シネマトゥデイ

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藤井まゆみのとまとさんの言うとおり!?

 アメリカの大手映画レビューサイト Rotten Tomatoes の批評家満足度を基に、6月公開作品をランキングでご紹介。さらに Rotten Tomatoes の批評家たちが選んだベスト5に対して、ニコニコ生放送「元祖シネマざんまい」にも出演している映画コメンテーターでモデルの藤井まゆみが、独自の視点で切り込みます!

Rotten Tomatoes ベスト5
グローリー

第1位:『グローリー/明日(あす)への行進』 批評家満足度:99%
第2位:『ターナー、光に愛を求めて』 批評家満足度:98%
第2位:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 批評家満足度:98%
第4位:『約束の地』 批評家満足度:91%
第4位:『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』 批評家満足度:91%
(2015年5月20日時点)

まゆみ’s チェック!
グローリー

『グローリー/明日(あす)への行進』
 アメリカ公民権運動の中、1965年にアラバマ州セルマで起きた「血の日曜日事件」をベースした歴史ドラマ。本年度のアカデミー賞歌曲賞を受賞し、作品賞にもノミネートされた。スパイク・リー監督の映画『マルコムX』とは(思想的にも)真逆な抑え気味のブラックムービーではあるが、キング牧師という人が「何を求め、何を考えているのか」を真っすぐに描き、非暴力主義を貫いて黒人の平等な選挙権を求め国に立ち向かった姿は、現代のわたしたちにも勇気と希望を与えてくれる。R&Bシンガーのジョン・レジェンドと本作にも出演しているラッパーのコモンが歌うアカデミー賞受賞曲「Glory」も、聴くたびにキング牧師の思いが強く胸を打ち、涙が止まらない。

ターナー

『ターナー、光に愛を求めて』
 19世紀イギリスの有名な風景画家、J・M・W・ターナーの謎の人生を『秘密と嘘』『ヴェラ・ドレイク』などの巨匠、マイク・リーの監督と脚本で映画化。ターナー演じる『ハリー・ポッター』シリーズの「一度見たら忘れられない顔の持ち主」ティモシー・スポールのインパクトある演技が絶賛され、第67回カンヌ国際映画祭では男優賞を受賞した。秘密主義者で女性関係すら複雑であるという、ターナーの奇妙な生き方をドラマとして興味深く観ることができるのは、人間を掘り下げて描くことに定評のあるマイク・リーの手腕だと感じさせる。しかし上映時間2時間30分という尺が妥当かどうかは、観る人によって賛否が分かれるはず。

マッド

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
 世界崩壊後、資源と民衆を支配するジョーの軍団に捕らわれたマックスは、反逆したジョーの右腕・女戦士のフュリオサらと共に自由を求めて逃走を開始する。3作目から30年を経て『マッドマックス』シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが、自ら製作・監督・脚本を担当した4作目。傑作カルト映画として評価された1979年公開の1作目に比べ、続編とは思えないほどド派手に進化。「世界のどこでも字幕なしで理解できる映画を作りたい」というミラー監督の、息つく暇を与えない説明無用なノンストップアクションを最後の最後まで見せつけられる。しかし愛する家族を殺され“マッド”化するマックスに、本質的なサスペンス要素の物足りなさを覚えるファンもいるかもしれない。

約束

『約束の地』
 1882年、パタゴニアの地にたどり着いた父と娘。愛する娘が突然居なくなり、捜しに出た父は、荒野に迷い込み現実と非現実の間でさまよう。ポスターのイメージから壮大な叙事詩的映画かと思いきや、実際は「スペイン語とデンマーク語が交錯するファンタジー映画」だ。フィンランドの名監督アキ・カウリスマキとも組む撮影監督、ティモ・サルミネンが作り出す「四隅が丸い変形スタンダードサイズ」のコンパクトな映像が美しく魅了されるが、ストーリーの行き先が全く見えないのが少々難。原題「Jauja」の意味と同様に、エンディングに誰もたどり着けないようにする作戦か。カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞も納得の一般好みから外れたようなアート作品は、デヴィッド・リンチ映画をほうふつさせる。

オンザ

『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』
 主人公アイヴァンは車でハイウェイを走りどこかに向かっている。この映画は、ひたすら車を運転する一人の男しか映らない密室劇だ。最愛の妻と息子、仕事仲間たち、過ちの一夜の相手との電話でのやりとりを通じて、主人公が追い込まれた状況に苦しむ表情だけで進行する。場面転換なしの86分間は、小説を読んでいるかのように想像をかき立てられる。この作品でロサンゼルス映画批評家協会賞の主演男優賞を受賞したトム・ハーディと、電話越しの俳優たちのレベルの高い演技が観客をつかんで離さない。映画『堕天使のパスポート』でアカデミー賞にノミネートされた脚本家、スティーヴン・ナイトが監督・脚本を務めている。

まゆみ’s ベスト5

第1位:『グローリー/明日(あす)への行進』
第2位:『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』
第3位:『ターナー、光に愛を求めて』
第4位:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
第5位:『約束の地』

 今回、娯楽性の強い作品と芸術性の強い作品がそれぞれ入り交じり、甲乙つけ難いランキングとなった。その中で「主人公が何を目的に、どう行動するのか?」を明確に伝えた作品を首位に選んだ。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、メル・ギブソン版とのギャップにやや違和感を覚えてしまうほどのビジュアル先行型アクションに、『マッドマックス』ファンとしては、もっとドラマ性を求めたかったところ。女戦士役シャーリーズ・セロンの活躍ぶりは見どころだ。一方で、主人公の苦悩が描かれたドラマ性ありの『約束の地』は先の展開が予測不能すぎて、ストーリーに入り込むまでに時間が必要のように思われた。

今月のランキング

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プロフィール
藤井まゆみ プロフィール

藤井まゆみ Mayumi Fujii
Twitter:@mayumi_fujii
オフィシャルブログ:『藤井まゆみのシネマジャーナル』

2010年に第一回 国民的"美魔女"コンテスト「美肌魔女賞」を受賞。以降、Team美魔女のメンバーとして各方面で活動中。
大の映画好きがきっかけで6年間ロスアンゼルスの映画留学を経験した豊富な知識を生かし、 "映画を観て美しくなろう!"をコンセプトに「美に効くサプリ」として映画を紹介する、映画 "ビューティ" コメンテーター として活動をスタート。

【映画関連】
<記事>
・2013年5月~   映画エンタメ情報『シネマカラーズ』、美に効く映画[サプリ]連載
・2014年12月~   トレンドミックスマガジン『VANITY MIX ヴァニティ・ミックス』、藤井まゆみの魔ジカルCINEMA 連載

【雑誌・広告】
2010年~ 光文社「美STORY」
2012年 小学館 「週刊ポスト」グラビア出演
2014年 ショップチャンネル 藤井まゆみプロデュース「BE GENE」
2014年~ 美サロ イメージキャラクター

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