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おっさんムービー、静かにブーム到来!? 先行き不透明なニッポンに喝!

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光石研33年ぶりの主演作『あぜ道のダンディ』(6月18日公開)
光石研33年ぶりの主演作『あぜ道のダンディ』(6月18日公開) - (C) 2011『あぜ道のダンディ』製作委員会

 光石研が33年ぶりの主演を果たす6月18日公開の『あぜ道のダンディ』をはじめ、今、おっさんムービーが静かにブームとなっている。同作は、自称「中の下」の、さえないOLの転機を描いた『川の底からこんにちは』で高い評価を得た新鋭・石井裕也監督の最新作。妻を亡くして以来2人の子どもを男手ひとつで育てる50男が、体に変調をきたしたのを機に、進学で親元を離れようとする子どもたちに思い出を残そうと奮闘する家族ドラマで、不器用だが真摯(しんし)に生きる中年男にふんした光石の、等身大のダンディズムが光る快作だ。

 昨年公開された益岡徹主演の『脇役物語』(10月23日公開)、今年公開された吹越満&でんでん共演の『冷たい熱帯魚』(1月29日公開)、高田純次主演の『ホームカミング』(3月12日公開)など、中年男を主人公にした作品が相次いで公開されており、いずれも普段は脇役として活躍している個性派俳優が主役としてスポットライトを浴び、水を得た魚のようにパワフルな熱演を見せている。もう一つの特徴として、リーアム・ニーソン主演の『96時間』のように特殊技能を持った主人公が体当たりのアクションを交えて活躍するハリウッド映画とは対照的に、どこにでもいるようなフツーの中年男が「地味にがんばる」話になっているところがいかにも日本的だ。また、これらの中でも、R18+指定作品であるにもかかわらず初日から立ち見続出のヒットを飛ばし、海外での上映も決まった『冷たい熱帯魚』の快挙は、テレビドラマなどで見慣れたキャストを起用し続けている昨今の邦画界に一石を投じたともいえる。

 今後も、2008年に放映された「あしたの、喜多善男~世界一不運な男の、奇跡の11日間~」でテレビドラマ初主演を務め、一躍注目を集めた小日向文世主演の『犬飼さんちの犬』(6月25日公開)、生瀬勝久主演の「劇場版サラリーマンNEO」(11月公開)など、おっさんムービーが続々と待機中。不況や暗いニュースが続き、先行き不透明なこの時代には超能力を持つ「スーパーヒーロー」ではなく、ひたむきに生きる「等身大のヒーロー」が必要なのかもしれない。(編集部・石井百合子)

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