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プレデターもお手上げ!? アニメ作品『怪盗グルーの月泥棒 3D』が断トツの第1位! -7月12日版

全米ボックスオフィス考

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映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』より
映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』より - (C) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 3Dアニメが相変わらず強い。スティーヴ・カレルらが声の出演をしたアニメ映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』が5,640万ドル(約50億7,600万円)をたたき出し、初登場の新作映画『プレデターズ』を破って全米ナンバーワン映画に輝いた。(1ドル90円計算)

映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』場面写真

 3Dアニメ市場ではまだ新米のユニバーサル・ピクチャーズが放ったこのアニメ映画は、元20世紀フォックス・アニメーションの社長だったクリストファー・メレダンドリ氏のイルミネーション・エンターテイメントとユニバーサルが提携して製作された映画。この作品は3Dをうたい文句に掲げているアニメ作品にしては珍しく、45パーセントが3D上映館からの収益という統計が出ている。3Dアニメ作品で、3D上映館からの収益の方が少ないというのは非常に稀なことで、わかりやすい例でいうと『怪盗グルーの月泥棒 3D』の3D上映館は1,551館で、2009年人気3Dアニメ映画『モンスターVSエイリアン』の3D上映館数もほぼ同様だったのだが、『モンスターVSエイリアン』は、総合収益の56パーセントが3D上映からの収益によるもので、大体においてこれが普通の3D作品の収益割合となっている。

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 『怪盗グルーの月泥棒 3D』は実際に鑑賞すると、予告編では想像がつかないほどジ~ンとさせてくれる作品に仕上がっており、この映画は3Dに頼らなくても観客にアピールできる作品であるということを数字が証明しているのかもしれない。

 代わって今週の第2位は、先週のトップからダウンした映画『エクリプス/トワイライト・サーガ』で3,171万ドル(約28億5,390万円)。封切り12日目での総合収益は2億3,540万ドル(約211億8,600万円)と前作の映画『ニュームーン/トワイライト・サーガ』とほぼ変わらず、2週目で70パーセントも落下してしまった前作に比べるとある程度の持久力があるといえそうだ。

 第3位は、初登場の映画『プレデターズ』で2,476万ドル(約22億2,840万円)の売り上げ。2,669館・推定3,300スクリーンで大型公開された本作は、1987年にアーノルド・シュワルツェネッガー の主演で人気を博し、シリーズ化した『プレデター』シリーズの一環。リメイクという解釈をしているところもあるようだが、新作のストーリー内容がオリジナルとかなり違うところや、主役のエイドリアン・ブロディがシュワちゃんとは似ても似つかない細身なキャラであるということで、この作品がリメイクではないことを示している。

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 そして第4位は、映画『トイ・ストーリー3』で2,102万ドル(約18億9,180万円)。30.6パーセントという小幅な降下率で、依然として人気の根強さを証明している。また公開後24日にして3億4,000万ドル(約306億円)という興行収入を上げており、これで映画『アリス・イン・ワンダーランド』を抜き2010年のナンバーワン映画となった。

 第5位は、先週の第2位から58.7パーセント転落した映画『エアベンダー』で1,664万ドル(約14億9,760万円)。今週1億ドル(約90億円)の興行収入大台に乗るものと予想されており、M・ナイト・シャマラン監督にとってはこれが4作目の1億ドル(約90億円)突破作品となる。

 さて次回のチャート予想だが、トップ3入り確実な作品が数点。まずひと足お先の水曜日公開で先陣を切るのは、ニコラス・ケイジ主演の映画『魔法使いの弟子』。この映画はタイトル通り、ディズニーの名作映画『ファンタジア』で、『魔法使いの弟子』のエピソードがモチーフになっている実写版の映画。もちろん、この作品はミッキー・マウスではなく人間の俳優が魔法使いの弟子を演じている。特撮がカッコよく、老若男女みんなが楽しめる作りになっているため、かなりの集客が見込まれる。

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 そして『魔法使いの弟子』に対抗するのは、レオナルド・ディカプリオ主演映画『インセプション』。バットマン・シリーズの映画『ダークナイト』で大ヒットを飛ばしたクリストファー・ノーラン監督の大作だ。ノーラン監督特有のダークでやや難解な大人向けのサスペンス・スペクタクルだが、『魔法使いの弟子』が小さい子どもも楽しめるPG指定なのに対し、『インセプション』はPG13。おまけに上映時間が2時間28分と少々長め。このことから推察して、大人は『インセプション』に流れ、親子連れとディズニーファンの老若男女が『魔法使いの弟子』に流れることが考えられる。これを念頭に置くと、ひょっとして定員割れも考えられ、どちらの新作が首位を獲得するか予想するのは難しい。『怪盗グルーの月泥棒 3D』がトップをキープする可能性もあり、次回のナンバーワンはどの作品になるか非常に楽しみである。(文・取材: 神津明美/ Akemi Kohzu)

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