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今週のクローズアップ /映画『デス・レース』を知ろう!

カルト古典映画『デス・レース2000年』を現代風にアレンジ、リメイクした映画『デス・レース』が29日に公開される。今週は『デス・レース2000年』を生み出したB級映画の父、ロジャー・コーマンを知るとともに、オリジナル版とリメイク版をご紹介!
B級映画の父、ロジャー・コーマン

 ハリウッドで100本以上もの映画を作りだし、10セントも損をしなかった男であり、ハリウッド映画を語る上で忘れてはならない存在のロジャー・コーマン。1926年に生まれ、ハリウッドに引っ越したことを契機に映画産業に潜り込み、さまざまなジャンルのB級映画を生み出した監督・脚本家・プロデューサーだ。


 ロジャーの特徴は流行を敏感に察知し、亜流作品を手当たり次第プロデュースするというところ。さらにそれらが本家をしのぎ、小さなブームを巻き起こすという点。映画『JAWS/ジョーズ』がはやれば映画『ピラニア』など動物パニックものを作り、映画『ジュラシック・パーク』がはやれば映画『恐竜カルノザウルス』などの恐竜ものを連発していくという商売魂を見せる。また若手を見抜く力を備えているのか、単に安い労働力で雇えるからか定かでないが、ジャック・ニコルソンデニス・ホッパーピーター・フォンダジョナサン・デミ監督、フランシス・フォード・コッポラ監督、ジェームズ・キャメロン監督などなど若かりしころのビックネームたちがロジャー・コーマン・プロのもとで修行を積んでいる。


 近年ではプロデュースばかりに力を入れているロジャーだが監督時代もタフな精神でさまざまなB級娯楽映画を手掛け、特にエドガー・アラン・ポーの小説をベースとした映画『アッシャー家の惨劇』『赤死病の仮面』は傑作ゴシックホラーと評価され、ロジャーお気に入りの俳優である主演のヴィンセント・プライスはティム・バートン監督らにリスペクトされている。またアメリカン・ニューシネマの金字塔的映画『イージー・ライダー』はロジャーが監督した映画『ワイルド・エンジェル』がヒントになっているというから面白い。その反面、先におどろおどろしいポスターを作って資金を集め、完成した映画はとんでもないシロモノだったというガックリ系作品も数多い。


 こういった功績(?)が映画関係者や世界中の映画ファンから愛され、ヴィム・ヴェンダース監督の映画『ことの次第』や映画『羊たちの沈黙』『フィラデルフィア』『アポロ13』『スクリーム3』など話題作へのゲスト出演も経験している。

 

ロジャー・コーマンとデニス・ホッパー
Kevin Winter / Getty Images

『デス・レース2000年』

 そんなロジャーが1975年に製作したのが映画『デス・レース2000年』だ。本業は役者のポール・バーテルが監督し、「エイドリア~ン!」と叫ぶ前のシルヴェスター・スタローンがなかなかの演技と存在感を爆発させているカルト映画である。また、現在は映画『シックス・センス』など、M・ナイト・シャマラン監督お気に入りの名カメラマン、タク・フジモトが撮影監督を務めるなど見どころはたくさん!


 時は2000年。独裁国家となったアメリカの娯楽は、5人のレーサーが奇抜な車で人間をひき殺しながらゴールを目指すアメリカ横断“デス・レース”。人をひき殺せばひき殺すほどポイントは上がり、テレビ中継されるレースの模様に国民は熱狂していた。かくしてレースはスタートするのだが、超人気レーサーであるフランケンシュタイン(デヴィッド・キャラダイン)の助手についた美女のアニー(シモーネ・グリフェス)は、デス・レース撲滅を企て、平和な世界を目指す革命軍のスパイであった。


 犠牲者が若ければ若いほどポイントが高いという設定など、倫理的にNGな設定が多々ある本作。看護婦が入院中の老人たちを道路に配置し、レース中の車にひかせる展開などは、いかなるホラー映画も太刀打ちできない衝撃的場面である。マンガの世界から飛び出してきたような車の数々もポイントで、ある意味映画『スピード・レーサー』の世界観に近いものがある。当時無名であったスタローンのギャラはすずめの涙程度。その後ビックスターになったわけだが、その成功を一番喜んだのはロジャーではないだろうか。なぜならばスタローンのブレイクにより、本作が話題に上ったからである。

 

映画『キル・ビル』でもお馴染み! デヴィッド・キャラダイン
Chad Buchanan / Getty Images

『デス・レース』

 人気格闘ゲームを実写化した映画『モータル・コンバット』でハリウッドに登場し、映画『バイオハザード』『エイリアンVS.プレデター』を大ヒットさせたポール・W・S・アンダーソン監督がカルト映画『デス・レース2000年』を大胆にアレンジ! 当初はトム・クルーズ主演で進められた本プロジェクトだが、トムがアンダーソン監督の脚本を気に入らず、降板。代わりに抜てきされたのが映画『トランスポーター』『アドレナリン』のジェイソン・ステイサムだ。もしトムが予定通り本作に起用されていたら、見た目は超一級作品になっていたに違いない。しかし、ジェイソンの登場で本来の姿であるB級に戻ったことは、ジャンル映画ファンにとってうれしい事件といえるだろう。


 アンダーソン監督の手により、ストーリーは大幅に変更。デス・レースという基本的設定は同じだが、低予算のオリジナルでは到底作りだすことのできなかったド派手なアクション・シーンや、ナイスボディーなオネエさんたちのあからさまな登場シーンなどは、B級らしさにあふれている。オリジナル版ではアメリカ横断のデス・レースであったが、本作では海に囲まれた巨大な刑務所を舞台に行われ、デス・レースが行われる刑務所の敷地は、現代によみがえったコロセウムのように描かれている。レース中のルールも工夫されており、地面のボタンを踏むと攻撃ができたり防御ができたりと、まるで人気ゲーム「マリオカート」シリーズのようである。また、オリジナル版でフランケンシュタインを演じたキャラダインがカメオ出演しているところにも注目だ!


 ちなみに映画以外のところでは、10月27日に本作の日本公開を記念して「第1回東京デス映画祭」が開催。ゲストとして12年ぶりに復活したバブルガム・ブラザーズが登場し、話題となった。映画『デスレース』特集 ~観ないとお尻ペンペン・デス!~ シネマトゥデイにて掲載中!

映画『デス・レース』より
(C) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

文・構成:シネマトゥデイ編集部

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