2017年 第74回ベネチア国際映画祭コンペティション部門21作品紹介

第74回ベネチア国際映画祭

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8月30日~9月9日(現地時間)に開催される第74回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門21作品を紹介(コンペティション外を除く)。今年の審査委員長は、映画『キッズ・オールライト』などの女優アネット・ベニング。なんと11年ぶりに女性がコンペティション部門の審査員長を務める。気になるラインナップは、共にマット・デイモンが主演を務めたジョージ・クルーニー監督作とアレクサンダー・ペイン監督作に、この作品きっかけで交際をスタートさせたというダーレン・アロノフスキー監督&ジェニファー・ローレンス主演作。さらにはギレルモ・デル・トロ監督作など、華やかな顔ぶれが勢ぞろい。そしてなんといっても、福山雅治との再タッグでも話題の『三度目の殺人』で22年ぶり2回目のコンペティション部門出品を果たした是枝裕和監督。注目の金獅子賞(最優秀作品賞)の行方はいかに!(文:岩永めぐみ/平野敦子/本間綾香/編集部 浅野麗)

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<金獅子賞(最優秀作品賞)>『ザ・シェイプ・オブ・ウォーター(原題) / The Shape of Water』

製作国:アメリカ
監督:ギレルモ・デル・トロ
キャスト:サリー・ホーキンスマイケル・シャノン

【ストーリー】 1963年、冷戦時代のアメリカ。声を発することが出来ないエリサは、政府の極秘研究機関で清掃員として働いていた。孤独に慣れ親しんでいた彼女だったが、ある日、同僚と共に極秘研究対象の“謎の水生生物”と出会ったことにより、それまでの世界が一変する。

【ここに注目】 『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』などのメキシコの鬼才ギレルモ・デル・トロ監督がつづる大人向けダーク・ファンタジー。『パディントン』などのイギリスの実力派女優サリー・ホーキンスや、『ドリーム』などのオスカー女優オクタヴィア・スペンサーらが豪華共演を果たし、禁断の世界に足を踏み入れて行く主人公の姿に迫る。かつて特殊メイクアップや特殊効果を学んだ監督ならではの世界観と、障害のある恋がもたらす不思議な物語で、審査員たちも幻惑できるか。

<銀獅子賞(最優秀監督賞)>グザヴィエ・ルグラン監督『カストディ(英題) / Custody』

第74回ベネチア国際映画祭
(C) KG Productions

製作国:フランス
監督:グザヴィエ・ルグラン
キャスト:ドゥニ・メノーシェ、レア・ドリュッケール

【ストーリー】 離婚したミリアムは息子ジュリアンを守るために、元夫の暴力を理由に告訴し単独親権を請求するが、裁判官は不貞を働いていた元夫との共同親権を認める。両親の間で板挟みになったジュリアンは、最悪の事態を避けるためにどんなこともしようと決める。

【ここに注目】 長編監督デビュー作で見事コンペティション入りを果たしたグザヴィエ・ルグラン。短編映画『すべてを失う前に』が、世界最大の短編映画祭といわれるクレルモン・フェラン国際映画祭のナショナルコンペティション部門でグランプリを受賞し、アカデミー賞では短編映画賞にノミネートされた注目の新星。『危険なプロット』のドゥニ・メノーシェと『青の寝室』のレア・ドリュッケールが出演している。

<審査員大賞>『フォックストロット(原題) / Foxtrot』

第74回ベネチア国際映画祭
(C) Giora Bejach

製作国:イスラエル、ドイツ、フランス、スイス
監督:サミュエル・マオズ
キャスト:リオル・アシュケナージサラ・アドラー

【ストーリー】 土ぼこりの舞う、孤立した前哨基地。息子が兵役に就いている頃、父親はテルアビブのアパートにいた。息子が戦死されたと通知されるも、数時間後、軍当局から息子が生きていると知らされる。だが、異常な出来事やパラノイアの連鎖が息子を悲劇的な行動へと走らせていた。そしてまた、父親の過去の罪も明らかになり……。

【ここに注目】 『レバノン』がデビュー作ながら本映画祭の金獅子賞を受賞したサミュエル・マオズ監督が、2作目となる本作でもコンペティション部門にノミネート。兵士である息子と父親の力強くかつ悲劇的なストーリーを通して、運命とは何かを描く哲学的なテーマは、前作同様に自らの従軍経験から着想を得たもの。『オオカミは嘘をつく』のリオル・アシュケナージや『ジェリーフィッシュ』のサラ・アドラーが出演している。

