2019年 第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門21作品紹介

第76回ベネチア国際映画祭

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VENEZIA 76 - Manifesto
Lorenzo Mattotti per La Biennale di Venezia

 8月28日~9月7日(現地時間)に開催される第76回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門21作品を紹介(コンペティション外を除く)。今年の審査委員長は、アルゼンチン出身の女性監督ルクレシア・マルテル。映画祭のオープニングを飾るのは、日本が世界に誇る監督是枝裕和の新作! 日本でも公開が控えているブラッド・ピット主演作やジョーカー誕生を描いた話題作、時代を盛り込んだ骨太な作品まで、バラエティーに富んだジャンルの作品が揃った。さらに、昨年『ROMA/ローマ』で金獅子賞を手にしたNetflixからは豪華キャストが共演する2作品が選出。本年度の金獅子賞は誰の手に? (文:岩永めぐみ/平野敦子/本間綾香/編集部 岡本 むつみ)

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<金獅子賞(最優秀作品賞)>『ジョーカー』

製作国:アメリカ
監督:トッド・フィリップス
キャスト:ホアキン・フェニックスロバート・デ・ニーロ

【ストーリー】
バットマンの宿敵であるジョーカーの誕生を描く物語。大都会ゴッサムシティで、精神の病を抱えながら大道芸人として生計を立てる孤独な男アーサー・フレックが、次第に悪へと転落し、狂気に満ちた道化師となっていく。

【ここに注目】
ザ・マスター』(2012)でベネチア国際映画祭男優賞を受賞し、徹底した役づくりで知られるホアキン・フェニックスがDCコミックスの悪役ジョーカーに扮した話題作。『ハングオーバー』シリーズのトッド・フィリップスが監督し、オスカー俳優ロバート・デ・ニーロが共演。過去にジョーカーを演じてきたジャック・ニコルソンヒース・レジャージャレッド・レトーに続く、実力派フェニックスの怪演ぶりに注目が集まる。

<銀獅子賞(最優秀監督賞)>ロイ・アンダーソン監督『アバウト・エンドレス(英題) / ABOUT ENDLESSNESS』 

ABOUT ENDLESSNESS
(C) 2019 Roy Andersson Film Production

製作国:スウェーデン、 ドイツ、 ノルウェー
監督:ロイ・アンダーソン
キャスト:ジェーン・エーゲ・ファーリンマーティン・サーナー

【ストーリー】
戦争で荒廃したケルンの街を空から眺めるカップル、雨の中、娘の靴紐を結ぶために立ち止まる父、カフェの外で踊るティーンエイジャー、収容所に向かう敗北した軍隊。アラビアンナイトの語り手のような優しい女性のナレーションによって紡がれる賛美と嘆きの物語。

【ここに注目】
散歩する惑星』(2000)が第53回カンヌ国際映画祭審査員賞をはじめ、さまざまな映画祭で賞賛されたスウェーデンの鬼才ロイ・アンダーソン監督最新作。「アラジンと魔法のランプ」や「シンドバッドの冒険」などで知られる「千夜一夜物語」をベースに、人生の美しさと残酷さ、その素晴らしさと陳腐さを物語に反映させた。『散歩する惑星』『愛おしき隣人』(2007)と共に人間を題材にした3部作「リビング・トリロジー」の中の1本『さよなら、人類』(2014)が、第71回ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した巨匠の勝利への道は近い。

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<審査員大賞>『ジャキューズ(原題) / J’ACCUSE』

J’ACCUSE

製作国:フランス、イタリア
監督:ロマン・ポランスキー
キャスト:ジャン・デュジャルダンルイ・ガレル

【ストーリー】
1895年、将来有望なユダヤ人将校、アルフレド・ドレフュス大尉がスパイの罪で終身刑となり、デビルズ島に収監される。しかし、対敵情報活動を指揮するジョルジュ・ピカール大佐は、情報がドイツに漏れ続けていることに気づく。策略と汚職の危険な迷宮に引きずり込まれたピカールは、名誉のみならず命まで脅かされていく。 

【ここに注目】
86歳になったロマン・ポランスキーが、フランスで実際に起きた冤罪事件「ドレフュス事件」を題材にした歴史スリラー。物語は事件の真犯人を突き止めたピカール大佐の視点で語られ、タイトルの「J’ACCUSE」は、作家のエミール・ゾラが本件を告発した公開状「私は弾劾する」が由来だ。ピカール大佐役にジャン・デュジャルダン、ドレフュス役にはルイ・ガレルなど、フランスを代表する豪華キャストが集結。カンヌ国際映画祭パルムドール、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したポランスキーが、残る金獅子賞を獲得するか注目だ。

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<最優秀男優賞>ルカ・マリネッリ『マーティン・イーデン(原題) / MARTIN EDEN』

製作国:イタリア、フランス
監督:ピエトロ・マルチェッロ
キャスト:ルカ・マリネッリジェシカ・クレシー

【ストーリー】
20世紀、イタリア・ナポリ。船乗りマーティン・イーデンは、ブルジョア階級の女性エレナと出会い、恋に落ちる。労働者階級の出自が障害になりながらも、若く、文化的にも洗練された彼女に見合う人間になるために作家になることを目指し、多大な努力を始める。

