなものですね。われわれは自由な国からやって来ましたが、自由な国の中では、勇敢な映画を作ることが簡単であるという認識は捨てましょう。なぜなら、検閲というものがあるからです。最も悪しきセンサーですが、検閲はそこら中にあります」と回答した。

 そして、「メッセージ性に富んだ作品を作るのは、一部の監督たちにとって、とても難しく、勇気のいることです。なぜなら、そういった作品を作れば、多くの場所で起こっているように、殺されたり、捕まったりすることもあるからです。われわれ映画人は、言論や芸術の自由のために戦う兵士なのです」と力説。審査については、「偏見も期待も抱かずに、ただ目を大きく見開くだけです」と笑顔で語っていた。(取材・文:岸豊)

第29回東京国際映画祭は11月3日まで六本木・銀座ほかで開催

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