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2021年 第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門21作品紹介

第78回ベネチア国際映画祭

公式ポスター
第78回ベネチア国際映画祭公式ポスター - Credits Lorenzo Mattotti - La Biennale di Venezia FOTO ASAC

9月1日~9月11日(現地時間)にイタリアで開催される第78回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門21作品を紹介(コンペティション外を除く)。今年の審査委員長は、昨年のアカデミー賞作品賞やカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したポン・ジュノ監督が務める。ラインナップには、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスによる新作やベネディクト・カンバーバッチキルステン・ダンストが共演するジェーン・カンピオン監督の最新作、クリステン・スチュワートがダイアナ妃を演じる注目作などがそろった。また日本からはオリゾンティ部門に湯浅政明監督アニメーション映画『犬王』が選ばれた。本年度の金獅子賞の行方に注目したい。(文:岩永めぐみ/平野敦子/本間綾香)

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<金獅子賞(最優秀作品賞)>『レ・エベンモン(原題) / L’Evenement』

レ・エベンモン

製作国:フランス
監督:オードレイ・ディヴァン
キャスト:アナマリア・ヴァルトロメイ、[ケイシー・モッテ・クライン

【ストーリー】
1963年のフランス。前途有望な学生のアンヌは妊娠し、学問を続ける機会を失いそうになる。最終試験の日が近づくにつれ、お腹はみるみる膨らんでいく。アンヌは恥辱と痛み、投獄されることを覚悟の上で、行動を起こそうと決める。

【ここに注目】
シンプルな情熱』の原作者アニー・エルノーの自伝的小説「事件」を映画化したドラマ。当時は違法だった中絶を決意した若い女性の葛藤にフォーカスする。監督のオードレイ・ディヴァンは本作が監督2作目で、脚本家として『ナチス第三の男』『フレンチ・コネクション -史上最強の麻薬戦争-』などでキャリアを積んできた。出演は『ヴィオレッタ』などのアナマリア・ヴァルトロメイ、『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』で第52回本映画祭最優秀女優賞を受賞しているサンドリーヌ・ボネールら。

<銀獅子賞(最優秀監督賞)>ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

パワー・オブ・ザ・ドッグ

製作国:ニュージーランド、オーストラリア
監督:ジェーン・カンピオン
キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ、キルステン・ダンスト

【ストーリー】
米モンタナ州で大牧場を経営する裕福なフィル&ジョージ・バーバンク兄弟。洗練され知的だが冷酷なフィルは、真面目で優しい弟ジョージが未亡人のローズと極秘結婚したと知り、ローズの息子を利用して残忍な仕打ちを試みる。

【ここに注目】
ピアノ・レッスン』『ある貴婦人の肖像』のジェーン・カンピオン監督が、1967年に刊行されたトマス・サヴェージの同名小説を自らの脚本で映画化。ベネディクト・カンバーバッチとジェシー・プレモンスがフィル&ジョージ兄弟を演じ、未亡人ローズをプレモンスの私生活のパートナーであるキルステン・ダンストが演じている。『ファントム・スレッド』『ザ・マスター』などポール・トーマス・アンダーソン監督作で知られるジョニー・グリーンウッドが音楽を担当。

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<銀獅子賞(審査員大賞)><マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)>フィリッポ・スコッティ『Hand of God -神の手が触れた日-』

ザ・ハンド・オブ・ゴッド

製作国:イタリア
監督:パオロ・ソレンティーノ
キャスト:フィリッポ・スコッティトニ・セルヴィッロ

【ストーリー】
1980年代、ナポリで暮らす17歳のファビエットは、サッカーをこよなく愛していた。スター選手のディエゴ・マラドーナ選手がSSCナポリに移籍してきた時、ファビエットに思わぬチャンスがめぐってくる。だが、彼は喜びと同時に苦しみも味わうことになり、混乱の中で自らの将来についての選択を迫られる。

【ここに注目】
第86回アカデミー賞外国語映画賞に輝いた『グレート・ビューティー/追憶のローマ』のパオロ・ソレンティーノ監督による青春ドラマ。監督の故郷である1980年代のナポリを背景に、個人的体験も交えてある若者の成長と挫折を描き出す。『イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-』が第61回カンヌ国際映画祭審査員賞、『きっと ここが帰る場所』が第64回カンヌ国際映画祭エキュメニカル審査員賞を受賞した名匠が、今回ベネチアで勝負に出る。

