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『オーシャンズ11』サテライト会見

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモ ン、アンディ・ガルシア……。きら星のごとき超豪華キャストの競演と、昨年『トラ フィック』でアカデミー最優秀監督賞を受賞し、今ハリウッドで最高に輝いているス ティーヴン・ソダーバーグの最新作。全米では記録的なヒットを飛ばしている『オー シャンズ11』が、日本でもいよいよ公開される。そんな中、ブラッド・ピットがイギ リスのロンドン、ジョージ・クルーニーはカナダのモントリオールから衛星記者会見 に臨んだ。最初に登場したピットがクルーニーを茶化した発言でさんざん会場を沸か したが、ピットの後を引き継いだクルーニーはそのピットをしのぐ毒舌ジョークを連 発。会場は爆笑の渦となった。
都内・帝国ホテル          

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オーシャンズ11
2月2日 (丸の内ルーブル他、全国松竹・東急系)
配給:ワーナー・ブラザース映画

超豪華キャストで贈るスティーブン・ソダーバーグ監督最新作。「エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」とヒットを飛ばしたソダーバーグ監督が、ラスベガスのカジノを舞台にまたもやエキサイティングな作品を撮った。犯罪チームのリーダー格、オーシャン役にジョージ・クルーニー、相棒にブラッド・ピット、マット・デイモン、オーシャンの元妻にジュリア・ロバーツと主役級スターが勢揃い。彼らの調和がとれた絡み合いを楽しもう。

ブラッド・ピット(以下B):ぼくはロンドンにいるよ。ロンドンを楽しんでる。とはいえ、遊びじゃなくて、ロンドンには秋から始まる仕事のために来てるんだ。


Q:そちらは深夜の12時ですね?


B:ああ、ちょっとボンヤリしてるな。まあ、元々ボンヤリしてるけどね(笑)。それにしても衛星を使って記者会見ができるなんて、テクノロジーってのは凄いな。


Q:ジョージ・クルーニーさんからこの作品に出てくれと頼まれたそうですが、どんな風に口説かれたんですか?


B:監督のスティーヴンとジョージから話を聞いたんだ。1940年から50年代の香りのする映画を作るって聞いて、興味を持った。それに、ジョージも最近年をとっちゃってさ。仕事が来ないらしいから、仕事をあげないと困るだろうと思って出演する事にしたんだ(笑)。[注:もちろんこれはジョークです]


Q:撮影現場はとても楽しそうでね。何かエピソードを教えてください。


B:ぼくは新婚なんだよ。だから、とってもイイ子にしてたんだ。悪い事は全てジョージがやってたな。だからその質問は、この後で登場するジョージに聞いてくれないか?


Q:ストーリーもファッションも全てがカッコイイ作品でした。ピットさんがファッションの上でこだわった事はなんですか?


B:この作品で衣装を担当したのは、『エリン・ブロコビッチ』でスティーヴンと組んだコスチューム・デザイナーのジェフリー・クアランドなんだ。やっぱり、カッコイイシャツにカッコイイジャケットを着るのは気持ちがイイもんだよ。特に、この作品のようなスタイリッシュな作品には絶対に必要だな。


Q:通常よりも少ないギャラでこの作品に出演したそうですが、なぜですか?


B:まず、スティーヴン・ソダーバーグ監督作品だからね。今、ハリウッドで最高の監督の一人だよ。どんな俳優だって、彼の仕事を断る事はしないだろうな。それと共演者たちが楽しかったからね。ジュリア(ロバーツ)ともまた共演できるし。これだけの共演者が揃って、たくさんの人を楽しませるための映画を作ろうとしていたんだからね。絶対に断れない作品だったよ。


Q:奥さんのジェニファー・アニストンさんは、この作品を観てなんと言っていましたか?


B:もちろん、ジェニファーは気に入ってたよ。彼女だけじゃなくて、家族や友人たちもみんな楽しんでくれてたよ。それにしてもジェニファーはぼくを愛してるんだから、彼女がそう言うのは当然だろ(笑)。


Q:俳優としてはもちろん、一人の男性としても人気を集めていますが、その魅力の源泉はなんだと自分では考えていますか?


