シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

第68回ベネチア国際映画祭 68th Venice International Film Festival August 31 - September 10, 2011

8月31日(現地時間)から、第68回ベネチア国際映画祭が開幕。世界の注目が集まるコンペティション部門には、日本から園子温監督の『ヒミズ』が選出された。イタリア、アメリカ映画が多い中、日本映画がどこまで健闘できるか注目。

ベネチア映画祭速報

金獅子賞ファウスト(原題)Faust

ロシア

アレクサンドル・ソクーロフ
ヨハネス・ツァイラー、ハンナ・シグラほか

ファウスト博士(ヨハネス・ツァイラー)は知性や能力を得ることを交換条件に悪魔に魂を売り渡す。

権力者の暗部をテーマにヒトラー(『モレク神』)、レーニン(『牡牛座 レーニンの肖像』)、そして昭和天皇(『太陽』)に焦点を合わせ、カンヌ、ベルリンの両映画祭で発表したアレクサンドル・ソクーロフ監督。そのシリーズ最終作の本作で、ヴェネチアに初ノミネート。オーストリアのテレビドラマ俳優ヨハネス・ツァイラーが主演に抜てきされ、ドイツの名女優ハンナ・シグラも出演する。4部作のフィナーレを華やかに飾れるか。

銀獅子賞人山人海(原題)Ren Shan Ren Hai

中国、香港

ツァイ・シャンチュン
Chen Jianbin、タオ・ホンほか

弟を殺された兄。警察が近隣の村にいる、ある男を犯人と断定したがその男は逃亡してしまう。復讐(ふくしゅう)のため、兄は犯人探しの旅にでる。

『胡同(フートン)のひまわり』『こころの湯』の脚本を手掛けたツァイ・シャンチュンが、長編映画2本目となる本作で見ごと銀獅子賞を受賞。実際の事件を基に映画化され、今回本映画祭でサプライズ上映となった。

優秀女優賞ア・シンプル・ライフ(英題)A Simple Life

香港

アン・ホイ
アンディ・ラウ、ディニー・イップほか

アー・タオは中国の泰山で生まれ、レオン家の家政婦として4世代60年間に渡って仕えてきた。この10年間は香港でロジャー(アンディ・ラウ)とともに暮らしてきたが、ある日仕事から帰ってきたロジャーが倒れたアー・タオを発見する。

ベルリン映画祭でジョセフィン・シャオに女優賞をもたらした『女人、四十。』のアン・ホイ監督が、本映画祭のコンペ部門に初登場。アン・ホイ監督作品で注目され、今や香港を代表するスターの一人となったアンディ・ラウが出演。ジョン・ウーウォン・カーウァイといった世界的巨匠に続き、香港の女性監督の第一人者としても本映画祭での受賞で一層の評価を高めたいところ。

優秀男優賞シェイム(原題)Shame

イギリス

スティーヴ・マックイーン
マイケル・ファスベンダーキャリー・マリガンほか

30代のブランドン(マイケル・ファスベンダー)は、自分の性的欲求をどうにもできない。わがままな妹(キャリー・マリガン)がブランドンのアパートに引っ越してきてからというもの、彼の欲求はコントロールできないほどに達していた。

現代アートの映像作家として注目され、長編監督デビュー作『ハンガー(原題)/ Hunger』で2008年のカンヌ映画祭カメラドールをはじめとする数々の映画賞を受賞したアフリカ系イギリス人のスティーヴ・マックイーン監督。2作目となる本作では、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマイケル・ファスベンダーと『17歳の肖像』のキャリー・マリガンという旬の俳優が共演。賞レースのダークホースとなるかも。

マルチェロ・マストロヤンニ賞『ヒミズ』Himizu

© 「ヒミズ」フィルムパートナーズ

日本

園子温
染谷将太二階堂ふみほか

平凡に生きることを切望する15歳の住田祐一(染谷将太)。そして、愛する人と守り守られ生きることを夢見る、同じ15歳の茶沢景子(二階堂ふみ)。そんな2人の日常は、ある事件により揺さぶられる。

『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『恋の罪』ですでに3大映画祭を経験している園子温監督だが、コンペ部門に選出されたのは今回が初! 「行け!稲中卓球部」古谷実が過酷な現実に向き合う中学生男子を描いた人気漫画で「ヒミズ」を映画化した作品で、園子温監督らしい容赦ない暴力描写へのヴェネチアの反応が気になるところ。金獅子賞を受賞した黒澤明監督や北野武監督のように、「世界の園子温」になれるか?