<最優秀男優賞>ジョン・アルシラ『オン・ザ・ジョブ:ザ・ミッシング8(原題) / On The Job: The Missing 8』

オン・ザ・ジョブ:ザ・ミッシング8

製作国:フィリピン
監督:エリック・マッティ
キャスト:ジョン・アルシラデニース・トリロ

【ストーリー】
謎の失踪を遂げた同僚を探すジャーナリストのシソイと、暗殺計画のため一時的に解放された囚人ローマン。ついに行方不明者は8人にのぼり、シソイとローマンはある有力政治家に疑惑の目を向けるようになる。

【ここに注目】
服役中の囚人に暗殺を依頼するという衝撃的な実話を基にした『牢獄処刑人』の続編となるクライムアクション。前作に引き続きフィリピンのヒットメーカー、エリック・マッティが監督し、ミチコ・ヤマモトと共同脚本を務めた。ジャーナリスト役をジョン・アルシラ、囚人役をデニス・トリロが演じる本作は、実在の歴史的映像や写真、モーショングラフィックスを織り交ぜた208分の力作に仕上がっている。

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<最優秀女優賞>ペネロペ・クルス『マドレス・パラレラス(原題) / Madres Paralelas』

マドレス・パラレラス

製作国:スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
キャスト:ペネロペ・クルス、イスラエル・エレハルデ

【ストーリー】
共に独身シングルのジャニスとアナはどちらも予期せぬ妊娠をし、出産のために入った病院で同室になる。中年のジャニスは妊娠を喜び、出産まではゆったりとして過ごしていたが、まだ若いアナは出産を恐れ、トラウマを抱えておびえていた。ジャニスはそんなアナを励まそうとし、次第に2人は強い絆で結ばれていく。

【ここに注目】
オール・アバウト・マイ・マザー』『ボルベール <帰郷> 』などの黄金コンビ、ペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスによる女性賛歌。年代の違う2人の妊婦の出会いによって、互いの人生が大きく変化していく様を描き出す。『オール・アバウト・マイ・マザー』で第72回アカデミー賞外国語映画賞に輝き、第45回の本映画祭では『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で脚本賞を受賞したスペインの巨匠は、最高賞の金獅子賞に手が届く場所にいる。

<最優秀脚本賞>マギー・ギレンホール監督『ザ・ロスト・ドーター(原題) / The Lost Daughter』

ザ・ロスト・ドーター

製作国:ギリシャ、アメリカ、イギリス、イスラエル
監督:マギー・ギレンホール
キャスト:オリヴィア・コールマン]、ジェシー・バックリー

【ストーリー】
離婚した中年の大学教授レダは、海辺の町で休暇を満喫していた。しかし、若い女性ニナとその娘に出合い、二人の関係に惹かれていく。そのニナの存在により、レダは自分の過去の選択が元夫や子どもたちに及ぼした影響を改めて考えることになる。

【ここに注目】
女優マギー・ギレンホールの長編監督デビュー作で、イタリアの作家エレナ・フェッランテのベストセラー小説を基にギレンホール自身が脚本を執筆した。レダ役を演じるのは、『女王陛下のお気に入り』で第91回アカデミー賞主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマン。また、ニナ役を『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』『サスペリア』のダコタ・ジョンソンが演じている。共演は、ギレンホールの夫のピーター・サースガードとジェシー・バックリーほか。

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<審査員特別賞>『イル・ブコ(原題) / Il Buco』

イル・ブコ

製作国:イタリア、フランス、ドイツ
監督:ミケランジェロ・フランマルティーノ
キャスト:ニコラ・ランザアントニオ・ランザ

【ストーリー】
ピエモンテ洞穴学グループの若きメンバーたちは、すでに北イタリアのすべての洞窟の調査と探索を終えていた。1961年8月、彼らはもともと予定していた探索コースを急きょ変更し、南へと向かう。その変更により、彼らは思いがけず人類未踏の洞窟に足を踏み入れることになる。

【ここに注目】
プロデューサーや脚本家としても活動する『四つのいのち』などのミケランジェロ・フランマルティーノ監督が手掛けたヒューマンドラマ。1961年にカラブリア州とバジリカータ州にまたがる山岳地帯で、地球の奥深くの暗闇に降り、世界で2番目に深い洞窟を発見した勇気ある若者たちの姿を映し出す。『四つのいのち』が第63回カンヌ国際映画祭をはじめ世界各地の国際映画祭で高い評価を受けた気鋭の監督が、自国の映画祭で最高賞の金獅子賞を狙う。

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