【ここに注目】
イタリア出身のピエトロ・マルチェッロ監督はドキュメンタリーや短編映画を手掛けたのち『失われた美』(2015)で長編劇映画デビュー、本作が2作目となる。原作はアメリカ人作家ジャック・ロンドンの自伝的小説で、20世紀初頭のアメリカ階級社会の中で、独学で自己向上を目指す青年の苦闘と、栄光と悲劇を綴ったストーリーを、映画では舞台をイタリアに置き換えた。共同脚本として、第69回ベルリン国際映画祭において『ピラニアズ(英題) / Piranhas』(未公開)で最優秀脚本賞を受賞したマルリツィオ・ブラウッチが参加している。

<最優秀女優賞>アリアンヌ・アスカリッド『グロリア・ムンディ(原題) / GLORIA MUNDI』

GLORIA MUNDI
(C) Diaphana Distribution

製作国:フランス、イタリア
監督:ロベール・ゲディギャン
キャスト:アリアンヌ・アスカリッドジャン=ピエール・ダルッサン

【ストーリー】
長年服役していたダニエルは刑期を終え、マルセイユに戻る。彼は、元妻のシルヴィーから娘のマチルダに子供が生まれたことを聞き、孫がいることを知っていた。それぞれの人生を送っていたある日、ダニエルに孫に会う機会が訪れ、家族が日々の生活に苦労していることを知る。失うもののないダニエルは、自分の家族を守ることを決意し……。

【ここに注目】
前作の『ザ・ハウス・バイ・ザ・シー(英題) / The House by the Sea』(2017)に続いて、2年ぶりにベネチア国際映画祭コンペ部門に選ばれたロベール・ゲディギャン監督。故郷マルセイユでの撮影、ジェラール・メラン、妻でもあるアリアンヌ・アスカリッド、ジャン=ピエール・ダルッサンといったゲディギャン作品の常連俳優が出演するなど、本作も変わらずゲディギャン監督のこだわりの詰まった作品のようだ。

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<最優秀脚本賞>ヨン・ファン監督『ナンバーセブン・チェリー・レーン(英題) / NO. 7 CHERRY LANE』

製作国:香港
監督:ヨン・ファン
声優:シルヴィア・チャンヴィッキー・チャオ

【ストーリー】
中国大陸が文化大革命一色に染まり、イギリスの植民地支配に対する大規模な反対運動が起こった1960年代の香港。イギリス文学を専攻する男子大学生は、ある少女の家庭教師をしていたが、いつの間にか彼女とその母親との三角関係に陥ってしまう。

【ここに注目】
『美少年の恋』(1998)などで知られるヨン・ファン監督10年ぶりの新作は、なんとアニメーション! 1960年代の香港を色鮮やかに描いた本作は、『ホワイト・バレット』(2016)、『レッド・クリフ』 2部作(2008・2009)などで知られる中国の人気女優ヴィッキー・チャオ、『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(2017)のダニエル・ウーら豪華キャストが声優を務める。コンペ作品中唯一のアニメ作品が、どこまで賞レースに食い込めるか注目だ。

<審査員特別賞>『ラ・マフィア・ノン・エ・ピュー・クエッラ・ディ・ウナ・ボルタ(原題) / LA MAFIA NON E PIU QUELLA DI UNA VOLTA』

製作国:イタリア
監督:フランコ・マレスコ
キャスト:レティツィア・バッタリアチッチョ・ミラ

【ストーリー】
マフィア撲滅に尽力を注いでいた判事2名が虐殺された事件から25年が経った2017年のシチリア島パレルモ。パレルモ出身の著名な写真家レティツィア・バッタリア、監督の前作で主演したチッチョ・ミラの目を通して、イタリアの反マフィア運動と現代のマフィアを描いたドキュメンタリー。

【ここに注目】
2014年のベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で『ベルルスコーネ:ア・シシリアン・ストーリー(英題) / Belluscone : A Sicilian Story』(2014)が審査員特別賞を受賞したフランコ・マレスコ監督。出演するレティツィア・バッタリアは世界的な女性写真家で、マフィアをテーマにした作品で知られる。彼女に関するいくつかのドキュメンタリーがあるほか、ヴィム・ヴェンダース監督の『パレルモ・シューティング』(2008)に出演している。

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<マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)>トビー・ウォレス『ベビーティース(原題) / BABYTEETH』

製作国:オーストラリア
監督:シャノン・マーフィー
キャスト:エリザ・スカンレントビー・ウォレス

【ストーリー】
重い病に冒されたティーンエイジャーのミラが恋をしたのは、ドラッグ中毒のディーラー。ミラの両親はこのことに頭を抱えるが、生きる希望を得たミラは、今までの道徳や固定概念にとらわれることなく、恐れずに人生を楽しむ姿を周囲の人々に見せていく。

【ここに注目】
オーストラリアの女優シャノン・マーフィーが、劇作家リタ・カルネジェイスの人気舞台をもとに長編初監督を務めたビタースウィートコメディー。『リトル・ウーメン(原題) / Little Women』(2019)にベス役で出演するエリザ・スカンレンがミラ役で主演。両親役を『キャプテン・マーベル』(2019)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)のベン・メンデルソーン、『アサシン クリード』(2016)のエッシー・デイヴィスが演じている。

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