優秀技術賞ワザリング・ハイツ(原題)Wuthering Heights

イギリス

アンドレア・アーノルド
ジェイムズ・ホーソンカヤ・スコデラーリオほか

イングランド北部ヨークシャーの荒野に建つ、お屋敷で暮らすアーンショー(ポール・ヒルトン)。彼はリバプールの街で出会った孤児を連れ帰り、ヒースクリフ(ジェイムズ・ホーソン)と名付け、家族同然に育てる。そしてヒースクリフは夫妻の娘キャサリン(カヤ・スコデラーリオ)と仲良くなるが……。

『ワスプ(原題) / Wasp』で米アカデミー賞短編実写賞に輝き、長編監督デビュー作『レッド・ロード(原題)/ Red Road』でカンヌ映画祭審査員賞に選ばれた実力派女性監督アンドレア・アーノルド。今回、長編3作目にして、抜群の知名度を持つ題材、エミリー・ブロンテ著の不朽の名作を映像化。原作で「浅黒い肌」と表現されるヒースクリフ役に無名の若き黒人俳優を起用し注目を集めている。

優秀脚本賞アルプス(英題)Alps

ギリシャ

ヨルゴス・ランティモス
アリアーネ・ラベド、アッゲリキ・パポウリアほか

アルプス社が提供するサービスは風変わり。それは故人の家族、もしくは友人・同僚からの依頼を受け、看護師、救急救命士、体操選手とそのコーチといった人々を葬儀に参列させること。社の代表は、自称モンブランと名乗る救命士。誰もが彼に従うが、看護師だけは彼の指示を無視するのだった。

カンヌ映画祭ある視点部門に選ばれ、アカデミー賞外国語映画賞候補にもなった『ドッグトゥース(原題)/ Dogtooth』で世界的に注目を集めた映像作家が、同じトーンでありながら、よりダークで奇妙なテイストに仕上げたと断言する本作。同作にも出演していた女優アッゲリキ・パポウリアが重要な役割を担っている。長編4作目ながら製作・監督・脚本を兼務し、盤石体制で最高賞を目指す!

審査員特別賞テッラフェールマ(原題)Terraferma

イタリア、フランス

エマヌエーレ・クリアレーゼ
フィリッポ・プッチロ、ドナテッラ・フィノッキアーロほか

シチリア島で暮らしている漁師一家は戸惑っていた。観光客に感化され、島民の言動は変わっていく。なおかつ不法入国者や廃棄物まで島に上陸する始末。より良い生活を送りたい女性たち、モラルを守りたいと願う人々は重大な決断を迫られる。

シチリア出身の先祖をもつエマヌエーレ・クリアレーゼ監督は、映画『新世界』でシチリアから移民船でアメリカに渡る一族を描き、第63回の本映画祭で新人監督賞を受賞した。翌2007年は巨匠チャン・イーモウ監督が審査委員長を務めたコンペ部門の審査員を務めるなど、本映画祭とのつながりは密接。祖先を敬う姿勢と、島のありように警鐘を鳴らす題材は高く評価されるはずだ。

ジ・イデス・オブ・マーチ(原題)The Ides of March

アメリカ

ジョージ・クルーニー
ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニーほか

民主党の大統領予備選に立候補した、オハイオ州のマイク・モリス知事(ジョージ・クルーニー)に、あるスキャンダルが発生する。モリスの広報担当スティーブン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)をはじめとする参謀は、情報操作戦の渦中へと踏み込むが……。

ボー・ウィリモンの戯曲「ファラガット・ノース(原題) / Farragut North」を映像化した政治サスペンス。ジョージ・クルーニーが監督・共同脚色・出演を兼務し、選挙戦の裏側を描く。フィリップ・シーモア・ホフマンポール・ジアマッティといったひと癖ある演技派を配役し、本国ではすでに米・アカデミー賞候補と高評価を得ている。なお、製作総指揮はレオナルド・ディカプリオらが務めている。