B:ありがとう。(と言ってから、困ってしばらく考え込んでいる)そうだな。役者としては幅があるからかな? 色々な役をやってるからね。ウーン、男性としてかぁ、ウーン……。困ったな、それはとっても難しい質問だよ。でも、まあいつもオープンな態度で人に接してるからって事かな?


Q:ソダーバーグ監督が他の監督より優れているところはどこですか?


B:スペシャルなクオリティを持った監督だね。なにしろ、彼は自分でカメラを持って撮影しちゃうんだから凄いよ。それと、ありきたりな手法でシーンを作らない。ありきたりな手法を使う時は、意図的なんだ。つまりジョークのネタにしてるんだ。素晴らしい才能だよ。それとぼくは驚かされたんだけど、彼はスタッフとキャストを完全に信頼してくれるんだ。普通の監督は自分で画面を設定して、その中で俳優を動かそうとする。だけどスティーヴンは、俳優に好き勝手に動き回らせておくんだ。そして俳優たちの動きを見ながら、シーンを構成していく。こういう手法は、スタッフやキャストを信頼しているからこそできるんだと思う。とても珍しい手法だと思うよ。だけど、なによりスティーヴンはそれをまとめる自信があるから、こんな手法で撮影できるんだろうね。とにかく最高のストーリー・テラーだと思うよ。


Q:複雑で精巧に構築されたストーリーなのですが、その中の登場人物を演じるにあたってどんな役作りをなさいましたか?


B:撮影前にスティーヴンと話し合った時に、登場するキャラクターたちが語り合う時に、馴れ馴れしい態度で接するのはやめようと言っていたんだ。ドライなユーモアのやりとりだけで見せようって事になった。一番重要なキャラクター作りなんだけど、それは会話するリズムで作られていくものなんだ。セリフはリズムが重要なんだよ。そのリズムでこの作品を動かして行こうって思ってた。この映画の脚本にはいいセリフが書き込まれていたから、リズムが良かったね。それとね。ジョージはアメリカでは人気がないんだ。女っぽいって評判だからね。だけどこの作品のお蔭で彼は男らしい事を証明したと思うんだ。[注:ジョークです]


Q:今かぶっているキャップは、ニューヨークの消防署のものですね。何かメッセージがありますか?


B:いや、これは、もうこっちは深夜だから髪がベタベタしているのを隠すためにかぶってるんだ(笑)。いや、冗談だよ。9月11日のニューヨークの悲劇であの現場で活躍したり、亡くなったりした消防署の人々がいる。あの事件は、ぼくの心に重くのしかかってるんだ。あの事件をいつまでも忘れないってために、このキャップをかぶっているよ。


Q:来日する予定はありますか?


B:今ダーレン・アロノフスキー監督と撮影している“The Last Man”という作品が出来上がったら、必ず日本に行くよ!


Q:どんな作品ですか?


B:簡単に説明するのがとっても難しい作品なんだ。とにかく大胆でビューティフルな作品だから、楽しみしていてよ。


Q:名監督のカール・ライナーやヴェテラン俳優エリオット・グールドといった映画人と共演していかがでしたか?


B:ぼくたちのような若造俳優が、現場でギャーギャー騒いでる印象を受けているかもしれないけど違うんだ。一番現場を楽しんでふざけていたのは、カール・ライナーだったんだ。彼は皆を笑わせてばかりいるから、彼の周りにいつもスタッフがたむろしていているんだ。彼らと仕事ができた事は最高の経験だったね。ところで今のが最後の質問なの? この衛星中継って素晴らしいからもっと続けようよ。ああ、そうだ。ジョージが待ってるんだったね。皆さんジョージには優しくしてやってくださいね。彼はカツラなんだけどその事には触れないでやってね(笑)。[注:もちろんジョークです]

Q:ではお言葉に甘えてもう一つ質問です。もしもう一度この映画を撮り直すとしたら、色々あるキャラクターの中でどの役をやりたいですか?


