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スティーヴン・キングの魅力とは?ホラーが不朽の名作になる理由

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『ミスト』のオリジナルのエンディングはキングもお気に入り!
『ミスト』のオリジナルのエンディングはキングもお気に入り! - (c)2007 The Weinstein Company.All rights reserved

 デビュー小説「キャリー」以来、長短編を問わず次々と作品が映像化され続けるモダンホラー小説界の旗手スティーヴン・キングの魅力に迫ってみた。昨年公開された『1408号室』『ミスト』などホラージャンルだけにとどまらず、ヒューマニズム作品も高い評価を受け、映画『スタンド・バイ・ミー』『ショーシャンクの空に』などは映画ファンの心に不朽の名作として刻まれている。なぜ人々は彼の作品に惹(ひ)かれるのか?

 作家自身、よく書きよく読むと自著でつづっているように、キングの読書量及び、執筆量は並大抵のものではなく、デビュー当時業界に風潮としてあった1年に1冊出版との縛りに我慢ならず、リチャード・バックマンというペンネームを使い、多くの小説を生み出してきたほど。その積み重ねられた深い知識と、持って生まれた才能から湧き出たストーリーはまさに奇想天外。「意思を持ったトラックが人を襲う」「悪意を持った部屋が人を殺す」「未知なる生物が出現し、人類を脅かす」など一見プロットを聞くとあまりにも子どもじみた印象を受けるが、キングの手に掛かれば、極上の恐怖に様変わりするのだ。

 その最たる要因は緻密な描写にあるといえるだろう。主人公はもちろんのこと、脇役から物体に至るまで多くのエピソードの連なりで、どんな性格または存在なのかが手に取るようにわかってしまう。時にはそのエピソードが原因で、本筋から脱線してしまう場合もなきにしもあらずなのだが、緻密な描写がストーリーにリアリティを与え、知らぬ間に読者をあり得ないホラーな世界に引きずりこんでいくのだ。それがヒューマニズム作品ならば、より一層説得力を持った人間ドラマが展開していく。緻密さに裏打ちされたストーリーテリングが、キング最大の魅力なのだ。

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 そんなキング原作小説の中で、人間ドラマと恐怖が絶妙にブレンドされたのが中篇小説「霧」だ。謎の霧が発生したことでスーパーにろう城せざるを得なくなった住人たちと、その濃霧の中から出現する未知なる生物による恐怖を描いた一編は『ミスト』として実写化された。これまでに映画『スティーブン・キングのナイトシフト・コレクション』『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』で公私共にキングと友人関係を築いている脚本家兼監督のフランク・ダラボンがメガフォンを取り、スーパーに立てこもる人間たちの中に渦巻く対立と、外部から襲い掛かる恐怖を、原作の質を損なうことなく映像化することに成功した。また公開当時話題となったダラボンによるオリジナルの衝撃的エンディングはキング自身も大のお気に入りだという。

 今後も長編小説「IT」の映画化や、映画『チルドレン・オブ・ザ・コーン』のリメイク、キング版「ロード・オブ・ザ・リング」ともいえる「ダークタワー」シリーズの映像化プロジェクトなど数多くの企画がうわさされるキング。これからも世界中を恐怖と感動で包んでくれるのは間違いないだろう。

『ミスト』は9月25日よる11:00よりWOWOWにて放送

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