実話!大女優と若手の恋…本人役はジェイミー・ベル
アネット・ベニングとジェイミー・ベルが共演し、実在のハリウッド大女優とイギリス若手俳優の関係を描いた恋愛映画『フィルム・スターズ・ドント・ダイ・イン・リバプール(原題) / Film Stars Don’t Die in Liverpool』について、原作者のピーター・ターナーが12月12日(現地時間)、ニューヨークのラングハム・ホテルでインタビューに応じた。
ピーターの同名回顧録を映画化した本作。1981年、イギリス人俳優のピーター・ターナー(ジェイミー)のもとに、かつての恋人で大女優のグロリア・グレアム(アネット)がホテルで倒れたという知らせが届く。彼女は乳がんを患っていたが、治療を受けることを拒否し続けていた。ピーターはグロリアを実家で療養させることを決意。彼女の死が近いことを察したピーターは、グロリアと過ごした楽しい日々を回想していく。『ラッキーナンバー7』のポール・マクギガンが監督、『007』シリーズのバーバラ・ブロッコリが製作を担当した。
回顧録を執筆するきっかけについてピーターは、「書き始めたのは、グロリアが亡くなってから3年半がたった頃で、まだ自分の中で(彼女の死を)どう処理して良いのかわからなかったんだ。自分を理解するために書いていたのかもしれないね。彼女との関係において、なぜその当時はそうしたのか、なぜそうしなかったのか、未回答のままだったことが多かった気がして、ジグソーパズルを埋めていくように書き始めたんだ。グロリアが亡くなってからは、俳優として働く気をなくしてしまったんだ」と明かす。
大女優であり、年齢も離れていたグロリアとの交際については、「確かに年齢はかなり違い、キャリアのステイタスも異なり、お互いの国(アメリカとイギリス)の文化の違いなども含め、異なる部分は多くあったね。けれども、ごくありふれた一般的な恋愛部分もあったんだ。身体的にも、感情的にも、精神的にもつながっていて、多くの観点から僕らは一緒になったと思っているよ。でもやはり、彼女が多くの点で異なっていたことで、僕は、より密度の濃い時間を過ごせたのかもしれないね」と彼女から多くのことを学んだと語った。
自身を演じたジェイミーについては、「今作は、長い間企画段階にあったから、誰が僕の役を演じてくれるかわからなかったんだ。僕が回顧録を執筆した当初は、多くの制作会社が興味を示してくれて、どの俳優が良いか話し合ったりもしたのだけど、(製作が実現せず)時が経過していくうちに、映画はもう製作されないものだと感じていたんだ。でも、バーバラが『ピーター役が決まったわ。ジェイミー・ベルに!』と教えてくれた時、なんてインスピレーションを沸かせてくれる配役なんだと思ったよ。『リトル・ダンサー』のイメージが強いけど、スピルバーグ作品やテレビドラマなど興味深い作品にも出演してきている。今作でもアネットという演技派女優相手に、俳優としてお手本になるような素晴らしい演技を披露していたよ」と称賛した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)