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ジムノペディに乱れる (2016):映画短評

ジムノペディに乱れる (2016)

2016年11月26日公開 83分

ジムノペディに乱れる
(C) 2016日活

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

くれい響

とにかく性欲だけは強い一週間。

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『今度は愛妻家』のカメラマンや『つやのよる』のペンション経営者など、女性に翻弄されるダメ男を描かけば、ことごとく“研ぎ澄まされた”作品になる行定勲監督。本人が近いからかは置いといて、そういう意味では今回もハズしていない。同じ過去の栄光にしがみつく映画監督として、『下衆の愛』の主人公に劣るものの、ゲス度はかなり高く、制作意欲はなくても、とにかく性欲だけは強い一週間。後半に登場する妻の状況が『つやのよる』とほぼ変わらないのは、どうか思うが、とにかく芦那すみれがエロいことに驚き。ちなみに、ガチで日活撮影所のスタッフルームで撮ったと思われるエロシーンがいちばんロマンポルノっぽかったりする。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

日本映画界への痛烈な皮肉も込められたネオロマンポルノ

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 にっかつロマンポルノと同様の製作条件のもと、5人の人気監督がオリジナル脚本で勝負するという企画シリーズ。その第一弾は、行定勲監督によるポルノ版『81/2』だ。
 深刻なスランプに陥った映画監督が、まるでその現実から逃避するかのごとく、手当たり次第に周囲の女に手を出していく。そのストーリー自体はありがちだが、本作の面白さはディテールの妙に尽きる。
 随所に散りばめられた日本映画界、引いては芸能界への痛烈な皮肉。笑うに笑えない業界アルアルなブラックユーモア。そして、いくら芸術家を気取ってみても所詮は人気商売、映画がヒットしなければ食っていけない。ジワジワと滲む主人公の悲哀がなんとも切実だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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