B:そうだな、ジュリア(ロバーツ)の役かな(笑)。いや、やっぱり自分が演じたラスティがいいね。


司会:ブラッド・ピットさんどうもありがとうございました。


B:こちらこそありがとう。バーイ。


司会:ではモントリオールのジョージ・クルーニーさん、お待たせしました。


ジョージ・クルーニー(以下G):ブラッドを先にやってくれて良かったよ。アイツは夜中になると飲んだくれてしまうっていう癖があるからね。早めで良かったよ。[注:ジョークです。多分]


司会:東京と大阪に中継していますよ。


G:ああ、東京も大阪も行った事があるよ(と手を振る)。


Q:ブラッド・ピットさんに撮影現場での悪ふざけの話しはクルーニーさんから聞くようにと言われていますが、何かありますか?


G:ああ、色々やったけど……。では、私とマット・デイモンがブラッドにやったイタズラを教えよう。皆さんご承知のように、ブラッドは私とマットよりかなり背が低いチビなんだ。だから撮影中に、彼は背を高く見せるため箱の上に乗るんだ。ある時私とマットは、その箱を小さいものにすり替えておいた。そしたらブラッドはカンカンに怒ってね。[注:全部ジョークです]

Q:撮影現場で良いアイデアをお出しになると聞いています。この作品でも金庫を爆破しようとするシーンでクルーニーさんのアイデアが入っているそうですが、どんな事ですか?


G:(口を動かしているが言葉が聞こえて来ない。しばらく会場は呆気に取られるが大爆笑となった)衛星中継って時々こうなるだろ(笑)? あの金庫のシーンだね。私が出した一番のアイデアは、ジェフリー・クアランドの衣装の事なんだ。当初袖なしのベストを素肌に着るって事になってたんだ。だけど、それじゃあチッペンデール(注:男性ストリップ)のダンサーみたいだろ? だから、そのベストの下に黒いTシャツを着るように提案したんだ。お蔭で私たちは間抜けに見えなくなったんだから、あれが最高のアイデアだろうな。(注:多分全部嘘っぱちです)


Q:ジュリア・ロバーツさんとは初共演ですね。紅一点のアカデミー女優とのお仕事はいかがでしたか?


G:楽しかったけど、ジュリアは撮影中でもなんでもオスカー像を手離さないんだ。それで、それをブンブン振り回すもんだから演技がしにくかったね。それと彼女は撮影の合間に、やたらと私のトレーラーハウスにやってくるんだ。それで「ラブシーンのリハーサルをしましょうよ」って言ってね。私が「だけどラブシーンなんて、この作品にはないじゃないか」と言ったんだけど、「でもやりたいの」と言うので仕方なく随分とラブシーンのリハーサルをしたよ。[注:嘘です。多分]


司会:日本はまだ朝の9時なのよ!


G:(会心の笑顔で)知ってるよ!


Q:マジメに答えてもらえそうな質問をします。良い脚本がないと良い映画はできません。だけど良い脚本があっても、必ず良い映画になるとは限りません。この作品はどの段階で良い映画になると確信したでしょうか?

G:(マジメな顔を作って)スティーヴンと私は、パートナーで一緒の製作会社を作ってるんだ。そこにワーナーから脚本が送られて来たんだ。凄く良く書けた脚本でね。その場でスティーヴンは自分が監督したいって言ったんだ。彼のような監督がやりたいって思ったんだから、その時点で良い映画になるって確信したよ(そう言い終わると、カツラの位置を慌てて直すように髪を手で動かして見せる)。


司会:ブラッドがあなたの髪はカツラだって言ってましたよ。


G:ああ、聞いてたよ!


Q:撮影現場ではこのノリで楽しかったようですね。現場でよく聞いた曲や唄った曲はなんですか?


G:私は音痴なので、危険だからセットで歌ってはいけないって言われてたんだ。ハミングする事さえも禁止さ。[注:ジョークに違いありません]


Q:『オーシャンズ11』のサントラがグラミー賞にノミネートされてますね。おめでとうございます。


G:私が唄ってるワケじゃないし、アルバムには関与していないから、お礼を言うわけにはいかないね。


Q:フランク・シナトラやディーン・マーチン、サミー・デイビス・ジュニアなどのいわゆるシナトラ一家の『オーシャンと十一人の仲間』のリメイクですが、彼らがそうしたように同じメンバーで彼らシナトラ一家の作品をリメイクする予定はありますか? ちなみに私は個人的には“Robin and 7 Hoods”(注:邦題『七人の愚連隊』)が好きなんですが。