テキサス・キリング・フィールド(原題)Texas Killing Fields

アメリカ

アミ・カナーン・マン
クロエ・グレース・モレッツサム・ワーシントンほか

続殺人鬼の犠牲者となった死体がテキサスの沼地で見つかった。地元の殺人課の刑事マイク(サム・ワーシントン)と、ニューヨークから異動してきた警官ブライアン(ジェフリー・ディーン・モーガン)が捜査に当たるが、犯人は彼らをあざ笑うかのように一歩先を行く。そして今度は地元の少女アン(クロエ・グレース・モレッツ)が行方不明になる。

16歳のとき、父マイケル・マン監督作のスタッフとしてキャリアをスタートし、『ヒート』ではセカンドユニットを任された、女流監督アミ・カナーン・マンがメガホンを取った犯罪スリラー。実際にテキサスで起きた連続殺人事件を基にしている。あのダニー・ボイル監督が見送った同企画をマイケル・マンの愛娘がいかに仕上げたか注目される。

ダーク・ホース(原題)Dark Horse

アメリカ

トッド・ソロンズ
ジョーダン・ゲルバー、セルマ・ブレアほか

おもちゃコレクターで、大人になりきれない30代の独身男エイブ(ジョーダン・ゲルバー)は、ミランダ(セルマ・ブレア)に恋をした。しかもミランダもエイブと同じく大人になりきれない30代の独身女だった。

『おわらない物語 アビバの場合』『ウェルカム・ドールハウス』を手掛けたトッド・ソロンズ監督の最新作。主人公には、無名の俳優ジョーダン・ゲルバー。トッド・ソロンズ作常連の女優セルマ・ブレア、それに主人公の両親を演じるのはベテランのクリストファー・ウォーケンミア・ファロー。ブラックユーモアを交えた人間模様を描く奇才監督との組み合わせに期待したい。

セデック・バレ(原題)Saideke Balai

中国、台湾

ウェイ・ダーション
マー・ジーシアン、ビビアン・スーほか

日本統治時代の台湾。日本政府の不当な扱いに反発した原住民のセデック族は武装蜂起した。日本軍は、これを武力によって鎮圧しようとする。

1930年代の台湾原住民による霧社(むしゃ)事件を描く歴史スペクタクル。本国では前後編の2部作で4時間超という長さだが、海外版は本作のプロデューサーであるジョン・ウーが編集し、2時間半の特別バージョンにした。売り文句は「台湾版アバター」。日本からは監督の大ヒット作となった『海角七号 君想う、国境の南』のヒロインを演じた田中千絵、そして安藤政信。またスタッフとして種田陽平がプロダクション・デザインで参加している。

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(原題)Tinker, Tailor, Soldier, Spy

イギリス、ドイツ

トーマス・アルフレッドソン
ゲイリー・オールドマントム・ハーディほか

1970年代、英国諜報部の中枢にロシアの二重スパイがいることが判明。元MI6諜報員ジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)は、再び諜報活動に呼び戻される。彼は長年の経験を生かして容疑者を絞り込むが、意外なことで任務は難航する。

英国の作家ジョン・ル・カレによる、スパイ小説の頂点を極めた「スマイリー3部作」の第1弾を映像化。ヴァンパイア映画『ぼくのエリ 200歳の少女』で国際的に知名度を上げた北欧出身の監督が、本作で初の英語劇に臨んだ。『インセプション』のトム・ハーディ、『英国王のスピーチ』コリン・ファースなど旬の面々が結集したことでも話題の一作。

アン・ネテ・ブリュラン(原題)Un ete brulant

フランス、イタリア、スイス

フィリップ・ガレル
モニカ・ベルッチルイ・ガレルほか

友人を介して知り合ったポール(ジェローム・ロバート)とフレデリック(ルイ・ガレル)。フレデリックは画家で、映画女優のアンジェラ(モニカ・ベルッチ)と暮らしていた。生活のために映画のエキストラをしているポールとその恋人エリザベス(セリーヌ・サレット)を、フレデリックはローマに招待する。

フランスのアート系映画の巨匠で、2005年には『恋人たちの失われた革命』で本映画祭の監督賞にあたる銀獅子賞を受賞したフィリップ・ガレル監督。「イタリアの宝石」ことモニカ・ベルッチをヒロインに迎え、愛や死、運命をめぐる男女の姿をつづっていく。監督の作品には3度目の出演となる息子ルイ・ガレルとベルッチの美しいカップルに、ヴェネチアは大いに盛り上がるだろう。