<審査員特別賞>『スイート・カントリー(原題) / Sweet Country』

第74回ベネチア国際映画祭
(C) Mark Rogers

製作国:オーストラリア
監督:ワーウィック・ソーントン
キャスト:サム・ニールブライアン・ブラウン

【ストーリー】 1920年代、開拓時代のオーストラリアで、一人の少年がある殺人事件の目撃者となる。人種隔離政策が行われていた厳しい時代に、牧畜を業とする先住民族アボリジニのサムケリーが、自己防衛のため止むに止まれず白人の駅のオーナーを殺害したのである。

【ここに注目】 『サムソンとデリラ』が第62回カンヌ国際映画祭でカメラドールを受賞したワーウィック・ソーントン監督が手がけた歴史ドラマ。残忍さと不公平が蔓延する無法地帯だった1920年代のオーストラリア中央部を舞台に、支配者である白人男性を撃ち殺してしまったアボリジニの男性の苦難の日々を活写する。『ジュラシック・パーク』などのベテラン俳優サム・ニール、『エベレスト 3D』のトーマス・M・ライトらが共演。オーストラリアの歴史の暗部に踏み込んだ、コンペティション部門初参加の新鋭監督が勝負を制するか。

<最優秀男優賞>カメル・エル=バシャ『ジ・インサルト(原題) / The Insult』

製作国:レバノン、フランス
監督:ジアド・ドゥエイリ
キャスト:アデル・カラム、カメル・エル=バシャ

【ストーリー】 レバノンのベイルート。キリスト教徒であるレバノン人のトニは、パレスチナ難民のヤセルと些細なことをきっかけに口論になる。ヤセルの侮辱的な言葉に尊厳を傷つけられたトニはヤセルを告訴。事態は地獄のような悪循環に陥ってしまう。

【ここに注目】 アシスタント・カメラマンとしてキャリアをスタートし、『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』などのクエンティン・タランティーノ監督作品にスタッフとして参加していたジアド・ドゥエイリ監督。長編4作目となる本作は、現代のレバノンを舞台に正義や尊厳をテーマに描いた作品に。ヤスミナ・カドラによる小説「テロル」を映画化した前作『ジ・アタック(原題) / THE ATTACK』が各国の映画祭で賞賛されていただけに、要注目株といえそう。

<最優秀女優賞>シャーロット・ランプリング『アンナ(原題) / Hannah』

第74回ベネチア国際映画祭

製作国:イタリア、ベルギー、フランス
監督:アンドレア・パラオロ
キャスト:シャーロット・ランプリングアンドレ・ウィルム

【ストーリー】 夫が投獄され一人取り残されたアンナ。その事実を受け入れられず次第に不安定になっていくが、傷つけられたアイデンティティや自制心に向き合うことによって、現代社会の疎外感などを探求するようになり……。

【ここに注目】 デビュー作『メディア』が本映画祭のオリゾンティ部門で上映されたアンドレア・パラオロ監督。イタリアのトレント出身だが、アメリカを拠点に活動しており、コンペティション部門に長編第2作を携えての凱旋となる。本作では『さざなみ』でベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞したシャーロット・ランプリングを主演に迎えて、過去や現実と折り合いをつけようともがきながら自己を喪失していく女性の内面の苦しみを探る。『ル・アーヴルの靴みがき』のアンドレ・ウィルムが共演。

<マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)>チャーリー・プラマー『リーン・オン・ピート(原題) / Lean On Pete』

第74回ベネチア国際映画祭
(C) Scott Patrick Green

製作国:イギリス
監督:アンドリュー・ヘイ
キャスト:チャーリー・プラマースティーヴ・ブシェミ

【ストーリー】 幼い頃に母に捨てられ、父親は殺されてしまった15歳の孤独な少年チャーリー。オレゴン州ポートランドにある競馬場で調教師の手伝いを始めた彼は、“Lean on Pete”という名の老馬と心を通わせ、その馬と共に唯一の親戚であるおばを探す旅に出る。

【ここに注目】 作家ウィリー・ヴラウティンが2010年に発表した同名小説をもとに、『さざなみ』でその手腕を高く評価されたアンドリュー・ヘイ監督が、自ら脚色を手がけ映画化した本作。主人公チャーリー役に抜擢されたのは、ドラマ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」などの若手俳優チャーリー・プラマー。共演に個性派俳優のスティーヴ・ブシェミやクロエ・セヴィニー『ウォークラフト』トラヴィス・フィメルらが名を連ねる。

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