G:これは私の個人的な見解なんだけど、デキの悪い作品はリメイクに向いてるって事なんだよ。フランク・シナトラにディーン・マーチン、サミー・デイビス・ジュニアといった凄いメンバーがやっても、あのオリジナルの『オーシャンと十一人の仲間』はあまりカッコ良くなかったからね。だからリメイクする意味があったんだ。でも“Robin and 7 Hoods”は素晴らしい作品なのでリメイクには向かない。同じロビンがついたタイトルの作品なら、私が出演した『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』の方がリメイクにもってこいなんじゃないかな?


Q:だとしたらロビン役は誰がやるのがいいかしら?


G:そりゃあ、ブラッドだよ(背が低いアイツだよ、と手振りで)。

Q:キャスティングに関与されたと聞きましたが、あれだけのキャストを集める秘訣は?


G:スティーヴン・ソダーバーグの監督作品だということが全てだよ。その名前だけで自然と集まってくるよ。彼のお蔭で、私とスティーヴンが企画の初期に考えたベストの俳優が全員集まったんだ。ブラッド、ジュリア、カール・ライナー、エリオット・グールドなんかがね。


Q:口ヒゲは次回作のためですか? どんな役をやるんですか?


G:ああ、ゲイのロデオ野郎を演じるんだ。[注:これも嘘です]


Q:ブラッド・ピットさんとクルーニーさんだったら、どちらが女性にモテると思いますか?


G:私はブラッドを好きになったけど、彼は皆が考えているよりもの凄く年を取ってるんだよ。そばで良く見るとシワだらけなんだ。でもね、イタリアに二人で行った時、イタリア女性はブラッドに殺到しちゃってたな。私なんか、まるで彼のボディガード扱いなんだよ。彼女たちは、私を踏みつけにして無視したんだぜ。これは本当の話しです。[注:ほぼデタラメ。イタリアでクルーニーがそれほど人気がなかったのは事実。]


Q:「セリフはリズム」だとブラッド・ピットさんが言っていましたが、セリフの語り方にどんな風に注意しましたか?

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G:気の合った仲間とセリフのやりとりをすると、1テイクで決まってしまうんだ。だからこの作品も、イイ間の取り方ができてスムーズだったな。普通、これだけ有名な俳優が出ていると自分が画面の中心になろうとするものなんだが、この作品では皆が仲間意識があって相手に譲ろうとしてたんだ。この作品では、いろんな事がうまく行ってたね。


Q:最近お気に入りの曲は?

G:スティングだな。それとハウス・オブ・ペインにラジオヘッドかな。


Q:これからこの作品を観る日本の観客にメッセージを。


G:この映画を観てくれたら、ブラッドがあなたの家にディナーを作りに行きますよ。[注:来ません]


Q:この作品のように、泥棒になってみようと思ったりしませんでしたか?


G:私が出演した『ピースメーカー』を観てもらえば分かるように、犯罪っていうのは割に合わない職業なんだよ。だから、しばらくは俳優業に専念するよ。(手を挙げる質問者の数が少ないのを見て)いいかい? 質問がなくなっても、私はここをどかないからね。


Q:次回作でついに監督業に進出するそうですが、どんな作品ですか? それと、今後の俳優としてのお仕事も聞かせてください


G:今、ここモントリオールで撮影しているのが、私の監督作品なんだ。ジュリア・ロバーツとドリュー・バリモアが主演で、私も少し顔を出しているんだ。この作品は5月に仕上がる予定で、その後、アンドレイ・タルコフスキー監督の『惑星ソラリス』をスティーヴン・ソダーバーグが自ら脚色してリメイクする『ソラリス』に出演して、その後にはまた、コーエン兄弟との仕事が待ってるんだ。


司会:忙しいですね。


G:ああ、そうなんだ。だから日本に行けなかったんだよ。本当は日本でサケを飲みたかったんだけどね。大阪に行った時なんか最後はこうだったよ。(彼はテーブルに突っ伏して酔いつぶれたフリをしてみせる)

司会:ありがとうございました。


G:バーイ。

(佐野 晶)

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