カルネージ(原題)Carnage

フランス、ドイツ、スペイン、ポーランド

ロマン・ポランスキー
ジョディ・フォスターケイト・ウィンスレットほか

ニューヨーク。11歳の子ども同士がケンカをしてケガをした。被害者の親は、相手の親に釈明を求めることに。ここは、対立よりも話し合いが優先されるべきなのだが……。

日本では今年「大人は、かく戦えり」のタイトルで公演された、フランスの劇作家ヤスミナ・レザのトニー賞受賞戯曲を、『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキー監督と実力派キャストで映画化。ポランスキー監督の本映画祭コンペ部門への参加は、長編監督デビュー作『水の中のナイフ』以来、何と約半世紀ぶりのこと。すでにカンヌ映画祭のパルムドールとベルリン映画祭の金熊賞は受賞済みで、今回の金獅子賞への期待も高まる。

チキン・ウィズ・プラムズ(英題)Chicken with Plums

フランス、ベルギー、ドイツ

マルジャン・サトラピヴァンサン・パロノー
マチュー・アマルリックジャメル・ドゥブーズほか

1958年のテヘラン。ナセル(マチュー・アマルリック)は有名な音楽家だったが、愛用の弦楽器タールが壊れてからというもの生きることに興味を失っていた。演奏する喜びを味わわせてくれるタールはほかになく、悲しみにくれるナセルはベッドの上で死を待ちながら遠い記憶へと導かれる。

カンヌ映画祭の審査員賞を受賞し、アカデミー賞長編アニメ部門にもノミネートされた『ペルセポリス』のマルジャン・サトラピとヴァンサン・パロノーの監督コンビによる待望の第2作目。今回は、サトラピのコミックを原作にアニメーションではなく実写に挑戦。マチュー・アマルリックやイザベラ・ロッセリーニなどの実力派キャストの共演に加え、サトラピ&パロノー監督の世界観やイスラム社会の死生観も見どころとなるはずだ。

4:44 ラスト・デイ・オン・アース(原題)4:44 Last Day on Earth

アメリカ

アベル・フェラーラ
ウィレム・デフォーナターシャ・リオンほか

高級アパートの部屋で、いつもと変わらぬ午後を過ごすカップル。しかし、この日は普段と違っていた。明日の午前4時44分、地球の終わりがやってくる。逃れる術(すべ)はない。皆と同じように彼らも、運命を受け入れるほかはないのだった。

『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』などのアベル・フェラーラ監督が、世界の終末を描く異色作がコンペ入り。ここしばらくはイタリアに滞在し、久々にニューヨークに戻ったフェラーラ監督。カルト界の鬼才とはいえ、『フューネラル』『マリー ~もうひとりのマリア~』などを評価した本映画祭とは好相性。今年の台風の目になりそうだ。

クアンド・ラ・ノッテ(原題)Quando la notte

イタリア

クリスチナ・コメンチーニ
クラウディア・パンドルフィ、フィリッポ・ ティーミほか

2歳の息子との休暇を過ごすために、田舎へやってきたマリーナ(クラウディア・パンドルフィ)は、アルペンのガイドである孤独な男マンフレッド(フィリッポ・ティーミ)と出会う。心に傷を持つ2人は、かつて感じたことのないほど強く激しく惹(ひ)かれ合うが……。

2005年の本映画祭コンペ選出作『心の中の獣』(イタリア映画祭2006でのタイトル)が、第78回米・アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされたクリスチナ・コメンチーニ監督。『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』でムッソリーニにふんしてシカゴ国際映画祭の主演俳優賞などを受賞した、イタリアの実力派若手俳優フィリッポ・ティーミがヒロインの相手役を務めることにも注目だ。

ア・デンジャラス・メソッド(原題)A Dangerous Method

ドイツ、カナダ

デヴィッド・クローネンバーグ
キーラ・ナイトレイヴィゴ・モーテンセンほか

ヒステリーに苦しむ若い娘ザビーナ(キーラ・ナイトレイ)は、精神科医ユング(マイケル・ファスベンダー)の治療を受ける。ザビーナは間もなくユングと禁断の関係になるが、ユングの師フロイト(ヴィゴ・モーテンセン)とザビーナが知り合ったことから彼らの関係が明らかとなり……。

