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公開から50年!『ゴッドファーザー』名優ぞろいのキャストの現在

今週のクローズアップ

 不朽の名作『ゴッドファーザー』が公開されてから50年となる2022年は、シリーズ3部作が 4K UHD 化や4K上映された。日本公開初日となる7月15日を前に、3部作に出演したキャストたちのその後と現在を紹介する。(編集部・香取亜希)

マーロン・ブランド/ドン・ビト・コルレオーネ役

マーロン・ブランド
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 マフィアのボス、ドン・ビト・コルレオーネ役のマーロン・ブランドは、『欲望という名の電車』(1951)でアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされ注目を浴び、その後、『波止場』(1954)、『ゴッドファーザー』(1972)で二度アカデミー賞主演男優賞に輝いた。『スーパーマン』(1978)、『地獄の黙示録』(1979)などでカリスマ的な存在感を発揮し、多くの後輩俳優らに影響を与えた、20世紀を代表する伝説的な名優。セリフを覚えない、女性たちとのスキャンダラスな噂など、プライベートの破天荒ぶりが騒がれるが、人種差別へ抗議の姿勢を示すなど、確固たる信念の持ち主でもある。『ゴッドファーザー』でアカデミー賞主演男優賞に輝くも、映画界におけるネイティヴ・アメリカンの差別的な扱いへの抗議の意を示すため、受賞を拒否したのは有名な話。2004年7月1日に80歳で死去。

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アル・パチーノ/マイケル・コルレオーネ役

アル・パチーノ
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ,Axelle / Bauer-Griffin / FilmMagic / Getty Images

 コルレオーネ家の三男にして後にファミリーを引き継ぐマイケル役のアル・パチーノは現在82歳。当時無名だったにもかかわらずマイケル役に抜てきされ、一気にブレイクした。代表作は、『狼たちの午後』(1975)、『スカーフェイス』(1983)、『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992)など。独身主義者として知られ、私生活は謎に包まれているが、還暦を過ぎた2001年に誕生した双子と長女の父親でもある。来日経験がないことでも有名で、「いつか行くよ」と発言したことが報道されるも、いまだ実現していない。

ジェームズ・カーン/ソニー・コルレオーネ役

ジェームズ・カーン
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ,JB Lacroix / WireImage / Getty Images

 コルレオーネ家の短気な長男ソニー役のジェームズ・カーンは、現在82歳。ソニーの壮絶なラストシーンは映画史に残る衝撃シーンとして語り継がれている。その後は、サスペンスホラー『ミザリー』(1990)、ロマンチックコメディー『恋するための3つのルール』(1999)、声優を務めたアニメ『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』(2013)など、幅広いジャンルの作品に出演している。4度の結婚歴があり、5人の子どものうちスコット・カーンは、テレビドラマ「HAWAII FIVE-0」シリーズのダニー役で知られており、同シリーズで親子共演を果たした。

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ジョン・カザール/フレド・コルレオーネ役

ジョン・カザール
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 コルレオーネ家の気の弱い次男フレド役のジョン・カザールは、『ゴッドファーザー』で長編映画デビューし、『ゴッドファーザーPART II』(1974)にも出演した。学生時代からの友人だったアルとは、『狼たちの午後』(1975)で再共演を果たす。舞台で共演したメリル・ストリープと婚約するも癌を患い、結婚する前の1978年、42歳で死去。闘病中に撮影した、ロバート・デ・ニーロ主演の『ディア・ハンター』(1978)が遺作となる。

ダイアン・キートン/ケイ・アダムス・コルレオーネ役

ダイアン・キートン
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ,Rodin Eckenroth / WireImage / Getty Images

 マイケルの二番目の妻ケイ役のダイアン・キートンは現在76歳。『ゴッドファーザー』で注目されて以降、アカデミー主演女優賞を受賞した『アニー・ホール』(1977)、メル・ギブソン共演の『燃えつきるまで』(1984)、スティーヴ・マーティン共演の『花嫁のパパ』(1991)、ジャック・ニコルソン共演の『恋愛適齢期』(2003)、モーガン・フリーマン共演の『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(2014)など、常に第一線で活躍している。今後もゴールディ・ホーン、ベット・ミドラーと共演する『ファミリー・ジュエルズ(原題) / Family Jewels』などが待機中。プライベートでは、ウディ・アレンウォーレン・ベイティ、ジャック・ニコルソン、アル・パチーノらとの交際が知られているが、結婚歴はなく、養子が2人いる。

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ロバート・デュヴァル/トム・ヘイゲン役

ロバート・デュヴァル
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ,Michael Brochstein / SOPA Images/LightRocket via Getty Images

 コルレオーネ家に養子として入った弁護士トム役のロバート・デュヴァルは、現在91歳。グレゴリー・ペック主演の名作『アラバマ物語』(1962)で映画デビュー。『地獄の黙示録』(1979)、『シビル・アクション』(1999)、『ジョンQ-最後の決断-』(2002)、『アウトロー』(2012)など、数々の話題作に出演し、名バイプレイヤーぶりを発揮している。現在までに7度アカデミー賞のノミネート経験があり、『テンダー・マーシー』(1982)で主演男優賞を受賞した。ちなみに、『ゴッドファーザー』では、同作のアル、ジェームズと一緒に助演男優賞にノミネートされた。いまだ現役を貫いており、エド・ハリス監督の『ザ・プラウメン (原題) / The Ploughmen』などが控えている。

ロバート・デ・ニーロ/若き日のドン・ビト・コルレオーネ役

ロバート・デ・ニーロ
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ,Mike Marsland / WireImage / Getty Images

 若き日のドン・ビト・コルレオーネ役のロバート・デ・ニーロは、現在78歳。当初はソニー役とマイケル役のオーディションを受けたが役はもらえず、『ゴッドファーザーPART II』で若き日のビトに抜てきされ、アカデミー賞助演男優賞を受賞した。その後の活躍は目覚ましく、『タクシードライバー』(1976)、『ディア・ハンター』(1978)、アカデミー賞主演男優賞を受賞した『レイジング・ブル』(1980)、『アンタッチャブル』(1987)、『レナードの朝』(1990)など名作ぞろい。骨太な作品でスゴ味を利かせる一方、『アナライズ・ミー』(1999)、『ミート・ザ・ペアレンツ』(2000)などのコメディー作品では全力でコメディアンぶりを発揮している。今後はクリスチャン・ベイル主演の『アムステルダム(原題) / Amsterdam』、マーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題) / Killers of the Flower Moon』などが待機中。

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アンディ・ガルシア/ビンセント役

アンディ・ガルシア
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ,Steve Granitz / WireImage / Getty Images

 長男ソニーの愛人の子で、マイケルの甥にあたるビンセント役のアンディ・ガルシアは、現在66歳。『アンタッチャブル』(1987)にストーン役で出演し、有名な大階段のシーンを演じ一躍注目を浴びる。マイケル・ダグラス主演の『ブラック・レイン』(1989)で、高倉健松田優作らと共演。『ゴッドファーザー PART III』(1990)では、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。俳優業のほかに、プロデューサー、監督、脚本家、作曲家としてマルチに活躍している。プライベートでは、1982年に結婚した妻マリーヴィ・ロリードとおしどり夫婦として有名で、4人の子どもがいる。

ソフィア・コッポラ/メアリー・コルレオーネ役

ソフィア・コッポラ
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ,Lionel Hahn / Getty Images

 マイケルの一人娘メアリー役のソフィア・コッポラは、現在51歳。3部作を手掛けたフランシス・フォード・コッポラ監督の愛娘で、当初予定されていたウィノナ・ライダーの代役として『ゴッドファーザーPART III』に出演した。『ヴァージン・スーサイズ』(1999)で長編映画監督デビューし、日本を舞台にしたビル・マーレイ主演の『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)で、アカデミー賞脚本賞を受賞。その後、『SOMEWHERE』(2010)がベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝くなど、押しも押されもせぬ名監督となった。プライベートでは1999年にスパイク・ジョーンズ監督と結婚し、2003年に離婚。現在はミュージシャンのトーマス・マーズと結婚し、2児の母となった。

 このほかにも、頼れる幹部クレメンザ役のリチャード・カステラーノ、麻薬商人ソロッツォ役のアル・レッティエリ、裏の顔を持つ幹部テシオ役のエイブ・ヴィゴダなど、強面の名優たちが作品を彩った。彼らを含め、多くのキャストたちがすでにこの世を去っているが、劇場公開から半世紀経った今でも名作として人々の記憶に刻まれ、作品の中で永遠に生き続けている。

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