ユングとフロイトという高名な精神分析医が巻き起こしたスキャンダラスな実話を、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イースタン・プロミス』のデヴィッド・クローネンバーグ監督&ヴィゴ・モーテンセンのコンビで映画化。キーラ・ナイトレイ、マイケル・ファスベンダーと豪華キャストが顔をそろえる問題作だけに、注目度は一、二を争う。意外にも本映画祭は初参加の監督だが、初参加初受賞の可能性もあるだろう。

ジ・エクスチェンジ(英題)The Exchange

イスラエル、ドイツ

エラン・コリリン
Rotem Keinan、Sharon Talほか

男がその時間に帰宅したのは、これが初めてだった。日光が降り注ぎ、冷蔵庫の音が聞こえる。男はその時間を家で過ごしながら、他人の家にいるように錯覚がした。一人きりの昼間の家は、空っぽで静かだった……。

長編監督デビュー作『迷子の警察音楽隊』が2007年のカンヌ映画祭ある視点部門で上映され、東京国際映画祭ではグランプリを受賞したイスラエルのエラン・コリリン監督。前作では異文化間の交流をユーモアと感動を交えて描いたが、2作目となる本作は、一人の男にまつわる話のよう。だがストーリーの詳細は明かされず、「ポエム・バージョン」を公開。前作が世界中の映画祭を席巻したことからも、注目度は高い。

ライフ・ウィズアウト・プリンシプル(英題)Life Without Principle

香港、中国

ジョニー・トー
ラウ・チンワン、デニス・ホーほか

金融アナリストの平凡な女、しがない殺し屋、きまじめな刑事の3人は、それぞれ人生の窮地に立たされている。すぐにも金を必要とする彼らの前に、500万ドルの盗難金が転がり込もうとしていた。彼らの決断とは?

香港の鬼才ジョニー・トー監督による、金融危機を背景に混乱した世界を描く犯罪サスペンス。トー監督作品常連のラウ・チンワンやリッチー・レンに加えて、人気歌手デニス・ホーが華を添える。2005年から2009年までカンヌ、ベルリン、ヴェネチアの世界3大映画祭コンペ部門に欠かさず選出されたトー監督だが、いまだ無冠。ジャンル映画への壁は厚いようだが、金獅子賞レースでの健闘が期待される。

キラー・ジョー(原題)Killer Joe

アメリカ

ウィリアム・フリードキン
マシュー・マコノヒーエミール・ハーシュほか

22歳の麻薬ディーラー、クリス(エミール・ハーシュ)は、殺し屋のジョー(マシュー・マコノヒー)に母親殺しを依頼する。前金で報酬が払えないクリスに、ジョーはクリスの妹ドティ(ジュノー・テンプル)と引き換えならばと条件を出す。

『フレンチ・コネクション』のウィリアム・フリードキン監督が4年ぶりの新作を発表。コンペ部門には初出品となる本作は、売り物の麻薬を母親に盗まれた青年が、保険金目当てに母殺しを計画するブラックコメディー。『BUG/バグ』同様に、ニューヨークのオフ・ブロードウェイで評判を呼んだトレイシー・レッツの戯曲をレッツ自身が脚色している。

ルルティモ・テレストレ(原題)L'ultimo terrestre

イタリア

ジャンニ・アルフォンソ・パチノッティ
ガブリエル・スピネッリ、アンナ・ベラートほか

経済危機に陥っているイタリア。そこで政府は異星人を迎え入れる声明を発表する。国民は異星人に職を奪われると危惧(きぐ)するものの、地球にやって来た異星人たちは男性至上主義の人間社会に幻滅する。

ジャコモ・モンティのグラフィックノベル「Nessuno mi fara del male(Nobody will hurt me)」(原題)に着想を得たSF映画。欧州圏では通称「ジピ」として有名な漫画家兼イラストレーターが独自の感性を生かして、本作で長編監督デビュー。中心人物のルカは父親の影響と幼いときに母親に捨てられたことが原因で女性嫌い。彼の視点で社会をとらえつつ、彼自身の変化を描くストーリー。

PAGE TOP
[PR]

この記事を共有する

関連情報
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク